米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

5/12 米国インフレ抑制へ 5%超の金利引き上げが現実味...

 何とも威勢よくぶち上げたものです。ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は11日、『インフレを抑制するために必要な金利水準や、それがどれほどの痛みを引き起こすのかについてのメッセージで米金融当局は【ごまかし】をやめるべきだ。』と述べました。ブルームバーグ・サーベイランスのインタビューでの発言です。以下、引用します。

  物価圧力を抑えるために米金融当局が政策金利をどこまで引き上げるべきかについて、ダドリー氏は「4-5%もしくはそれ以上だと思う」と語った。同氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストで、ブルームバーグ・エコノミクスのシニアアドバイザーも務める。

  この日発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回り、経済の広い範囲にインフレ圧力が高まっていることを示した。

  複数の米金融当局者からは、経済を軟着陸させ、景気後退(リセッション)入りや失業率の急上昇を回避することは可能だとの声が聞かれる。しかし、ダドリー氏はこうしたメッセージはメリットよりデメリットの方が大きいと指摘。

  「米金融当局は景気を減速させて失業率を押し上げるほど政策を十分に引き締めなければならない。それが求められていることであり、そのことをもっと率直に国民に説明すべきだ」と語り、耳に心地の良いごまかしを続けていれば、金融状況はさほど引き締まらず、金融当局に対する信頼が損なわれかないと警鐘を鳴らした。(ブルムバーグ 2022年5月12日 2:09 JST)

米国内では、凄まじい物価高騰...

 ここまで凄まじい物価高騰が、現実問題として米国社会に今や迫っているとの認識です。ゼロ金利の日本にいると理解し難いのですが、主要都市の住居費や食料品費等の高騰も凄まじく、それに呼応する形で、労働者の募集に「時給30ドル/時間」の提示でさえ応募者が現われ難く、アップルやアマゾン等では「時給40ドル/時間」も水面下で行われているとの報道も目にします。これ、一日の賃金ではなく、一時間当たりの賃金が30ドル~40ドルであるとの意味です。

ボルガーショックが、再来するのか?

 かつて米国では、1979年8月に就任したボルカーFRB議長が、【インフレ退治を最優先】にして、アグレッシブな利上げを敢行(ボルガーショック)しました。 
 インフレの根底にある国内の強い需要を抑制するためには、リセッション(景気後退)もやむを得ないと考えた末の判断とされています。このように、米国FRBには【株式市場を奈落へ突き落とす高金利政策の実行】の前例があるのです。そして余談ながら、高金利政策の解除後、米国株式市場は上昇に次ぐ上昇を演じるのです。


5月12日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比326ドル63セント(1.0%)安の3万1834ドル11セントで終えました。連日で年初来安値を更新した。11日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めを警戒した売りが強まったものです。

3大株価指数が続落、年初来安値を更新

 ナスダック総合株価指数は前日比373.435ポイント(3.2%)安の1万1364.236、S&P500種株価指数は前日比65.87ポイント(1.6%)安の3935.18で終えました。いずれも、年初来安値を更新したものです。チャート上からも「ダラダラと下がり続けて」います。

4月の米消費者物価指数(CPI)

 前年同月比8.3%上昇し、上昇率は市場予想(8.1%)を上回りました。食品とエネルギーを除くコア指数も上昇率が6.2%と市場予想(6.0%)以上でした。この数値は「長期的なインフレの高止まりが意識され、FRBの金融引き締めを後押しする内容」と市場で解釈されています。

高PER銘柄の売り崩し…

 いつもの如く、金利上昇局面で相対的な割高感が意識される高PER(株価収益率)のハイテク株が売られました。アップルが5%安、マイクロソフトとセールスフォースは共に4%安。電気自動車のテスラが8%安、半導体のエヌビディアが5%安でした。終わり間際まで下がり続け、下がった銘柄が多過ぎてチェックし切れません。

大型ハイテク銘柄へ【追い証】の売り... 「大底まだ見えず」との声も...

