米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

5/25 ディフェンシブ銘柄への逃避が始まった...

スナップ株、上場来最大の値下がり

 「速報」でお伝えしたとおり、前日に業績見通しを引き下げた「スナップ」が先陣を切り、下げを誘発した結果、同社の株価が【一時40%安】と急落。スナップ株は上場来最大の値下がりとなりました。米国は日本と異なり、株価の変動幅に制限がないのでスッキリします。そして、市場でお決まりの連想売りが加速した結果、他のソーシャルメディア関連銘柄が軒並み売られ、同セクターの時価総額は【約1650億ドル(約20兆円)】吹き飛んだ勘定となりました。

取り巻く環境が激変? スナップは43%安…

 SNS(交流サイト)のスナップが示した業績下振れの見通しをきっかけにハイテク株の下げが強まりました。今回の株安は「より深く、より長く続きそうだ」と身構える投資家が多い証拠です。ユーザー数の伸び悩みと金利上昇懸念が既に重しとなっていたので、会社がこれを認めた会見があって売りが爆発したのです。
 スナップは対前日終値の43%安で終えました。同社は23日夕、米国経済の悪化を理由に「2022年4~6月期業績が会社予想の下限さえを下回りそうだ」と明らかにしました。4月の決算発表時には「4~6月期の売上高は前年同期比20~25%増」との予想を示し、4月1~21日までは前年の同期間に比べ30%増収と好調だったという。たった1カ月で予想を引き下げるとは、いったい何が起こっているのか? 疑心暗鬼が24日の米市場を覆ったのです。

ソーシャルメディア関連銘柄は投資先から外れる、外す方が無難…

 スナップの売上高は広告収入がほぼ100%を占めます。モルガン・スタンレーのブライアン・ノワク氏は「広告出稿の規模は景気に非常に敏感で、消費動向や経済を反映する。スナップの下振れ予想はかなり広い地域や分野での景気減速を示唆するのではないか」と話しています。また、ウルフ・リサーチのディーパック・マティバナン氏は「事業環境の厳しさが及んでいるのはスナップに限らない」と指摘した。

労働市場へも波及...

 不透明感は良好な労働市場にも広がりつつあります。スナップは今年予定していた人事採用の一部を来年に先送りする計画も発表しました。暫くは株価が低迷することでしょう。買収に動き出す金持ち企業が現われるやも知れません…。

 写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営する米スナップは前日の通常取引終了後、4-6月(第2四半期)の売上高と利益の見通しを下方修正し、従来の自社予想レンジの下限を下回るとの見通しを示した。(ブルムバーグ 2022年5月24日 23:07 JST)

下げ過ぎていた『ディフェンシブ銘柄』へ逃避買いが入る

 前週まで、ハイテク株や景気敏感株と同じように売られてきた「ディフェンシブ株」に下げ過ぎとみた買いが入った模様です。ダウ平均は午後に下げ渋り、引け間際にプラスに転じています。なお、Myポートフォリオ内のディフェンシブ銘柄の通信株(AT&T株、VZ株、VOD株)の損益が一気に回復しています。

米リセッション懸念強まる、FRBの大幅利上げ観測が後退

 米国政府が公表しているデータ類で、米国の住宅市場や製造業が鈍化の兆しを見せ始めています。結果、米国経済の景気後退入りは避けられないとの懸念が再燃しました。
 更に、低調な経済指標の結果を受けて連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げに踏み切る必要が低下したとの見方も強まり、ドル上昇も一段落しています。*円高に少し少し動き始めています。
 ウクライナ戦争も3カ月目入り、中国も都市封鎖を継続して不透明感も高く、FRBの引き締めの行方は、今後の経済指標の結果次第となりそうです。

このままでは、秋の米国中間選挙を直撃する!

 CFRAのサム・ストーバル氏は「リセッションを織り込む株安はより深く、より長く続く可能性がある」と指摘しています。過去を振り返ると、インフレの急加速はリセッションと米株式のベアマーケット(弱気相場)入りを併発してきました。
 1948年以降で12回起きた弱気相場のうち、リセッションが引き起こした弱気相場は直近高値からの下落率が平均で38%でした。リセッションと関係なく起きた場合は平均28%にとどまっています。

爆死寸前のレバナス難民を救済できるか否か…

 CFRAのサム・ストーバル氏によると「リセッションは10カ月続くのが平均で、株式相場が底入れするのはリセッション終了の平均4カ月前だ」という。つまり「米株の底入れはまだ先」との見立てですから【レバナス難民】の苦悩は続きます。
 秋の米国中間選挙は、さながら景気対策、株価上昇の秘策、ウクライナ騒動、コロナ再来が直撃するやも知れません^^。兎にも角にも、消え去った資産の復活を望むレバナス難民の吐息が聞こえるか否か…。

5月25日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比48ドル38セント(0.2%)高の3万1928ドル62セントで終えています。業績懸念から主力ハイテク株が売られ、午前には下げ幅が一時500ドルを超えています。


5/25 3大株価指数


 ナスダック総合株価指数は反落して、再び年初来安値を更新しています。前日比270.827ポイント(2.3%)安の1万1264.448で終了しています。

マイポートフォリオ

 ディフェンシブ銘柄の株価上昇に伴い、珍しく評価額が増加しています。対前日の終値と比べると、評価額が1万1千372ドル高の101万2千ドル台まで上昇しました。そして、配当金・分配金の年間見込み額も100ドル増加して史上最高額を更新中です。

編集後記

 いつかは戻ると思っていた通信銘柄の株価ですが、一足飛びに回復したようです。しかし、ポートフォリオ全体からすると回復には程遠く、先行きが長いです。