米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

6/16 米株へ資金が戻り、主役と脇役の交代が始まる?...

 ようやく、米国を巡る経済指標が投資家に沿った内容(公表値)になって来たようです。ダウ平均3万5千ドル、ナスダック株価指数1万4千、S&P500指数4千5百突破が視野に入って来ました。本日、マイクロソフト株が上場来の高値を更新したように、イケイケ基調が投資家心理となっています。もしかすると、今後の利上げがなくなる可能性もあるぐらいですから…。

米国単独の底上げ上昇相場

 こうなると、欧州や日本を振り払って「足踏みしていた、米国単独の底上げ上昇相場」となるは必然でしょう。これが、一気にやって来るのか、それともジリジリと迫って来るのか。新型コロナ禍の霧も晴れて、世界市場で主役と脇役の交代が始まりそうです。


6/16 米株へ資金が戻り、主役と脇役の交代が始まる?...1

特記すべき出来事

  • 5月の米小売売上高は前月比0.3%増、市場予想(0.2%減)に反して増加、個人消費の底堅さを示した。
  • 米NY連銀およびフィラデルフィア地区連銀の「製造業に関する月次調査」で、6カ月先の業況指数が共に15カ月ぶりの高水準を記録し、景況指数の見通しは約1年ぶりの高水準に改善。
  • (日本)5月の貿易統計で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が1兆3725億円の赤字。赤字は22か月連続...。
  • (欧州)15日の理事会で、8会合連続の利上げを決定。欧州→米国へ資金移動?...。

6月16日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は反発、前日比428ドル73セント(1.3%)高の3万4408ドル06セントで終えました。年初来高値を更新し、昨年12月以来およそ6カ月ぶりの高値を付けました。上げ幅は一時500ドルを超えました。
  • ナスダック総合株価指数は6日続伸。前日比156.344ポイント(1.1%)高の1万3782.821で終えました。連日で昨年4月以来、およそ1年2カ月ぶりの高値。
  • S&P500種株価指数も6日続伸した。前日比53.25ポイント(1.2%)高の4425.84と、連日で1年2カ月ぶりの高値を付けました。

6/16 米株へ資金が戻り、主役と脇役の交代が始まる?...2


 米債券市場で長期金利が、前日終値(3.79%)から3.7%台前半に水準を切り下げました。この金利低下(債券売り)で、相対的な割高感が薄れたハイテク株へ、再び多量の株買いが入った模様です。

MYポートフォリオ

 上昇気流が吹き始めた時は何もしない方がベターですし、ここから仕込むことは止めて置いた方が良いです。敢えて、立ち向かうのなら「嫌われもの」の蒐集に特化すべきでしょうか...。


編集後記

 日経新聞に『円キャリー取引に逆回転リスク 近づく介入ライン』のタイトル記事が掲載されていました。物価上昇を何としても避けたい日本政府、日銀首脳としては「1ドル141円超の定着は、許容し難い数値」であることは論を待ちません。低金利の貸出国として「今や稀有な国、日本」を刺激したくない欧米諸国は、介入に異を唱えないでしょう。


6/16 米株へ資金が戻り、主役と脇役の交代が始まる?...10

(日本政府の人身御供とならないよう...、唯々祈るだけ...)

口先介入の次が、実弾介入・・・

 しかし、ひとたび円安介入をやっちゃうと「これまでに溜まった『巨大な円売りポジションの解消』が、急激な円高進行を引き起こす可能性」が強く懸念されるので、おいそれとはできない情勢です。
 すると、監督官庁の大臣等が例の『口先介入』を数回繰り返し、様子を見る行動を起こすことでしょう。昨日現在、未だ口先介入がないので、「実弾介入」はまだまだ先の話です。


6/16 米株へ資金が戻り、主役と脇役の交代が始まる?...9

円キャリー取引の規模

 外国銀行在日支店の「本支店勘定」をみると、2023年4月時点の資産規模が12.8兆円と22年11月以来の高水準まで積み上がっています。これから2カ月近く経過しているので、今では倍近くまで膨れ上がっているやも知れません。投機筋のキャリー取引で溜まった『円売りポジションの大きさ』を如実に物語っています。
 いずれ、これらは「反対売買で円貨に変換(円買い)」されます。この時、日本株高(円売り為替予約の解消)がドル安・円高への呼び水となることでしょう。米国株の取り引きをされている方も、この段階で保有株売却を検討されることをお勧めしますし、日本株を保有されている方は「撤退まで」を強く推奨します。日本株を信用し過ぎてはいけません!


6/16 米株へ資金が戻り、主役と脇役の交代が始まる?...10

 円キャリー取引においては、円高局面になると、円で借りていた資金の返済の際に為替差損を被ることになる。

 大和証券の城山健吾ストラテジストは「一度円買いの材料が与えられれば、ポジションは一気に巻き戻されるだろう」と指摘する。


 2008年のリーマン・ショック直後、市場では円キャリー取引を手じまい円買いに走る投資家の動きが急激な円高の一因となった。

 たまった巨額のショートが一挙に円買いに動けば、想定を上回る円高進行をもたらす展開もありそうだ。(日経新聞 2023年6月15日 19:06)

6/16 米株へ資金が戻り、主役と脇役の交代が始まる?...11