米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

8/2 円安が進み143円台へ。2営業日で何と5円の下落...

 先月の28日、日銀は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の柔軟化を公表しました。具体的には、日銀が誘導する目安としての長期金利の上限を0.5%から1.0%に引き上げるものでした。

元いた位置(1ドル=144円台)へ戻りつつ・・・

 この措置の発表を受けて外国為替市場では、28日午後に円相場が一時138円前後まで急騰。しかし、この円高・ドル安動向も「ホンの束の間」で終息して、その後、僅か2営業日で5円程の『円安・ドル高』へ巻き戻しが見られています。円貨は、再び「元いた位置(1ドル=144円台)」へ戻りつつあるのです。

「日米の金利差」が広がり、「円安・ドル高」が止まらない・・・

 「日米の金利差」が広がり気味となっているのは、日本国内の金利上昇が今のところ限定的(新発10年物国債の利回りは0.6%前後、7月27日と比べると0.15%程度の上昇に止まり、これからも日銀は国債買いを止めることはない。)であるためです。このため、投機筋の「円を売って、利回りの高いドルを買う」動きが強まっています。
 現在、米30年債利回りは4.11%まで上昇するなど、年初来の高水準にあります。また、米10年債利回りも4.04%前後と再び4%台に乗せています。


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植田総裁への「失望感」が、今回の「円安・ドル高」に現われた?

 海外投機筋に、今回のYCC一部修正(長期金利1%以内)を超える金融政策の変更が決して行えない日銀のスローペースな姿勢を見透かされたので、海外勢はこれから「やりたい放題」暴れることでしょう。彼奴等にとって「スローペースの変更」は「現状維持」と同意語なのですから...。
 4月以降、財務省と日銀の『たすき掛け人事』を棚上げした「植田新総裁の誕生」の真意を諮りかねていた海外投機筋は、今回の金融政策の一部修正の道中で『植田総裁を見透かし』、ドル・円相場は秋口から年末に向けて、150円台にタッチする「円急落」もあり得ると見ています。


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そして、再び「円買いの為替介入」が実施される?・・・

 その時、日本政府は慌てふためいて『円買いの為替介入を実施』することでしょう。その際、投機筋はこの虎の威を借りて、急速に「円高・ドル安」に相場を反転させて、丸儲けを企むことでしょう。
 但し、日本株の海外勢総売りは「年内はない」と見ています。やつらも馬鹿じゃないので、1粒で2度美味しくいただきたいことでしょうから、年明け以降でしょう。

米株の個人投資家は、ドル・円の為替動向に細心の注意を・・・

 今や、我々個人投資家においても、米国株の動向以上に「ドル・円の為替動向の衝撃度」が巨大で、ポートフォリオに与える影響度も大きくなっています。ここをどのように考え対応するかで、将来の資産形成の度合いが異なると見ています。

8月2日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は3日続伸、前日比71ドル15セント(0.2%)高の3万5630ドル68セントと、昨年2月以来の高値で終えています。
  • 1日朝に決算を発表した建機のキャタピラーが大幅高となり、ダウ平均を押し上げました。キャタピラーは9%高で終え、1銘柄でダウ平均を150ドルあまり押し上げています。
  • ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落。前日比62.111ポイント(0.4%)安の1万4283.913で終えました。

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MYポートフォリオ

 昨日比1円5銭の円安へ傾いたことで、米国株が大きく下げたものの、円換算値では6万円弱のマイナスで終わっています(ドルベースでは▼4627ドル)。
 ダウ平均とS&P500種株価指数のいずれにおいても、前日に年初来高値を付けてたことで、誰でも主力銘柄に「持ち高調整の一旦売り」を出しやすい状況でした。


編集後記

日本の投資家が保有する米国株と国債等は約2兆5千億ドル(約359兆円)

 何とも衝撃的な記事が掲載されてました。日銀の金融政策一部変更に端を発して、日本が金利高へ舵を切ると、世界、特に米国へ投資されている資金が約2兆5千億ドル(約359兆円)にも上ることから、レパトリエーション(本国への資金回帰)が発生して、主要国で深刻な金利高を引き起こす可能性を論じた記事です。
 一気に雪崩を打った流れとはならず、同記事はあくまで可能性を論じたものですが、日本で暮らしている者にとっては、「日本国内で投資を継続する危険性(円の価値の毀損)」をしみじみと感じ取っているので、「真逆な論調」と捉えてしまいます。しかし、本件などは、欧米人の見方を学ぶ機会として、見知っておかなくてはいけない事です。


 今週3日、アマゾン・ドット・コムや、アップルの決算発表を控えます。キャタピラー等の景気敏感株からハイテク株へ、物色の中心が再び戻れば、株式市場で『株買い強気派の勢い』が一段と増しそうです。

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