米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

1/22 【考察】理屈を超えた、株価下落と株式市場...

 ダウ工業株30種平均は6日続落、前日比450.02ドル(1.3%)安の3万4265.37ドルで終えました。これは2021年12月前半以来の安値です。なお、6日続落は2020年2月20日~28日(7日続落)以来、1年11カ月ぶりです。
 ナスダック総合株価指数も4日続落して、前日比385.098ポイント(2.7%)安の1万3768.922、昨年6月以来の安値で終了しました。4週連続で下げまくっています。


1/22 3大株価指数

売り主体は、買戻しを想定していない投資家?

 ここ数日間、取引終了にかけて売りが強まる展開が続いています。一般的に売り方の手法としては、寄り付き後から売りを仕掛けて、終了間際にはポジション調整を含む買い戻しを行うのが常です。
 よって、今般の売り主体は「当分、買戻しを想定していない投資家」と見て間違いないのかもしれません。現物売りと空売りを合わせて【投げ】ているのでしょうか。こうなると、早期の【株価リバウンドは期待薄】と考えた方が、少ないながらも対策が立て易いです。

理屈を通り越した「売り」がまかり通る

 ドルが他通貨に対して上がろうが下がろうが、10年債券利回りが上がろうが下がろうが、利益が出ていようがいまいが、ひたすら「自分たちが【割高指標】のレッテルを張った銘柄を売りまくる行動」に出ています。これに他の投資家連中も付和雷同して乗っかかって動いていますから、この集団行動は止めようがありません。


1/22 株式データ類

だんまりを決め込み、メッセージ発信もない現大統領

 このような時、トランプ前大統領なら随時メッセージ発信を行って政権の考え方、今後の方向性を伝えて【重石】にもなっていましたが、バイデン大統領は認知が進んでいるのか、ただ口を開けて眺めているだけなのか? 何のメッセージ発信もありません。取り巻きやお付きの連中からさえも、何の音さたもありません。まるで、大統領選挙に勝ってお役御免のような奇妙な政権です。
 しかし、米国政府は秋の中間選挙までには、何らかの【かたち】を創らざるを得ないと見ています。株価を早期に回復軌道に乗せないと、与党民主党は中間選挙結果を踏まえて内部抗争から崩壊するやもしれません。

次週、FRB議長がとどめの一発を放つ?

来週の25日~26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されています。巷の噂どおり、

  • FRBはテーパリング(量的緩和の縮小)を3月半ばではなく、2月半ばに終えることを決めて資産購入の停止を前倒しする。
  • パウエルFRB議長は「資産圧縮の議論を進める」と明言済みで、【議論】と並行して資産購入を続ける矛盾を避ける。

 パウエルFRB議長の会見内容に、株式市場に対する温かみのある行動、発言が含まれない可能性が高くなっています。正夢なら、来週の株価は更に深押しとなることでしょう。阿鼻叫喚の世界が垣間見れます。

個人投資家の対応を考えると・・・

 今回、株式市場で起こっている株価下落は、次のテーマが発端でした。つまり、はじめの一歩は金融政策でした。ここに、インフレとオミクロン株が絡んできたのです。

  1. FRBが、早期に金融緩和を止める。
  2. FRBが、金利を引き上げてインフレを抑制する。
  3. FRBが、FRBの資産圧縮に関する議論を進める。
  4. オミクロン株蔓延による経済正常化への足踏み懸念。

 金利上昇がいずれ止まれば、これらは解決可能です。極論すれば、「馴れと時間経過」で解決できる問題と分類できます。
 しかし、厄介なのは、昨日のネットフリックス社決算のような「企業業績に対する疑問符の派生」です。同社は1月~3月期の有料契約者数の伸びが250万人にとどまると発表して、市場予想(693万人)と昨年10月~12月期実績(828万人)を大幅に下回りました。これによって、同社株は猛烈な売りに晒されて、20%以上の株価下落となっています。来週には、半値付近まで落ちるかもしれません・・・。
 同社最高財務責任者は「成長の限界に近づく中で、他社との競合の影響があった。」と発言しました。ハイテク企業は【成長があってこその 高PER+株高】なので、「企業の成長基盤が崩れてしまったのではないか?」と、投資家に疑念を抱かせてしまったのです。そうであれば、「金融相場 + 業績相場のダブル懸念勃発」で株価下落に拍車が掛かり、回復まで長引くことになります。

【個人投資家の対策の一例】売却して、一度、更地に戻す...?

 もちろん、狼狽売りはご法度ですが、ここまで【指標が崩れた相場】が目の前に現われているのであれば、リフォーム(一部売却と一部購入)で乗り切るのが、心労と費用の面から難しくなって来ているかもしれません。であれば、評価益があるうちに保有する全株売却を含む【更地化作戦】を検討する価値はあります。

更地化作戦

 この更地化作戦の狙いは、一度、ポートフォリオを白地(更地)に戻して、得た売却資金で数年後を見据えたポートフォリオ絵図(海図)に書き直すことにあります。
 月日の経過と共にポートフォリオ内に『銘柄間のズレ』が現れてくるのが常ですし、株式市場の騒乱で無傷の銘柄が少ない時は、今まで手が出せなかった「お気に入り銘柄の株価」も安値になっているので、今が【後ろ向きの銘柄売却ではなく、前向きの銘柄入れ替え】を行う絶好のチャンスとも言えます。
 但し、何もする必要がない方、ポートフォリオ書き直しに際して資金的な余裕があり、売却を良しとしない方は、敢えて安値売却する必要はありません。ホールドも立派な戦略です。これは念のために申し添えます。

編集後記

 3日連続の終了間際にかけての株価急落には驚きました。

  • 更に安値を狙って終値を底値に導きたいのか?、
  • 悩んだ末に狼狽売りが生じたのか?、
  • 株価が防御ラインを下回ったのでコンピュータが作動したのか?、
  • 明日も引き続き、売り崩すという強い意思表示の現れなのか?

 思い巡らすだけでも気が滅入りそうです。ホント、寝不足で疲れた1週間でした。では、楽しい土日をお楽しみください。


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