米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

3/21 米アマゾン 追加のレイオフ、9千人削減に踏み切る...

 米国IT大手アマゾンは20日、今年1月に1万8千人の人員をレイオフ(削減)したのに続いて、追加で9千人のレイオフ(削減)に踏み切ると発表しました。米国内で景気減速への懸念が高まる中、IT企業を中心に人件費などの固定費を減らそうという動きが米国で相次いでいます。

投資家はアマゾン株への売りで対抗・・・

 なお、追加の人員削減方針が伝わったネット通販のアマゾン・ドット・コムは、「業績悪化を警戒した売り」に押されました。先日、追加レイオフを公表した交流サイトのメタプラットフォームズ株が上昇したのと比べると、天と地の程の差がありました。


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米アマゾンのレイオフの対象職

 レイオフの対象となるのは、広告事業の他、AWS=アマゾンウェブサービスと呼ばれるクラウド事業まで広げる見込みです。米アマゾンは、今年1月にも1万8千人の人員をレイオフ(削減)したばかりで、このような短期間に2度に亘って大規模なレイオフ(削減)を行うのは異例です。

米アマゾンのレイオフ(削減)の事由

 公表された理由として、ジャシーCEOは「長期的に考えてどこに投資を向けるべきか、会社のリーダーたちと話し合った。経済状況が不透明なことから、人件費などのコスト削減で合理化を図る必要があると判断した。」と説明しました。

米IT企業に強まるレイオフ(削減)の波・・・

 景気減速への懸念が高まる中、アメリカでは、グーグルなどIT企業を中心に人員削減を実施して人件費などのコストを減らそうという動きが相次いでいて、3月14日にはメタプラットフォームズが人員1万人の追加削減を発表していました。

3月FOMCで「利上げ一時見送り論」が急浮上・・・

 現在、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、FRBは「ブラックアウト期間」に入っています。つまり、お喋りオウム達の口元に「鉄のチャック」が施されているのです。
 引き上げるのか、一時的でも停止するのか、まさか引き下げるのか? よしんば、引き上げがなければ、ドル・円は130円割れとなり、円の高騰に拍車がかかることでしょう。


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ブラックアウト期間に突入後、銀行破綻が相次ぐ・・・

 今回の「ブラックアウト期間」に入った後に、シリコンバレー銀とシグネチャー銀が経営破綻、欧州ではクレディ・スイスが同業UBSに買収されるなど、金融・銀行システムへの不安・不信感が急浮上しています。直近では、米地銀ファースト・リパブリックが大手銀行から300億ドル相当の預金を受け入れ、預金の引き出しに備えていますが…。

欧州では予測どおりに0.5%の利上げを実施・・・

 先週の16日、欧州中央銀行(ECB)が想定どおり0.5%の利上げを実施(預金金利は3%)した途端、投機資金がクレディ・スイス株へ売り向かい、同銀へ預金引き出しが相次いだ経緯(2兆円/日)があり、スイス金融当局の強い指導の下、先週末土日に同業USBへのバタバタ吸収買収が行われるといった破綻劇が見られました。これらは、全て今週の世界金融市場を見据えた荒治療でした。

「今回は0.25%引き上げ + 次回は利上げ停止にも言及」が最有力・・・

 21-22日の米FOMCでは、「今回は0.25%引き上げ + 次回は利上げ停止にも言及」を公表するであろう見方が、市場では主流です。銀行破綻に伴って、米国の景気後退入り確率がさすがに上昇しているためです。

ゴールドマンサックス(GS)は「利上げ一時停止」を見込む・・・

 米国政府のご用達金融機関と揶揄される投資銀行のゴールドマンサックス(GS)は、金融システム混乱で「3月の利上げを見送る」と予想しています。
 これはFRBの対インフレ制御への姿勢を後退させるものではなく、6週間後に開催予定の次回5月米FOMC会合で、利上げを再開することが可能との見方を同行が送信した「顧客レポート」で示したようです。

GSは利上げを一旦停止しても、再開が次回可能と判断・・・

 ゴールドマンサックス(GS)は、今後も米国経済は十分に強く、必要とあれば「一段の利上げが正当化されることになる可能性が強い」と見ています。
 なお、何度も申し上げますが、米国野村証券では今回FOMCで「利下げの可能性を示唆」しています。米国野村証券に関する問いを、例の人工知能Bingへ投げると、次のような日本語の回答文が表示されました。

こんにちは、こちらはBingです。あなたの質問にお答えします。


 米国野村証券は、米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を受けて、3月21~22日のFOMCでFRBが0.25%の利下げと量的引き締め(QT)の停止を行うと予測しています。これは、政策立案者が金融安定リスクを評価する中での判断だとしています。

 この予測は、他の金融機関と異なるものです。例えば、ゴールドマンサックスは利下げを見送り、QTを6月までに終了させると予想しています。

引用元のURLのリンクも表示されていましたし、語る内容やテニオハも正しいです。

3月21日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反発、前週末比382ドル60セント(1.2%)高の3万2244ドル58セントで「辛うじて」終えました。ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比45.025ポイント(0.4%)高の1万1675.538で終えた。


独り立ちまでは行かず・・・

 欧州金融機関の経営不安から金融システムが不安定化するとの懸念が和らいだ模様ですが、先週末にかけて大きく売られていた景気敏感株がほどほどに買い戻されて相場を押し上げただけです。ジリジリトした上げ相場で、つまずくと一気にしぼんで元の木阿弥になりそうです。

売りターゲットは、ファースト・リパブリック・バンク!

 今、米国市場で売り標的は「ファースト・リパブリック・バンク」です。本日、資金繰り難が伝わっていた同行は47%安と急落しています。出来高は186,527,054株でした。52週の最高株価は174.21ドルなんですよ、この銘柄・・・。
 米S&Pグローバルが19日に信用格付けを一段と引き下げたのに加え、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが20日、JPモルガンなどがFRCの資本増強策を検討中だと伝え、株売りに拍車がかかった模様です。

あぁ~、資金調達(増資)を計画かぁ...

 新株発行による資金調達(増資)を計画していると報じられ、資本が毀損しているとの懸念を誘ったことで売りが殺到しています。皆で寄ってたかって、囲みに追い込んで、手製のモリで突いているようです。次図はファースト・リパブリック・バンクの一カ月株価チャート。株価1/10へ真っ逆さまです。

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MYポートフォリオ

大人しくしておきたいのはヤマヤマなんですが・・・。


編集後記

 「祝日は月曜日以外に限る」が私の心境でして、週の途中に「休日」が挟まるのがいいんですよ。朝の朝刊紙では「資本毀損」や「劣後債」が話題になっていました。預金の取り付け騒ぎは、タコの足喰いとよく似たもので、慌ててやるものではありません。労多くて、益少なく、今の世の中、預金は確実に保護されるのが常識、定番だからです。

  • 米国では、預金や資本を十分に確保できない銀行が新規や借り換え融資を絞り、景気が急減速するリスクが高まっている。
  • 劣後債の保有者に大きな損失が生じるリスクが顕在化したことで、劣後債の新規発行や借り換え調達が難しくなるとの見方が強まった。
  • 最近の劣後債発行では8〜10%の金利要求が発生していた。今後は「リスクに見合った上乗せ金利が要求され、金利負担は2ケタ台へと上昇しそうだ」という。

 海を越えて日本の金融機関への影響はどうなのか?ですが、この点に関しては不明、分かりません。


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