米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

4/1 資金退避が続き、週間で660億ドルが米MMFへ流出...

 米国株式市場は3営業日連続の株高で終結しました。『終わりよければ全てよし』です。
 米投資信託協会(ICI)のデータによると、3月29日までの1週間で約660億ドル(約8兆8000億円)が米マネー・マーケット・ファンド(MMF)に流入した模様です。MMF全体の資産残高は「5兆2千億ドルに達した」とされています。因みに、前週は約1174億ドルの流入でした。この増加傾向は暫く続きそうです・・・。
 なお、MMFも債券運用の一種なので、基本的にインフレには弱くて、FRBの金利引き上げの影響を強く受けることに違いはありません。所詮、高金利の追い求めは『いたちごっこ』なのです。

昨今、「銀行預金からMMFへ」がトレンド・・・

 MMFの資産増加は、預金者が米国銀行から資金を引き揚げていることが主因と見られています。従前より、魅力的な高金利であるMMFが選好されていましたが、ここ3週間、米地銀に対する経営不安が高まって預金引き出しが続き、その流れを加速させたようです。

一般預金者は一体、何を不安がるのか?

 落ち着いて考えると、米国では1口座あたりの預金保護上限は25万ドル(約3380万円、日本では1000万円)です。これ以下であれば全額保護されるのに、何が不安なのか分かりません。突き詰めれば、これ以上の額を預金している「お金持ち層」の不安が大きい筈なのに、マスコミはこれを一般預金者にすり替えて、映像や画像を盛んに流します。
 これを観た一般預金者は銀行窓口に並んで預金額を引き出します。この行列光景を観た・聞いた一般預金者はSNSで情報を交換し合い、取り敢えず銀行窓口へ殺到する始末です。


2023/04/01 一般預金者は一体、何を不安がるのか?

民主国家の銀行預金は消滅などしない・・・

 そもそも、お金持ち連中は窓口に並んだりしません。複数口座に分散するだけで100万ドル以上の預金額であっても、合法的に「保護」されるからです。当局から認可された「正規の銀行」であれば、預金はキッチリと守られるのが民主国家です。

日本でも外貨建MMFを利用できる…

 日本のネット証券(SBI証券等)からでも、外貨建MMFを次のような利率(直近平均変動利回り)で預入可能(日本円、ドル共に可)です。米国のインフレ率は「6%台」。この預金利率でさえも「月日の経過」と共に貨幣価値が毀損するのですあな、恐ろしや...。

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3週間で、約3040億ドルがMMFへ流入する・・・

 昨今、銀行システムへの不安と懸念が世界的にリスク回避を促し、「安全で流動性の高い資産へ」と移し替えを加速させています。29日までの3週間で約3040億ドルが、『腐っても鯛』の如く、米マネー・マーケット・ファンド(MMF)に流れ込んでいます。
 なお、次のような短期債券の運用で益を出しているMMFの『安全性』に関しては、不安がられている銀行預金よりも『劣る』ことは確実です。

  • 米財務省短期証券(TB)や政府機関債に投資する「政府系ファンド」の資産は、1週間に711億ドル増加して4兆3300億ドルでした。
  • コマーシャルペーパー(CP)等、相対的にリスクの高い資産に向かう「プライムファンド」の資産は、1週間に81億ドル減少して7573億ドルでした。

次週は、市場へ「待機資金の戻り」がある? ない?

 ここ数日間、米国株は続伸が続いています。この米国株の戻しを目の前で見た待機資金(MMF)が、次週以降、どのような動きをするのか? 資金の一部であっても株式市場へ戻ってくれば、市場動向を強く左右することでしょう。普通は、恐々であっても一部分だけは回帰させます。
 この3日間の株高は、極論すると株式市場に新規資金の投下があった故なので、「逃げる資金」あれば「入り込む資金」もあることになります。

4〜6月から銀行融資が先細り、年後半は景気後退に突入する?

 地銀からの預金引き出しが、米マネー・マーケット・ファンド(MMF)の原資となっているのは間違いないところです。口座預金へ戻らない限り、地銀の融資額回復は適わずに、伸び率がマイナスとなるは必定です。
 すると「4〜6月から銀行融資が減少、年後半には資金繰りに窮する中小企業が増加する」との見立てが、勢いを持ってきます。もちろん、この段階ではFRBによる「利上げは既に停止」になっていることでしょう。
 FRBが何と言おうとも、「年内利下げ」をアナリスト達が示唆・想定するのは、このようなストーリーを描いているからに他なりません。