 米国の話ですが、マージンコール(追い証)に伴う投げ売りが大型ハイテク株に及んだとの指摘があった模様です。ついに、優良銘柄のGAFAMにも【追い証】絡みの投げが見られ始めたようです。以下、日経新聞の記事を引用します。

 11日はアップルが前日比5%安で終え、3月中旬につけた安値(150.10ドル)を下回る場面もあった。ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「追い証を迫られた投資家による投げ売りが出たのは明らかだ」と指摘。そのうえで、ハイテク株全体の先安観から「他の優良銘柄に新たなショートポジションが形成された可能性が高い」とみる。


 エヌビディアとメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)がともに5%安、テスラは8%下落するなど、この日は大型ハイテク株の下げが目立った。ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏は「他の銘柄で出た損失を埋める目的で優良株を売る投資家が増えている」と話す。売りの連鎖の一因は、株価が騰勢を強めていたモメンタム株の急落にありそうだ。


 「最終赤字が続く銘柄は買いづらくなった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)。大規模な金融緩和と低金利が続いたこれまでの環境では、中長期の成長を見込んで赤字の新興企業への投資が旺盛だったが、FRBが金融引き締めに動いて環境が変わるなかでは短期的な目線に立たざるを得ない。

 

 投資家の多くは短期的な株価変動に注視しており「相場の大底はまだ見えない」(グリスキー氏)と悲観的だ。

 米企業業績と景気見通しは堅調を保つにもかかわらず、米株はなぜここまで下げるのか?

 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのデービッド・レフコウィッツ氏は「実質金利とPER(株価収益率)の逆相関性が働いている」と指摘する。米財務省によると、10年物の米物価連動国債から算出する実質金利は4月末に約2年ぶりにプラス圏に浮上し、5月10日には0.34%まで上昇。

 

 S&P500種のPERは足元では17倍と、年初(21倍)から切り下がっている。レフコウィッツ氏は「実質金利は新型コロナウイルス禍前の水準に戻り天井を打ったようにみえるが、そうとも限らない」と慎重だ。

 インフレ懸念を背景にしたFRBの金融引き締め加速などで実質金利上昇が続けば、PERが一段と低下する形で株安が進む可能性はあるとみる。


 4月はCPIの上昇率が前月比では3月よりも鈍り、「インフレは伸びが鈍化する傾向にあり、株安も終わりの始まりではないか」(ナショナル・セキュリティーズのホーガン氏)との楽観的な声もある。

 しかし、時価総額の大きい主力のハイテク株に売りが続けば、下値を模索する相場展開が変わるのは難しそうだ。(日経新聞 2022/05/12 7:54)

MYポートフォリオ

市場の終了30分前頃から、次の銘柄を新規買いしました。合計 : 967.54ドルです。

  1. INTC インテル 4株
  2. VT バンガード トータル ワールド ストックETF 2株
  3. VTI バンガード トータルストックマーケットETF 3株
  4. XLF 金融セレクト セクター SPDR ファンド 1株

また、先立つ日本市場でも、次の銘柄を新規買いしました。合計 : 696.36ドルです。

  1. 3636 三菱総研 2株
  2. 6954 ファナック 1株
  3. 8316 三井住友 3株
  4. 8730 SOMPO 2株
  5. 8725 MS&AD 4株
  6. 8750 第一生命 5株
  7. 8766 東京海上 2株

これらはあくまで打診買いなので、時期尚早と判明すれば、即損切り・売却します。

編集後記

 昨日、タレントの上島竜兵氏が「自宅」で亡くなられていたことが発表されました。故志村けん氏と長年に亘り、コントを織り交ぜてTV界で活躍されていたことを思い出します。この1週間前には俳優の渡辺裕之氏も「自宅」で亡くなっており、相次ぐ早すぎる死に胸が痛みます。

米国での金利引き上げの痛み...

 15%超の金利引き上げを断行した故FRB議長のボルガー氏。日本ではとても考えられない金利水準ですが、過去に米国で行われた前例があるなら、今回も果敢に取り組む可能性がゼロではありません。
 一気に10%水準まで行くならまだしも、真綿で締めるようにジリジリと金利を引き上げられると、確実に世界経済が持たないです。併せて、株式市場からマネーが消えてなくなってしまいます。

後、2年は長過ぎる…

 バイデン大統領の任期、あと2年超は長過ぎます。代替の副大統領は検討すらされず、第三候補である下院議長も厚塗りのヒステリック女史ですし…。フラストレーションで米国伝統の暗殺が起こるかも…?

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