米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

6/23「通貨安 = 物価高」を拒否、欧州で「利上げ」が相次ぐ...

 6月22日、英イングランド銀行(中央銀行)が13回連続の利上げを断行、市場予想を上回る0.5%の引き上げ(政策金利が5.0%)を行いました。更に、欧州のスイス(0.25%引き上げて1.75%)とノルウェー(0.5%引き上げて3.75%)、中東のトルコの中央銀行が政策金利(6.5%引き上げて15.0%)を引き上げました。
 なお、ドイツやフランスなど、ユーロ圏20か国の金融政策を束ねるヨーロッパ中央銀行も、先週既に0.25%の利上げに踏み切っています。

利上げは、今や世の趨勢となる・・・

 貿易相手国(米国)の金利引き上げに伴い、「自国の通貨安 = インフレ亢進+物価高」を避ける意味からも、欧州や他の先進国では相次ぐ利上げを決めています。
 これは、日本の民意を別にして、『自国を守る = 最低限の常識』の一環です。対ドルに対して自国通貨が安くなることは、「国を売る行為にも等しい」ので、欧州諸国は利上げをしてでも「国を守る」のです。権勢を誇った古代ローマ帝国が滅亡したのは、『金銀の鋳造改悪 = 乱発 = 通貨安』に他なりません

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FRB議長、米上院で再び「利上げ継続」を示す・・・

 パウエル議長の米上院における証言が行われ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の委員らが「年内に1回、もしくはあと2回の利上げが適切になると感じている」との認識を示しました。これは、昨日の米下院の証言と同様、今回の米議会証言を貫く共通コンセプトです。
 米国の金融当局者は、またまだ『利上げを続ける』強い意向を示しています。

FRBの「利上げ打ち止め観測が消滅」して、円の独歩安・・・

 世界的に金融引き締め(政策金利の引き上げ)が続く中、米国金融市場では「米国も再利上げは避けられないだろう」との雰囲気が支配的になっています。
 FOMC後の一時期、金融市場に散見された「FRBの利上げ打ち止め観測」が消滅。外為市場では、頑なに金融緩和を続ける日本の通貨「円」の独歩安となっています。1ドル=143円台へ落ちるのは、去年11月以来、およそ7か月ぶりです。そう、日本当局の「円買い」為替介入があった時期です・・・

15年ぶりの「円安、ユーロ高」水準へ下落・・・

 「青い目の外人さんに国土を荒らされる...」。これじゃ、素手で立ち向かうガンマンの如く、日本の安全性自体が無防備な状態に置かれています。「老人国家 = 日本」は、何事にも臨機応変に対応できない「動脈硬化が進んでいる」ので、欧米のみならず、アジアや中東、中国、朝鮮、インドの「不埒な輩ども」が大挙して日本へ乗り込んでくることでしょう。そして、投機家は便乗して「円」を売る姿勢を強めています。

6月23日のトピックス

  • ダウ工業株30種平均は小幅に4日続落、前日比4ドル81セント安の3万3946ドル71セントで終えました。FRB議長が議会証言で「利上げ継続を強調」すれば、上がるものも下がります。
  • ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発。前日比128.410ポイント(1.0%)高の1万3630.609で終えています。入れ代わり立ち代わり、GAFAM銘柄の主役が替わり、今日は「アマゾン株の買い」でした。
  • ドル全面高で割高感が広がり、ニューヨーク原油先物価格は3ドル程反落しました。
  • 先週分の米国新規失業保険申請件数が、予想:25.9万件を上回る26.4万件でしたが、株や為替取引で全く考慮されませんでした。

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MYポートフォリオ

 ピーク時から半値(9ドル18セント)にまで値下がっている、日本でもおなじみの英国籍の通信会社「VOD ボーダフォン グループ ADR」62株を新規購入しました。
 海外通信事業の撤退等で執拗に売られている同社株ですが、そろそろ買い時と判断しました。今や、同社の配当率は10%(年2回配当)を突破しています。


編集後記

 株価が下落傾向に向かい、金融当局が利上げを始めると、決まって不動産融資に関する「不良債権問題」が俎上に上って来ます。今回も米国で「くすぶっている問題」がポチポチと報道に現われて来ました。


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 米商業不動産業界では問題が広がりつつあり、不良資産の総額は2023年1-3月(第1四半期)に10%増加し640億ドル(約9兆1400億円)近くに膨らんだ。調査会社MSCIリアル・アセッツの最新のリポートで明らかになった。

 同リポートによれば、近い将来に問題となり得る商業用不動産は1550億ドル近くに上る。


 借り入れコスト上昇が商業不動産業界に打撃となっており、価格が下落し、デフォルト(債務不履行)を選択する所有者もいる。問題となり得る資産の大半は借り換えが必要なビルに関連している。複数の地銀破綻を受け、銀行は与信を引き締めつつある。


  ジム・コステロ、アレクシス・マルティン両氏らMSCIリアル・アセッツの調査担当者は「こうした潜在的なディストレスが本格的な問題に発展すれば、不良資産売却の増加と価格下落は避けられないだろう」と指摘した。(ブルームバーグ 2023年6月23日 0:58)

 毎度、好不況の移り変わり時に繰り返される不動産融資の不良債権問題ですが、トランプ前大統領も不動産投資関連で2度の破産経験があるとのこと。破産して何もかも手放す者がいれば、購入してのし上がる者もいるのが世の常です。

平々凡々とやり過ごせるよう、余裕をかませられるか否か・・・

 不動産融資程度の破産や破滅で、1つしかない「大事な命」を絶ってはいけません。何故なら、① マネーの貸し借りは「商取引」であって、決して命を懸ける程「崇高なものではない」こと。② 立地、形状、価格からして、いずれの場合も不動産(特に土地)は代替が限られる『唯一無二の商品』であること。不動産は忘れた頃に、脚光を浴びます。
 何事も適宜やり過ごすことが、長生き・長持ちの秘訣です。株式取引も『勝負、勝負』と自らを窮地に追いやってはいけません。ほどほどに・・・。


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