米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

6/7「円買い」に賭けたFX個人投資家。142円が分岐点...

 外国為替市場において「円安・ドル高」がナカナカ反転しない。外国為替証拠金(FX)取引を手掛ける個人投資家が、予想外の円安継続で追い詰められている、との報道が相次いでいます。米国株取引では、最終的に「ドル・円為替」の損益に与える影響度が大きく、日々の為替動向を無視できません。

「ドル売り・円買い」FXには、5%の金利支払いが待っている・・・

 FX取引でドル売り・円買いのポジションを取ると、高率の利息支払いが待っています。所謂、金利差で決まる「スワップポイント」です。何せ、円貨はマイナス金利ですから…。
 今、円とドルの足元のスワップポイントは年率で5%程度。1日に換算すれば1万ドル(約140万円)に対し200円程度ですが、レバレッジ(テコ)を使えばその分膨らみ、時間が経過する程に巨額になります。これって、精神的な負荷が強いので、私などは「ぺちゃんこに潰れて」しまいます。頑張れよ、ミセスワタナベ!


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6月FOMC、「ドル金利引き上げ停止」が勢いを増大・・・

 今月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、「利上げ停止の可能」性が高まっています。これは、FRB高官(ジェファーソン理事)の次の発言から市場で力を持ち始めました。

  • 「次回会合で政策金利の据え置きを決定しても、今サイクルのピーク金利に達したと解釈すべきではない」
  • 「実際には、次回会合で利上げを見送ることにより、FOMCはより多くのデータを見てから追加引き締めの程度について決定できる」

ドル政策金利の据え置き確率は、今や70%超へ高まる・・・

 金融市場では、雇用統計発表後にも関わらず6月のFOMC会合で、「政策金利が5.00-5.25%(据え置き)」となる確率は『70%超の高水準を維持』しています。これは、5月の雇用統計において「賃金の伸びが鈍化している」ことに着目しての判断です。
 インフレ持続につながる新たな材料が提供されない限り、FOMC直前における「利上げ確率は20%程度まで低下」して、政策金利の据え置きが決定されるであろうと、市場スズメ達はこのように結論付けています。


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ここ半年の為替理論では、「円高に進む筈」であったが・・・

 タイミングよく、FRB高官達は政策金利の引き上げに関して「一時停止を公言」し始めました。市場もこれに便乗し、『株高・債券高(利回り低下)・ドル安・円高』の【卓袱台返し】が見られるはずの所、「株高・債券安(利回り上昇)・ドル高・円安」が出現しているのです。こんな筈じゃない!とお嘆きの貴兄…。

金融市場は、米利上げの長期化に備え始めた・・・

 この根拠としては「6月は引き上げが見送りとなるも、7月には再引き上げが行われる」という考え方にあります。アナリスト達は、『FRBは毎月の引き上げから、隔月の引き上げに軸足を移した』と捉えています。結果、「利下げが遠のき、利上げが長期化するとの憶測が強まった」からに他なりません。

未決済の円買い・ドル売りのボジジョンは、今や24億ドル・・・

 QUICKの集計では、未決済の円買い・ドル売りのポジションは『24億ドル』に膨らんでいる、と見られています。130円台後半で円買いを始め、足元で身動きがとれなくなっている投資家が多いといいます。
 142円台へ円安が進行し始めると、ポジション解消の『踏み上げ』が増えてくる、との見立てです。スワップポイントの支払いで、体力を奪われた「逆張り勢(円買い)の降参」が急速に増加すると、円安に一段と拍車がかかることでしょう。屍を乗り越えて行け!

更に、日本株へ欧州資金が大量に流入・・・

 円売りと日本株買いが同時に加速しています。その動きを促しているものとして、「日本株上場投資信託(ETF)」の存在があります。通称、ウィズダムツリー・ジャパン・ヘッジド・エクイティ・ファンド「DXJ」の通称で知られる商品です。


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 この商品は、日本株を買い入れると同時に円売りヘッジ(為替差損回避)をすることで有名、DXJは日本株ETFの代表格として注目されています。5月の資金流入額が2億4200万ドル(約330億円)、2017年11月以来の高水準になったとのことです。もちろん、6月以降も資金が入り続けています。日本株買いを巻き込み、これから先も、円安・株高が引き続く可能性が強い、と見た方がベターでしょう。何せ、賃金が下がる国、日本ですから。

6月7日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は小反発、前日比10ドル42セント(0.03%)高の3万3573ドル28セントで終えました。これまで出遅れ感があった景気敏感株やハイテク株の一角に物色が入り、相場を支えた反面、利上げ継続への警戒が根強く上げ幅は限られた模様です。
 ナスダック総合株価指数は反発、前日比46.989ポイント(0.4%)高の1万3276.418と、2022年4月以来の高値で終えています。


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「置いてきぼり」のディフェンシブ銘柄・・・

 今日の市場でも、「医療保険のユナイテッドヘルス株」や「製薬のメルク株」など、ディフェンシブ株が売られました。業績不振の極みでもある「半導体のインテル株」へ強い買いが集まり3%高。ホンに摩訶不思議な現象が現われています。
 「(IT業界の数十年に1度)ゲームチェンジャーになる可能性が高いAI株は当面、活況が続く」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)とみる市場参加者が多く、ITやAIの名称が付けば、何でも買い進まれるように見えてしまいます。これって、嘗ての「ITバブル」とホンによく似ています。

MYポートフォリオ

 私は、天然ガス関連銘柄の「買い増し」を考えているのですが、もう一段の下げがありません。気長に待つ性分じゃないので、何処かのタイミングで買いに入りますが・・・。


編集後記

 止まるところを知らない程の上昇率となっている日本株。長らく株式を保有していた方々にとっては「恵みの雨」でしょう。しかし、タンス預金の好きな自国民が買わない株高は長続きしないですし、13カ月連続実質賃金が減少している日本で「数十年ぶりの株高」とはちゃんちゃら可笑しいです。
 何度も言いますが、悪の共産国に囲まれていて、地球の外れにある極東日本へ、「欧州の血と汗による長期資金」などは決して入って来やしません。一発を狙った投機目的です。

米国株取引で、「日本株高 = 円安」だけでも満喫しましょ...

 私事ですが、嘗て、日本株取引で痛い目に遭っている「私」は、日本株へ決して深入りしません。常に、横目で傍観しているだけです。「日本株高 = 円安」となるので、『円安効果を満喫したい』とは常々考えています。
 今回、アベノミクス効果で円安がかなり進み、日本国は案の定毀損していますが、米国株取引で「デカい邸宅を買えた」ので一応満足しています。


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