米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

11/07【番外編】ここ一年における、GAFAMの株価推移(その2)...

 GAFAMとは、世界で圧倒的な存在感を見せる多国籍IT企業の雄である5社(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の頭文字を取った呼び名のことです。全て米国企業で、今やこれら企業が提供するサービスは、社会インフラとまで言えるほどに私たちの生活に根付いてしまっています。
 今回は、5社の内でAppleとMicrosoftを取り上げ、Bグループと区分しています。なお、Aグループは、次をクリックして下さい。

GAFAMが消え去り、近々「GAAM」と呼び名が変わる?...

 GAFAMは、言い換えればアメリカ株式市場における時価総額の上位5社でもありました。過去形で申し上げるのは、メタ・プラットフォームズ株(フェイスブック)の株価がピーク時から1/3へ急落しているからに他なりません。
 同社は暫くは復活もままならない状況下に置かれてしまっているので、GAFAMから近々に「GAAM」へと、呼び名が変わるやも知れません。
 なお、少し古いですが、2020年4月、GAFAM5社の時価総額合計が東証一部全体の時価総額を上回ったとの記事が日経新聞に掲載されていました。

永久のライバル企業...

 GAFAMを取り組むサービスで分別して便宜上、Google、Amazon、Facebookグループ(Aグループ)と、Apple、Microsoftグループ(Bグループ)の2大グループに分けました。今回は、このBグループを取り上げます。

Bグループにおける直近1年の株価推移...

 下記の折れ線グループは、直近1年の株価推移を表示します。S&P500が20%程、ナスダックは35%程、それぞれ下落している中、緑色アップル株は8%程、青色マイクロソフト株は36%程、それぞれ下落しています。(画像クリックで2倍画像が表示されます)


Bグループにおける直近1年の株価推移...

 条件を直近1年間から直近6カ月に変更してもアップル株の優位性は変わらずです。S&P500が9%程、ナスダックは16%程、それぞれ下落、緑色アップル株は11%程、青色マイクロソフト株は23%程の下落となっています。(画像クリックで2倍画像が表示されます)


Bグループにおける直近1カ月の株価推移...

 今、ここ10日前ぐらいから始まった四半期決算の発表、これ以降にGAFAM銘柄の下落が始まり時価総額の巨大な同銘柄を直撃しています。パソコン界の両雄であっても、大きな下落の流れには逆らえずに沈んだままの状態です。


アップル株

 熱狂的なファン層を持つ「アップル株」ですが、放言すると『技術の日産、販売のトヨタ』的な色分けで云う処の「技術のアップル、販売のマイクロソフト」になります。
 アップル社が開発・販売するマッキントッシュPCは、機能的にはWindowsPCより格段に優れていても、素人ユーザーがおいそれと購入できる価格帯ではなかったこと。マッキントッシュPC機種から上がる利益をアップル社が独占するシステムであったことで、残念ながら、広く一般向けに『パーソナルコンピューター』を広めたとは言い難いものでした。

 余談ながら、パソコンユーザーのすそ野を広げ・開拓したのは1995年発売のウィンドウズPCであり、我々素人は「インテルと組んだマイクロソフト社製OSを搭載するパソコン」と「付属ソフトOffice」の登場を待たなくてはいけなかったのです。

 再度、アップル社に話を戻すと、2001年に第一世代の「iPod(アイポッド、携帯型デジタル音楽プレイヤー)」を開発・販売し、2007年1月9日に「iPhone(アイフォーン)」の販売を行って、御承知のように世界を席巻したのです。

バフェット氏によるアップル株の取得

 バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ社が、初めてアップル株を取得したのは2016年6月、購入数は981万株でした。9月末には1522万株、12月末には5735万株と買い増し続け、本年1月の7千万株以上と続きます。
 大量取得の理由について、バフェット氏はサラッと「買いたくなったのだ」と話しているだけです。投資の神様であるバフェット氏が、あの時期にアップル株を大量に買い込んだことは、一般投資家に向けてアップル株取得へ拍車を掛けたようです。

発行総数の5.6%を超えるアップル株を保有中・・・

 今や、バークシャー・ハサウェイ社は発行総数の5.6%を超えるアップル株を持っている勘定になり、バークシャーの株式ポートフォリオ全体の40%以上を同社株式が占めるようにもなっています。まさに両社は一蓮托生の運命にあるのです。
 もちろん、バフェット氏が買い込んだ時期は、アップル株が一時的に低迷していた時です。噂では、AT&T株を全株売却して、アップル株の購入資金へ充当したとのことですが。

今後のアップル株の展望・・・

 噂の域を出ないですが、『アップルカー(自動車)』が発売されるようであれば、仕様の如何を問わず「話題性だけで同社株が急騰」すること間違いありません。もっともアップル社が直接製造に乗り出すことではなく、製造委託という形態をとるでしょうが...。
 巷では、カナダの某自動車製造企業が手を挙げるのではないかと言われています。とにもかくにも、同社の新しい分野への進出先は、自動車産業界と見られています。これが成功すれば、アップル社は産業界に君臨する絶対王者になります。

