米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

3/22「預金は全額保護」イエレン米財務長官発言で安心感...

 3大株価指数が当初予測値から大きく続伸して終えました。米金融当局が金融システム不安の拡大防止策を続けるとの観測が強まり、投資家心理の改善に繋がりました。金融株や景気敏感株など幅広い銘柄が寄り付きから上昇、VIX恐怖指数の急降下が印象的です。


  • ダウ工業株30種平均は、前日比316ドル02セント(0.98%)高の3万2560ドル60セント
  • ナスダック総合株価指数は、前日比184.571ポイント(1.58%)高の1万1860.109
  • S&P500種指数は、前日比51.30ポイント(1.30%)高の4002.87

『必要となれば、米国の金融当局が緊急対応に動く』安堵感・・・

 イエレン米財務長官が21日の朝、米国銀行協会のイベントに出席して「銀行危機が悪化すれば預金をさらに保護する用意がある」と述べるなど、『必要となれば、米国の金融当局が緊急対応に動く強い意志』を前面に出したことで、株式市場の不安感が一応、鎮静化したように見えます。


3/22「預金は全額保護」イエレン米財務長官発言で安心感...2

(イエレン財務長官、パウエルFRB議長、ジェイミー・ダイモンJPモルガンCEO)

明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、0.25%の利上げを織り込む...

 株式市場では、21-22日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げを織り込む動きが主流となっています。そして、市場関係者は、終了後の参加者らの政策金利見通し、パウエル議長の記者会見の内容を慎重に見極めて、決して表には出さない『FRBの腹の内』を以前にもまして探りたがっています。
 兎にも角にも、今日の株式市場動向は、FOMCの前日にも拘わらず、急伸した米国株式市場は「悪夢のような米銀破綻を過去の物語」に置き去るような勢いであったことは、疑いようもなく確かでした。明日、今日の反動がなければ続伸します。

FRB議長の苦悩...

 『利上げでインフレ退治を続けるべきか、金融システム不安を払拭するために利上げを見送るべきか。』今回の判断は、FRBの長い歴史を通じても最大級の試練でしょう。判断を下したのち、市場が左右上下どのように動くのかを見極めなければなりません。
 後日、必ずコメントを求められるので、その時々のことを考えると「説明し易い判断と決断事由」に落ち着くことが十分有り得ます。そして、パウエル議長は今回の重要な判断を「誤る」と踏んでいます。この人、大事な局面で頼りにならないからこそ、議長へ登用されているのですから・・・。

シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻に際して

 これら銀行が破綻した問題の本質は、銀行が預金の引き出しをカバーするため、含み損を抱えた債券等を売却せざるを得なかったことにあります。安全とされる固定金利国債の評価損、これが実損に替わって銀行破綻となったのです。これを解決しない限り、再発が確実に起こります。米国では今回の銀行破綻に関連して、議会や議員達が動き始めています。次の日経新聞の記事を引用すると...。インフレどころの騒ぎではありません。

 (中略)興味深いのはSVBのグレッグ・ベッカー前最高経営責任者(CEO)が、破綻直前までサンフランシスコ連銀の社外取締役を務めていた点だ。

 銀行を監督する規制当局の取締役に規制対象の銀行経営者が就くことは利益相反につながらないのか。デイリー氏が問題を見つけられなかったことと併せて、銀行監督体制の欠陥が浮き彫りになった。


 エリザベス・ウォーレン上院議員はこのほど、財務省の銀行審査官や米連邦預金保険公社(FDIC)、FRBに書簡を送り、SVBとシグネチャー・バンクを破綻させる要因になった銀行監督の対応の不手際を調査し、30日以内に議会に提出するよう求めた。