4月1日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は3日続伸、前日比415ドル12セント(1.3%)高の3万3274ドル15セントで終えました。ダウ平均は月間では2カ月ぶりに上昇して、上げ幅は617ドル(1.9%)となっています。
 ナスダック総合株価指数も3日続伸。前日比208.436ポイント(1.7%)高の1万2221.907で終えています。6カ月半ぶり高値で、ナスダック指数は3月の月間で6.7%の上昇となりました。


2月の米個人消費支出(PCE)物価指数

 朝方発表された「2月の米個人消費支出(PCE)物価指数」の伸び率が、市場予想を下回りました。インフレ鎮静化の兆しと捉えることもできるので、5月初旬開催のFOMCで「利上げ停止」が現実化するとの思惑が滲み出て、今日の株高の手がかりになりました。更に、本日が「月末と四半期末が重なった」ことで、投資家のリバランス(資産配分の調整)買いもかなり入った模様です。

米金融当局は、金融不安を抑え込むとの見方が優勢・・・

 2地方銀行の破綻以降、鳴りを潜めている地銀不安...。昨今のFRB副議長の議会答弁を見る限り、今後は「責めを負うのはFRB」に傾きつつある情勢になっているので、当面、「これ以上の銀行破綻はない」との観測が強くなっています。FRBは何としても、これ以上の金融不安を抑え込むとの見方が優勢で、このことも株価の上昇につながっています。

MYポートフォリオ

 金融不安を煽られて、株価を落としている「件の金融銘柄」に対する投資額が1万2千611ドルまで増加。時価評価額では1万3千ドルとなりました。
 動向としては、地銀への売りが収まりつつある中、3600万口座を超えるネット証券を傘下に抱える「金融持株会社チャールズ・シュワブ(SCHW)」に対する株売りが止みません。
 しかし、目ざとい奴等は「しっかりと仕込み」を行い、落ち着くと株主構成が大きく変わっていることでしょう。ポイントは次期決算内容と配当支払い、この2点に尽きます。ここをクリアしたら落ち着きます^ - ^。

しつこい売りが続く・・・

 日本では、ここまで「しつこい売り」が見られる事は少なく、米国民とは限りませんが、国外の方々は案外保守的な考えが強いのでしょう。それとも、金融当局者の言動を一切信用しないのか...。このいずれかでしょう。

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円貨での評価益が823万円に急上昇・・・

 株価戻しと幾分の「円安」のダブル効果で、MYポートフォリオの円換算評価益が8百万円を超えて来ました。中でも、GAFAM銘柄の株価伸び率が半端ではなく、大きく寄与しています。一時的な現象でも心の支えとなります。

今が旬なのか? GAFAM銘柄の上昇率は桁違い…

 ざっくり申し上げると、2月末のGAFAM評価損益額は$4,543.20、同3月末は$35,890.69なので、差し引き(増加額)は$31,347.49でした。3月末時点のGAFAMへの初期投資総額は$224,903ですから、増加率は13.9%でした。

アリババの分社化(株式分割)報道で、アマゾン株も連れ高・・・

 アマゾン株上昇は、3月末頃に「アリババ株が企業分割を予定している」との報道が流れてアマゾン株も高騰しました。連想買いも多分に入っています。

$$中国アリババが事業6分割へ、アリババは持株会社として存続...


 中国インターネット大手アリババ・グループ<BABA>のダニエル・チャンCEO(最高経営責任者)は28日、アリババ本体を6つの事業主体に分割すると明らかにした。


(1)クラウド・インテリジェンス(クラウドとAI<人工知能>)事業(2)天猫(Tmall)などのイーコマース(電子商取引)事業

(3)物流サービスのツァイニャオ・スマート・ロジスティクス事業(4)料理宅配などのローカルサービス事業

(5)映画や動画配信サービスなどのデジタルメディア&エンターテインメント事業

(6)アリエクスプレスなど国際イーコマースのグローバル・デジタル・コマース事業に分割する。将来的にはそれぞれの事業体が独自のCEOなど執行役員体制を構築、独自に資金調達を行い、IPO(新規株式公開)も目指す。


 アリババは今回の事業再編について、フロント部門(営業部門)を支えるミドル部門(経営企画や広報、マーケティング、リスク管理など)とバック部門(決済事務)のスリム化につながるとしている。


 事業分割後、アリババは持株会社となり、現在の香港とニューヨークの証券取引所での上場も維持する方針。チャンCEOは引き続きアリババ・グループを率いるほか、クラウド・インテリジェンンス事業会社のCEOを兼務する予定。また、イーコマースグループはアリババ本体にとどまる。

 これなんて、中国(共産党)政府がアリババをコントロールするのに「持ち株会社化した方が、手っ取り早くてよい」と判断したからでしょう。今や中国共産党の支配下にアリババが置かれているのは明白です。
 中国は、アリババADR株を末永く発行し続けて「ドル紙幣」を手に入れたい腹積もりです。米政府の会計監査の受け入れ期限も差し迫っているので、ヤバいところを隠せる「分社化は渡りに船」です。