今や、製造・供給インフラの分散化が停滞し・・・

 逆風としては、コロナ禍以降、製造・供給インフラの分散化が逆流、停滞し始めていることです。アップル社のiPhone製造などは、製造・供給インフラ分散化の恩恵を最大限に生かした製品なので、これと同様に次世代の自動車づくりが可能なのか、少し疑問が生じるところです。
 自動車は、一歩間違えば「殺人兵器にもなり得るシロモノ」ですし、ドライバーや同乗者の安全性維持も重要です。自動車メーカーは自国政府の後押しを受けていることもスマホ製品と異なるところなので、事業の成否に関して取捨選択が難しそうです。

マイクロソフト株

 嘗ては、高配当銘柄の代名詞であったマイクロソフト株。今や、高収益+成長性のあるハイテク銘柄に分類されるようになりました。この源泉は『クラウド技術を用いた課金システムの採用』によるものです。
 CDやDVD全盛時代は、違法コピーに振り回されていたマイクロソフト社が、全世界に広がるWindowsパソコンをネット接続して実質的に取り込んだことに拠ります。
 今や、マイクロソフト社のクラウド事業(クラウドサービス「Azure」)は、アマゾンのAWSクラウド事業にとって最大のライバルにまで成長して、同社収益に寄与しています。

難敵が潜む「ゲーム業界」へ乗り込む・・・

 マイクロソフト社は、2001年に発売された「Xbox」などゲーム事業でも、今や売上高約1兆8千億円(2021年6月期)の規模まで拡大していますが、規模・収益性ではライバルのテンセントやソニーの後塵を拝しています。

ゲーム大手、「アクティビジョン・ブリザード」の買収...

 2022年初頭、マイクロソフトはゲーム大手である「アクティビジョン・ブリザード」の買収を発表しました。買収発表の前営業日に1株当たり65ドル(終値)だった株式を、同95ドルで買い付けるとのこと。2023年6月までに買収を完了する見込みで、買収額は何と約8兆円と同社史上最大の規模となる見込みです。

売上高、約1兆120億円を取り込む...

 アクティビジョン・ブリザード社は、2021年12月期で売上高約1兆120億円に上る世界的ゲーム企業なので、マイクロソフト社のゲーム業界覇権にかける意気込みが感じられます。

「メタバース」戦略への期待値の高さ...

 メタバースとは、インターネット上の3D仮想空間のことです。ユーザーは自身の分身となるキャラクターを介し、メタバース上で行動したり、他の人々と交流したりします。
 フェイスブックから社名を改めたメタによって、一気に「メタバース」の認知度が広がりました。あのメタバースへ、過大な期待を込めての買収劇でもあるのです。

今後のマイクロソフト株の展望・・・

 Windows OSは、今や、個人・法人のパーソナルパソコン機だけではなく、クラウドサーバーを介して展開される「企業の基幹システムの末端操作PCにまで導入」されています。
 つまり、社内LAN用のWindowsPCと社内基幹システム用のWindowsPCの2台が貴方の机の上に整備されていることを想像して下さい。ログインは厳格に制御されているので、プライベート用に私用パソコンが必要なら自宅から持ち込むことが必要です。すると、これで計3台のPCがズラリと貴方の机の上に揃い踏みです。そして、お出かけ用のスマホやタブレットも必要も知れません・・・。

アメーバーのように組織体を取り込んでいる・・・

 総数5台のネット機器の内、Windows系が最低2~3台のラインアップとなります。これが、社員1人に対してのネット機器の配備・保有状況です。マイクロソフト社にとって、隙間のない配置となっていることに気づかれると思います。
 もちろん、クラウドサーバーはマイクロソフトもしくはアマゾンを採用している筈です。もはや専用サーバーの時代ではありませんので...。
 特に、日本においては大企業、公共企業体へマイクロソフト社の食い込みが凄まじく、アメーバーのように隙間なく組織体へ侵入しているのが現状です。

編集後記

 11月8日(火)投票の米国中間選挙が白熱して来ています。盛り上がりが日本の統一選挙の比ではなく、完全に『お祭り』状態で、まさに日米の国力差を感じる瞬間です。


11/07 米国中間選挙の情勢

オプション市場の売買動向から読み取れる傾向は?

 今、米国株式市場のオプション取り引きでは、「S&P500種は中間選挙で共和党が勝てば最大0.7%上昇、民主党がどうにか議会の支配権を維持した場合は最大3.3%下落する。」ことが、オプション市場の売買動向から伺われるとのことです。

データ的には、これからの株式市場は買い場?

 更に、データ分析では、歴史的に見て米国株式市場は、中間選挙が行われる年は「年末から夏前頃まで」強気相場が続くパターンが見られるとのことです。つまり、

  • 中間選挙が行われる年の10-12月期と、その後の2四半期(翌年の1-3月期と4-6月期)が好調であること。
  • 1950年以降、S&P500種の平均上昇率は、10-12月期が6.6%、翌年の1-3月期が7.4%、翌年の4-6月期が4.8%であること。

さぁ、皆さんはどの船に乗りますか?


 *今夜から米国ではサマータイムが終了していますので、米国株式市場は開場が午後11時30分、閉場が翌日の午前6時となります。


10/25『利上げペースが緩む』との観測気球が上り始める...6