米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

6/15 23年末の金利水準5.6%、24年末は同4.6%が予測値...

 米国連邦準備制度理事会(FRB)は、13ー14日に亘って金融政策を決める会合(FOMC)を開き、去年3月に利上げを開始して以降、初めて「利上げの見送り」を決めました。政策金利は、現在と同様「5.00%から5.25%の幅を維持」することになります。

年内、更に2回の利上げを想定・・・

 一方、今後の政策金利見通しについては、メンバー(参加者18人)の予測中央値からして「年内に2回程度(0.25%×2回)の利上げが想定される」内容となっています。今後、この『2回程度の利上げ』が格好の焦点となることでしょう。まぁ、ひと先ずは市場の想定どおりの『利上げ見送り』となりました。メデタシメデタシ…。


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米インフレの元凶は、「人手不足」に尽きる・・・

 公表された声明文では、「FRBは金利を据え置くことで、今後の追加の経済データと金融政策の影響を評価することができる」とのスタンスを強調しています。今までの利上げ効果に関して「指標データで見極める期間を一度設ける」というものです。言い得て妙です。

金利がどれ程上がろうが、利益を稼ぎ出せてしまう「カラクリ」...

 米国のインフレ亢進の元凶として挙げられるのは、第一に「企業の人手不足」です。人員確保のために「人件費の引き上げ」が繰り返し行われ、企業間で「賃金上昇分を値上げ(物価)に転嫁する動きが収まらない」ことにあるのです。そして、ここが大事なのですが、この循環でも『米企業は利益を稼ぎ出せる』のです。

パウエル議長、インフレ率を目標の2%に戻す決意・・・

 堂々巡りの定番の決意表明です。FRBパウエル議長は「インフレ率は去年の半ば以降、いくぶん落ち着きつつあるがインフレ圧力は引き続き高く、物価目標である2%までの道のりは遠い。」と述べました。
 極論すると、この数値(2%)に落ち着くまで延々と利上げ議論を続けて、少なくとも「政策金利の引き下げはない」ことになります。唯一、劇的に金利引き下げが行われる場合としては、『米国経済へ、からっ風が吹くような大不況の到来』だけになります。


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一時、円相場140円台へ下落、 NYダウは400ドル超の値下がり・・・

 市場的な評価としては、今回「歓迎される政策決定ではもちろんあり得ず」、詰まる所「利上げ期間が長引くと強調されただけ」になりました。
 米国経済は、5%を超える現行の政策金利の中でも『活況を維持』していますが、喜ばしくも、このような活況を維持する限り「利上げ期間が長びくこと」になるのがオチです。『利下げ以外の諸策』は、もはや米国株式市場が諸手を上げて歓迎するレベルではなくなっているのです。

2023年末、再び「1ドル150円突破」へ向かう・・・

 ドルの為替水準に関しては、暫く「金利高の恩恵」が強く現れ、更なるドル高に向けて駆け上がることとなるでしょう。この場合、世界的なドル高は米国多国籍企業にとって痛し痒しとなりますが、ユーロも金利引き上げが見込まれるので、この分は相殺されそうです。

毒食わば皿まで…

 置いてきぼりは『日本国』のみ。一つ覚えの「金融緩和の継続」を表明している植田日銀総裁が金融界に鎮座している限り、「円安阻止の為替介入が俎上に上って来る」ことがあっても、年末の1ドル150円突破に向けて、海外投機筋の再スタートが始まると見ています。為替絡み(債券利回りを含む)でないと、現況の日本株高の説明がつきません。
 『毒食わば皿まで』の故事の如く、どのようなっても生き延びること。その為には、アメリカ側の行動に即して、背後からコツコツと続くことです^^!

6月15日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落、前日比232ドル79セント(0.7%)安の3万3979ドル33セントで終えました。
  • ナスダック総合株価指数は5日続伸して、前日比53.156ポイント(0.4%)高の1万3626.477と、昨年4月以来の高値で終えています。
  • S&P500種株価指数は小幅に5日続伸しました。前日比3.58ポイント(0.1%)高の4372.59と、昨年4月以来の高値で終えています。

 ナスダック指数やS&P500種は、昨年4月以来の高値圏にあり、上昇が続いてきた一部ハイテク株の割高感も強まっていますが、地合いは強く、大きく崩れる兆候は感じないです。


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「ラッセル2000株価指数」が、出遅れている?

 ハイテク株に比べて出遅れ感のある「景気敏感株」や「内需関連株」の動向が、今後の相場展開のカギを握りそうですし、ラッセル2000(中小型株で構成される株価指数)が取り残されています。
 ラッセル2000の今年の上昇率は14日までで6%。ダウ平均(3%)は上回っていますが、ナスダック指数(30%)やS&P500種(14%)と比べるとかなり低い状況です。

MYポートフォリオ

 MO アルトリア グループが配当の権利落ちで大きく下落していたので、強く買い増ししました。医療保険のユナイテッドヘルス・グループは大きく値下がって6%超安、ダウ平均を200ドルあまり押し下げています。

 これは、13日の投資家向け説明会で経済正常化に伴って「高齢者の手術件数が回復」しており、「保険金支払いが増加するとの見通し」を示しました。これが同社にとって業績不透明感につながり、まわり回って「保険株全体」が売られた理由です。
 もちろん、このタイミングで「ユナイテッドヘルス・グループ1株」、「エレヴァンス ヘルス1株を試し買いしています。


編集後記

 新型コロナ禍明けの医療現場で、「人工関節置換術などの手術を受ける患者が増えている」との説明をユナイテッドヘルス社の首脳が行ったことで、医療保険銘柄へ売りが殺到して半端なく株価が下落。反面、医療機器メーカーと病院運営企業の株価は上昇しました。

 新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が最も深刻だった時期には、緊急性のない外科手術の多くが延期された。レックスCFOの発言は、ようやく今の時期になって膝や腰の手術を行う人が大きく増えてきていることを示唆している。(ブルムバーグ 2023年6月15日 1:20 JST)

 何のことはない、保険屋が保険金を支払うのは当然であって、一時的な減収となっても保険屋は保険料をすぐさま引き上げるので「とりっぱぐれ」等はありません。ものの見事に業績が回復します。この様な「些細な事柄で株価が下落する」現象は米国株ならではです。


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