米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

8/19 暴落相場に買い向えるのは『奇人・変人』だけ?...

 暴落相場に関する特集も3日目となりました。何事においても事前の「傾向と対策」は大事です。さすがに、最も肝心な資金繰りはその時の対応、投資家の力量次第という事になりますが…。

頭では分かっている、「株買いは暴落時」に限る...

 『米国株買いは、株式市場の暴落時に限る』この言葉ほど投資家に力強く響くものはありません。なお、余談ですが、これを言い換えた『米国株売りは、株式市場の暴落時が最大リスク』も真実です。
 2009年のリーマンショック。果敢にも底値付近で打ち捨てられていた優良銘柄を、コツコツと1年以上に亘って買い集めていた人が最後に大勝ちしたのです。下げても下げても買い下がる、執念が実った投資手法です。
 普通人はこんなことできません。『筋金入りの奇人・変人』以外、1年を超えて下げ続ける市場に対して買い続けることなどできはしません。思案はするも、投げて終わりです。

奇人・変人代表は、バフェット氏とアルワリード王子...

 ウォーレン・バフェット氏は、2008年9月23日、米投資銀行ゴールドマン・サックスが発行する50億ドル(5千3百億円)の優先株引き受けを決めました。時代は大底が未だ見えない濃霧の中。リーマン社が悲しくも倒産する、概ね1年前の出来事です。


ウォーレン・バフェット氏は、2008年9月23日、米投資銀行ゴールドマン・サックスが発行する50億ドル(5千3百億円)の優先株引き受け


 また、サウジアラビアのアルワリード王子は、2008年~2009年の暴落で株価が98%下げていたシティグループ株を大量に追加購入しています。日銭のオイルマネーといえども、今にも倒産しかけのクズ株を買い上げたのです。
 特に、同王子は名うての勝負師で、1997年に【当時、誰も欲しがらなかった】アップル株623万株(発行済みの5%)を1億1540万ドルで購入。当時の時代背景では、ドブに金を捨てるようなものでした。ホンに彼らは、筋金入りの奇人・変人なのです。

S&P500種における過去の暴落時の騰落率

 次のグラフは、代表的な平均株価の指標である「S&P500種における過去の暴落時の騰落率」一覧です。ここ35年以内ではこれら『5大株式暴落』が著名です。暴落時の騰落率を取り上げても、生半可な数値ではありません。

投げ売りのコロナショックが急激に拡大発生(直近の株価暴落)...

 2021年12月、中国で正体不明のウィルスが発見されるという報道記事が出始めました。発生元は武漢の食品市場?で、野生動物から感染の可能性が高いとのコメントがチラホラ散見する程度でした。
 2020年2月、ダウ平均が力強く過去最高値を更新。米国株式市場とトランプ大統領(当時)は、絶好調の極致に位置していたのです。
 しかし、同年3月になると、中国武漢発の「新型コロナパニック」が米国や欧州へも拡散。投資家は、『未知の新型コロナウィルスが感染源となり、未だワクチンや治療薬がなく、感染すれば極度の肺疾患による【死】が待っていることに恐れおののき』、リスク資産とみなされる「株式」を売却し始めました。

コンピュータ主導による「情け容赦ない」株売り...

 3月半ばには、世界の主要都市では封鎖(ロックダウン)が見られ、経済活動が大きく制約を受ける中、NY株式市場は顕著な右肩下がり相場となり、同月後半にはパニック売りが更にパニックを呼び込む『悪循環』が繰り返されて、コンピュータ主導による阿鼻叫喚の絵図が市場に現われたのです。

『半暴落』程度は頻繁に発生している?...

 次のグラフは、「S&P500種の13営業日騰落率の推移」です。暴落時以外でも、平均株価は上げ下げを頻繁に記録しているのがご覧いただけると思います。いわゆる『半暴落』程度でもかなり株価が落ちていますので、この辺が狙い目かも知れません・・・。


落穂拾いの投資家が、暴落市場から買い上げる...

 『米国金融市場の崩壊』とまで忌み嫌われた「2008年のサブプライムショック」と「2009年のリーマンショック」で資産額を一気に膨らませた筋金入りの奇人・変人、その彼奴等の軌跡をなぞるようにチャンスを待っていた新しい投資家は、ハゲタカが弱り切った獲物に襲い掛かるように飛びついたのです。
 2020年3月16日、ダウ平均が前営業日比2,997.10ドル安という過去最大の下げ幅(下落率は12.9%)を記録したタイミングを逃さず、落ちて来る株券をモーレツに拾い始めました。ここまで来ると、さしずめ【奇人・変人の極み】です。

ダウ平均の下落幅は1万ドル以上、下落率は36%強...

 打ち止めは3月23日、ダウ平均は1万8,591.93ドル(前日比▲3%)まで下落しました。ホンの40日ほど前に記録した過去最高値2万9,551.42ドル(2月12日終値)から比べると、下落幅は1万ドル以上、下落率は36%強にまで達したのです。

8カ月後、ダウ平均は3万ドルを突破...

 下落幅・下落率共に、2008-2009年のリーマンショックを超える破壊力となった「コロナショック」ですが、3月23日の最安値を大底に、ダウ平均は二番底を形成することもなく、ほぼ一直線で上昇しています。
 早くも、2020年11月上旬には同年2月の最高値を更新、2020年11月24日には3万ドルの大台を史上初めて突破しました。

8月19日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は小幅に反発、前日比18ドル72セント(0.1%)高の3万3999ドル04セントで終えています。ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発、前日比27.219ポイント(0.2%)高の1万2965.342で終了しています。



 前日公表の7月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、利上げペースが減速するとの観測が引き続き買いを支えた模様です。

MYポートフォリオ

 報道によると『医療用麻薬「オピオイド」の訴訟で連邦地裁から賠償命令を受けたドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスの株価が下落。アナリストが投資判断を引き下げた通信のベライゾン・コミュニケーションズの株価も安い。』ときたもんです。共にポートフォリオ構成銘柄で、外野の親爺から「直撃弾」を喰らいました。
 ボーダーフォン株の一部を売却、得た資金でETFの買い増しを実行しています。現在、ETF構成比率が49.8%と5割を下回っているので...。


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編集後記

 値下がりするようで下がらない主要なハイテク銘柄ですが、このまま時が過ぎ去っていくとなると、今の株価で固定化するのか、逆に上値となって抵抗線になるのか、神のみぞ知ると言った感じでしょうか?
 いずれにしても、下げた株価は「美味しいところをかじられる」ことになるので、背中の後押しがない限り、平均株価はなかなか一直線に下がらないのでは、と見ています。
 誰でも、下げたところから大きくリバウンドした「過去の株価チャート」を見せられると、売り行為は買い手に儲けさせるだけだとの思いが強くなって、恒常的な売り手にはなりたくない筈です。よって、業界に巣くっている守銭奴たちは、売買させるべく『多種多様な悪さを、これからも仕掛けて来る』ことでしょう。
 昔番組の「奇人・変人・白いギター」ではないですが、次の市場暴落時にガッツリと優良銘柄を買い込めるか否か、やって来るまで私の寿命があるか否か、興味が尽きません。

弱り目に祟り目

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