2/3 発車ベルが轟く前に、用足しを済ませて置くことが肝要...
株価がピーク時から半値付近まで下落、ヘッジファンド連中の売り対象銘柄として「けちょんけちょんに貶されていた」嘗ての『寵児株、ハイテク銘柄』が、突如として株式市場の「ひのき舞台」へ戻って来ました。
突っ込みし過ぎた投資家の屍・・・
ハイテク株を保有するはもちろんの事、これらを売り倒している時はさっさと「損切りの買戻し」を行った結果、自らの売買取引で更にハイテク株が高騰するというジレンマが生じる始末…。
こうなったなら、損益額の帳尻を合わすため「利益が少額でも出ているディフェンシブ銘柄を投げ売り」するしかなく、見境なく売却しまくっていたのが、本日の米国株式市場で見られた現象です。
株価の急騰・急落の裏側には、『突っ込みし過ぎた投資家の屍』が至る所に転がっています。
昨日のパウエル議長の声明を振り返ると・・・
2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、パウエルFRB議長がインフレ鈍化に度々言及し、市場では「早期の米利上げ停止観測」が手前勝手であっても強まっていました。金利を0.25%引き上げるとFRBの親玉議長が宣言したにもかかわらず、米長期金利が一時、前日比0.09%低い(価格は高い)3.33%まで低下したのです。
こうなると、ハイテク等の高PER(株価収益率)銘柄に対する投資妙味が意識されるのが自然です。「ハイテク株の戻りに乗り遅れないよう、ファンドが追随して買いを入れている」と宣伝され、どこからともなくハイエナ達が集まって来ます。そして、ますます特定銘柄の売買回転が速まるのです。
米住宅ローン金利(固定30年物)も5%台へ低下、昨年9月以来・・・
昨年のインフレ亢進のピーク時、米住宅ローン金利の固定30年物は5%を軽々超えて、なんと7%台を伺う勢いがありました。中古住宅が取り引き件数の85%を占める米国住宅事情では、日本とは異なり、自宅の土地・建物は『価値の高い換金資産』になります。
売買の実益だけではなく、所有物件の含み資産内で銀行借り入れ積み増し、投資資金としても活用される特殊事情が米国社会にあるので、米住宅ローン金利固定が下がると、それだけでも運用資金量が大きく増加するのです。
2月3日には「1月の米雇用統計が発表」・・・
要は『賃金の伸び減速』が読み取れるか否かです。これが確認できることが必要です。
万が一、減速兆候が垣間見られないなら「株式取引の反転」現象が見られることでしょう。つまり、今度はハイテク銘柄が売られ、ディフェンシブ銘柄が買い戻されるのです。
減速兆候が読み取れるなら、更に高い到達点へ引き上がるかもしれません。暫くは、データ注視の姿勢を堅・維持する必要があります。
引け後のハイテク銘柄の決算動向
場の引け後に決算を公表した「アマゾン・ドット・コム」とグーグル親会社の「アルファベット」、そして「アップル」はいずれも、通常取引終了後の時間外取引では大きく下落して推移しています。まぁ、明日が見ものです…。
2月2日のトピックス
ダウ工業株30種平均は小幅に3営業日ぶりに反落し、前日比39ドル02セント(0.1%)安の3万4053ドル94セントで終えています。ダウ平均は一時、280ドル近く下げました。
ナスダック総合株価指数は大幅に3日続伸し、前日比384.498ポイント(3.3%)高の1万2200.818でした。昨年9月以来、ほぼ5カ月ぶりの高値で終えました。
業績懸念の後退や長期金利低下を受けてハイテク株が買われた半面、ダウ平均構成銘柄として比重が大きいヘルスケアなどディフェンシブ株が売られました。
ハイテク株も買戻しの域を大きく出た訳ではありません。積極的なハイテク株売りを止めて、最低限の保有比率まで引き上げたぐらいでしょうか?・・・。
米新規失業保険申請、9カ月ぶり低水準・・・
米労働省が2日に発表した1月28日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、3000件減の18万3000件でした。2022年4月以来、約9カ月ぶりの低水準で、減少は3週連続です。金利上昇や景気後退への懸念の高まりが起きているにもかかわらず、労働市場は引き続き堅調に推移しています。
一方、国際的な再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは2日、米国に拠点を置く企業が1月に公表した『雇用削減が10万2943件になった』と発表した。
前月比では2倍以上、前年同月比では5倍以上に急増し、2年超ぶりの高水準。リセッション(景気後退)に備え、ハイテク企業が過去2番目のペースで雇用を削減した。
JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「失業保険申請件数とチャレンジャーの雇用削減とが発する一見対照的なメッセージを完全に一致させるのは難しい」と指摘。
「この相違を説明する一つの可能性は、解雇された人々が失業保険を申請していないことだ。これは、簡単に再就職できているためか、退職金を受け取ったことにより失業保険を申請できる段階になるのが遅れているためかもしれない」とした。(ロイター 2023年2月3日 2:10 午前)
MYポートフォリオ
昨年来から気になっていた「損害保険株」。丁度、ディフェンシブ銘柄が売り対象となって株価が下落していたので「損保銘柄」を中心に新規買いしました。昨年、買いそびれてしまっていたので・・・。ざっと、次のような類のものです。近い将来、きっと役立ってくれることを期待して保有します。
- AIG アメリカン インターナショナル グループ 16株
- CI シグナ 3株
- CNC センティーン 4株
- ELV エレヴァンス ヘルス 3株
- MET メットライフ 9株
- MOH モリーナ ヘルスケア 2株
- SLM コーポレーション 11株
- LLY イーライ リリィ(ヘルスケア関連) 8株
- GNK ジェンコ シッピング&トレーディング(船舶関連) 8株
- NAT ノルディック アメリカン タンカーズ(船舶関連) 10株
- UNH ユナイテッドヘルス グループを18株へ買い増し
- CNA ファイナンシャルを118株へ買い増し
次のとおり、GAFAM銘柄のパワー炸裂です。一気に、これら銘柄トータルで損益率18%超の増加を達成、金額にして2万9千263ドル増まで上昇しました。マグマが半端じゃないです。
編集後記
まさに『稲妻が轟くその瞬間、株式市場に居なくてはいけない』を地で行くようなハイテク銘柄の爆上げが見られました。反して、値嵩株で超優良銘柄の「UNH ユナイテッドヘルス グループ」等が、この時期にあそこまで売られるのを傍目で見ると、投資家の切羽詰まった時の身の処し方は、初心者であろうと御大尽であろとなかろうと、皆同じムジナであることを思い知らされます。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。