米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

3/15 米国株は反発するも、根強い「金利引き上げ論」が蠢く...

 何のことはない。破綻させた商業銀行の預金者マネーを『全額保証』するという根底には、「議会証言どおりに『金利引き上げ』を根強く続ける当局側の強い意向」という事情のあることが、早くも露見し始めています。


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次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、21日-22日に開催・・・

 金利を引き上げるか、あるいは維持するだけなのか・・・。一般人の方が、まっとうに考えると、少なくとも今回は「金利引き上げ = パス」で落ち着く筈です。混乱の渦が起こっている中心地へ、火のついた松明を投げ入れる方はいないでしょう。
 しかし、インフレ亢進中のデータ類は揃っているので、たとえ0.25%の最小率であっても、一度でも先送りしてしまうと「後々の影響度合いの問題で好ましくない」。このように考える有識者がいらっしゃるのです。更に、権威団体であるFRBは「インフレ抑え込みに強い姿勢を堅持する」ことが、何にも増して最優先するとの考えも根強いです。

結論、3月FOMCでは「0.25%の引き上げ幅」で決着?

 私などは、結論として3月FOMCで「0.25%の引き上げ幅」に落ち着くとの見方を支持しています。そして「インフレが再加速しない限り、米金融当局は5月以降、政策金利を長期間据え置く」とする見方を捨てていません。
 次に、FISCO(フィスコ)から『米3月FOMCハト派利上げの見通し強まる』との記事が発出されています。これなどよくまとまっているので全文引用します。

 米財務省が全銀行や預金者の安全を保証する姿勢を示したため、金融システムへの不安が後退した。今月21日には連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。


 1月の強い雇用統計に加えて、消費者信頼感指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が想定通りのペースで鈍化せず、さらに、パウエルFRB議長が上下両院での議会証言において前回のFOMC後に指摘したディスインフレの兆候には触れず、3月FOMCで再び利上げペースを加速させる可能性も除外しなかったため一時、3月の0.5%利上げ観測が強まった。


 2月の雇用統計では雇用の伸びが予想を上回ったものの、賃金の伸びは予想以上に鈍化。失業率も予想外に上昇した。CPIも想定通り、前月から伸びが鈍化したことは利上げ鈍化を正当化する。


 FRBの利上げ計画は銀行救済策と衝突してしまう。一部では依然、FRBの利上げを見送るとの見通しも存続。ただ、救済策自体がインフレ要因になるとの指摘もある。


 FRBはインフレ制御するための利上げ計画を維持し、3月FOMCで0.25%の小幅利上げを実施するとの見通しが強まった。

 短期金融市場では3月FOMCでの0.25%の利上げを8割織り込んだ。利上げ停止の予想は2割。

 一時8割織り込んでいた0.5%の大幅利上げ予想はSVBやシグネチャー銀行の破綻後、市場でもはや予想(指示)されていない。


 パウエル議長は前回のFOMCでの会見や上下両院での議会証言において、昨年の大幅な利上げによる経済への影響には時差があることを認識していることを示唆。小幅な利上げにより、その影響を把握することができるとしていた。


 インフレは鈍化傾向にあるもののコアCPIは依然6%と、目標の2%をまだ上回る水準。SVBやシグネチャー銀破綻などを受け、小幅利上げにより、利上げによる影響を判断していく方針と見られる。議長が会見でハト派色を見せるハト派利上げが想定され始めた。(FISCO  2023/03/15)

「金利引き上げ論は、いまだに健在」が市場を駆け巡る・・・

 投資家にとって都合の悪い噂ほどスピード感を伴い、米国株式市場のスズメ達の間を一瞬で駆け巡ってしまいます。金融銘柄の揺り戻しがあって「強い上昇機運」で始まった米国株式市場でしたが、時間経過と共にジリジリと「後退」、平均株価マイナスへ転落寸前に何とか踏みとどまって、盛り返した一日でした。
 幸いにも、長期金利の上昇は緩やかであったので、ハイテク銘柄も堅調さを保っていましたが、いつ「失墜」してもおかしくない雰囲気が漂い始めています。

但し、ゴールドマンサックスや米国野村証券は、まったく異なる見解...

 現時点で、ゴールドマンサックスは、「次回会合で利上げを実施するとは、もはや考えていない」の意見を保持、3月の金利引き上げは「ない」との見解です。
 更に、米国野村証券は、何と「利下げ」を予想しています。それぞれの立場々で考え方、見方が180度異なります。しかし、利下げとなると流れが一変、『米株の暴騰は必須』ですが...。

3月15日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前日比336ドル26セント(1.1%)高の3万2155ドル40セントで終えました。シリコンバレー銀行(SVB)などの破綻をきっかけに売り込まれた金融株の一角が急反発、投資家心理の支えとなった模様です。ダウ平均は前日までの5営業日で1600ドルあまり下げていたので、目先の戻りを見込んだ買いも入っています。
 ナスダック総合株価指数は続伸。前日比239.306ポイント(2.1%)高の1万1428.149で終えました。金利低下でテック企業は息を吹き返しています。
 なお、追加の人員削減計画(レイオフ)を発表した交流サイトの「メタプラットフォームズ」は7%高で終えています。依然として、市場は大企業のレイオフに好感を示し、株価が上昇します。


米格付け会社、米国の銀行システムを「ネガティブ」に変更・・・

 米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは13日、米国の銀行システム全体の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更しました。米国の金融シテムに対する不安感、特に急激な利上げに伴う「債券類の評価損」の懸念が根強く、相場の重荷となった模様です。

早急に、破綻したシリコンバレー銀行の代替が求められる・・・

 ウェドブッシュ証券の14日のリポートで、「シリコンバレー銀行はテック系スタートアップにとって、心臓、肺のような(不可欠な)存在だった」と記し、借り手企業が代わりの資金源を探すのは簡単ではないと説明しています。
 同銀行は、ベンチャーキャピタル(VC)が投資する米国のテック企業やヘルスケア企業の約半数と取引があるとされるほか、他の商業銀行が取引を断るような「リスクが高いスタートアップ企業の経営を支えてきた」とされるなど、シリコンバレーの『ベッドロック(岩盤)』とも評されていました。謂わば、二人三脚で進んで来たのです…。
 同証券は、資金調達を制限されるスタートアップ企業の評価値が下がり、2023年は業界内でのM&A(合併・買収)が2022年比で少なくとも2割増えるとみています。スタートアップのエコシステムに目詰まりが起きれば、米テック産業の成長力をそぎかねない懸念が強まっています。代役はそうそう見つからないでしょう。

MYポートフォリオ

 金融機関への売り倒し騒動は、「一旦終息期を迎えた」として、新規銘柄への投資は売却・撤退することにしました。


編集後記

 シリコンバレー銀行の破綻劇を見るにつけ、憎き銀行へ強烈パンチを繰り出すには、窓口から、ATMから、ネットバンキングから「自分の預金を引き出す」行為それ自体が、大きな流れとなった時、相手先に最も効果あることが判ります。
 メガバンクCEOは、「自行の風評に関して何も問題なく・・・」と高をくくっていると、名もない無名の預金者から強烈な肘鉄を下されます。

世間に向かって「煽る行為はダメ」です・・・

 特定の企業を狙い撃ちした「世間へ煽る行為」は非難されますが、某銀行から受けた仕打ちに関して、権利行使の応分の対応であれば何ら問題ありません。預金引き出しは預金者の正当な行為、行動ですから・・・。

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