 議会は今後、2018年に緩和された中堅銀行への規制を再び強化する法案を検討する可能性もある。預金取り付けリスクが他の地銀にも広がる懸念があるからだ。


 FDICの保険対象外の預金全体の50%が引き出された場合、全米の銀行190行が払い戻し不能に陥る可能性がある――。

 南カリフォルニア大学やノースウェスタン大学の研究者がこのほど発表した緊急論文でこんな結果が明らかになった。イエレン財務長官が預金保険の対象を拡大する可能性を示唆したのはこうした背景もあるようだ。


 インディアナ大のフーサー准教授は「パウエル議長がもっと早く利上げに動いていればSVBの資産運用リスクもこれほど深刻化しなかったはずだ」とみる。

 22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では金融政策の中身に加え、銀行監督当局としてのFRBの対応に批判が集中しそうだ。

(日経新聞 2023/3/22 5:53)

Google、対話AIを米国と英国で一般公開...

 米グーグルは21日、対話人工知能(AI)サービス「Bard(バード)」の試験版の一般公開を米国と英国で始めたと発表しました。米オープンAIのChatGPT(チャットGPT)が注目を浴びるなか、一般の利用者に使ってもらうことで機能改善のスピードを速めたい考えのようです。そして、話題になったのが、同社幹部が語った次のフレーズです。

  • (Bardの基盤となる)大規模言語モデルは素晴らしい技術だが、自信満々に間違うことがある。

 同グーグル幹部は「大規模言語モデルは検索の補完」と説明し、Bardと検索を連動させる考えを示しました。
 Bardは回答する際に複数のドラフト(下書き)を示し、利用者が内容を見比べながら選択できるような仕様になっていて、文章の作成支援や要約も可能、同日の発表文もBardの機能を使って作成したと説明しています。

Adobeも画像生成AIを試験公開・・・

 デザインソフト最大手の米アドビは21日、簡単な文章をもとに画像や装飾文字を生成する人工知能(AI)の試験公開を始めたと発表しました。ますます、技術に秀でた「個人技術者の排除」が進みそうです。
 文章や画像を生成するAIをめぐっては、米マイクロソフトも21日に検索エンジン「Bing」でのチャットを介して画像を作れるようにしています。
 米グーグルも米国などで「ChatGPT(チャットGPT)」の対抗サービスにあたる対話AI「Bard(バード)」の試験公開を始めました。メタにも同様の動きがありますし、IBMも黙ってはいないでしょう。
 共産主義国の中国は、自国批判文書の自動生成を恐れていて、今回の大波に乗れず、没落するのは明白です。

MYポートフォリオ

 インテルを再度拾ってみました。マイクロソフト社とタッグを組んでいた時代を思い出して、30ドル未満の株価、ひとり置いてきぼりを喰らっているインテル株、イスラエル民族の底力に期待です。

編集後記

 同類の米地銀とみなされた銀行株に対して「怒涛の売り」を仕掛けている投資家達は、さぞ忙しい日々を送っていることでしょう。大手なら、コンピュータの自動売買ですから放置で問題ないですが、旧来のキーボード操作でなら、こりゃ忙しいことでしょう。
 売りの反転・買いの反転が、余りにも早過ぎることです。一瞬でも目を離せば反転している、なんてことは今回の米銀破綻時に何度も見かけました。保有している他銘柄に対して仕掛けられることもありますし・・・。

米金融機関の破綻を株価で判断できない理不尽さ・・・

 今回の米地銀の破綻劇、大勢の株主は当該保有株を売却できる機会すら与えられずに『頓死』となりました。SVBなんて前日終値106ドルの取引値を最後に、市場売買を停止されたまま翌日に火葬場へ直行でした。一株100ドル超の上場株式が一瞬で紙屑になるなんて、誰が思い巡らしますか?
 小狡い奴は朝方の「時間外取引市場」を利用して、半値以下で急ぎ売却したようですが、こんなの公平ではありません。「権利意識の高い米国、整備された市場」との評判は本当なのか?と思わざるを得ないです。マスコミもダンマリ、投資家の声を代弁してくれる方や公的機関も見当たりませんし…。


3/22「預金は全額保護」イエレン米財務長官発言で安心感...9