編集後記

 『チャットGPT、イタリアでアクセス停止に データ収集など「違法」』との報道記事が目に留まりました。次に引用します。

 イタリアのデータ保護当局は3月31日、対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」への利用者のアクセスを停止したと発表した。現状での膨大な個人情報の収集や利用者の年齢確認の未整備が、同国の個人情報保護法に違反すると判断したという。運営する米国の新興企業「オープンAI」は、約30億円相当の罰金を科される可能性がある。


 発表によると、保護当局は同月20日にチャットGPTの利用者の会話の内容や支払い情報に関するデータ侵害の報告を受け、調査を開始。チャットGPTが利用者から取得しているデータの内容を、利用者に適切に通知していなかったことがわかったという。AIを訓練するために、法的根拠がないままで膨大な個人情報を集めていた可能性があると指摘している。


 また、利用規約では利用者を13歳以上に限定しているものの、サイトへのアクセス時に年齢を確認する仕組みがないことも問題だとも指摘。AIとのやり取りで、子どもが年齢にふさわしくない回答を受け取る恐れがあるとしている。


 保護当局はオープンAIに対して、20日以内に問題の解決策を実施して報告することを求めた。対応をとらない場合には、最大2千万ユーロ(約30億円)か、世界での年間売上高の4%に相当する罰金を科す可能性があるという。(朝日新聞社 2023/04/01)

 先立つこと数日前、彼のイーロン・マスク氏に関して、『AI開発は半年停止を マスク氏ら千人超署名「人類に深刻なリスク」』の動きが報じられています。


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 起業家イーロン・マスク氏ら千人以上のテクノロジー関係者らが、少なくとも今後半年間、最先端の人工知能(AI)の開発を停止するよう求める公開書簡に署名した。

 対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」が注目を集めるなか、最新AIの功罪をめぐる議論が過熱している。

 マスク氏が外部アドバイザーを務める米非営利団体「フューチャー・オブ・ライフ・インスティテュート」が29日までに、書簡を公開した。(2023年3月31日 7時00分)

 イーロン・マスク(51)が人工知能の発達は、歯止めの利かない深刻なリスクを人類社会へ及ぼすと警鐘を鳴らした。


 ChatGPTのような人工知能システムが数百万の仕事を危険にさらし、偽情報の拡散を引き起こす可能性があるとの警告が出されている中、イーロンは、アップル社の共同創設者であるスティーブ・ウォズニアック(72)や、ドゥームズデイ・クロックの責任者を含む1000人以上の学問研究者とテクノロジー産業関係者らと共に公開書簡の署名者に加わったかたちだ。


 フューチャー・オブ・ライフ・インスティテュートによって発表されたその書簡にはこう書かれている。

 「すべての人工知能の研究所に直ちに研究の中断を求めるとともに、政府が介入し猶予期間を設けることを要請します」「このような決定は、選ばれていないテクノロジーのリーダーに委任されるべきではありません。

 強力な人工知能のシステムは、その効果がポジティブでリスクが管理可能であることが確信できてから開発されるべきです」


 また同書簡には他にも、「人間のような知能」を示しているとマイクロソフトの研究者が主張するOpenAI社のChatGPTのアップグレード版である「GPT-4」よりも強力な人工知能システムの「トレーニング」を即座に6か月間中断するよう求めている。


 署名者らは「危険な競争から一歩引いて、予測不可能なブラックボックスモデルの能力レースを止めることを単に望んでいるだけ」とし、人工知能の研究を完全に禁止することを求めることはしない。としている。


 一方、マイクロソフトの共同創設者である「ビル・ゲイツ(67)」氏は、自身のブログで「AI防衛システムのスカイネットが人類を危険と判断して核攻撃で抹殺する」という ジェームズ・キャメロン監督の映画『ターミネーター』のプロットを引用し、「超知能的なAIシステムが制御を失い」「人間を脅威とみなすかもしれない」と述べました。(BANG Showbiz 2023/03/31)

 猫も杓子も「最先端の人工知能(AI)」を用いたアプリ公開、システム開発、人の作業に置き換える業務開発をも進めています。我々が相手にしている『向う側にいる筈の者』は一体誰なのか、釈然としない世の中が現われています。
 暫くは、クローズされた、対象者を限定した「エリア」で人工知能(AI)の利用、開発を進めるべきでしょう。報道では、既に日本の国会論戦や質疑応答でも、この人工知能(AI)が文書作りに精を出している...。いや、文書を印刷しているとのことですが・・・。

 では、暖かい春の陽射しを浴びて、楽しい週末をお過ごしください。


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