米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

9/14 株価暴落! 市場は「一人芝居」の挙句に頓死する...

 13日朝方発表の「8月の米消費者物価指数(CPI)」が、市場予想を上回る上昇率となり、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒が強まりました。長期金利はすぐさま上昇、一時3.46%と約3カ月ぶりの高水準を記録しました。そして、お決まりどおり『株価下落の祭典』が始まったのです。


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米国株は、真っ逆さまを一気に転げ始める・・・

 代表的な指針であるダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落して始まり、下げ幅は1300ドルを超える場面がありました。ナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに大幅反落、下落率は5%を超えます。特に、ダウ平均値は代表的な大型株なので比較的下落し難い銘柄です。この範疇に入らない他銘柄の下落は半端じゃありません・・・。


8月の米消費者物価指数(CPI)の内容...

 通常であれば、さほど注目されないCPIです。しかし、8月のCPIは、秋以降の利上げに大きな影響を与えるという思い込みが市場関係者を支配して、結果は前年同月比8.3%の上昇となりました。これは7月(8.5%)から減速とはなりましたが、市場予想(8.0%)を上回ったことで、筋書きが吹っ飛んでしまい、関係者は大きなショックを受けたのです。

見込みどおり、秋冬以降も金利の引き上げが続く...

 物価の基調を測る上で重視される「前月比」は、市場予想(0.1%の低下)に反して0.1%の上昇となりました。この『0.1%』が平均株価を急落させた張本人です。
 20~21日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.75%の利上げが確実になるだけでなく「1.00%案」も浮上、秋冬に向けて一段と「利上げ警戒感」が強まりました。

「ようやく物価が落ち着き始めた」は間違い...。一人芝居で頓死する!

 市場関係者は、インフレ下に居る自分たちが「単に物価高に慣れた」だけなのに、「物価が落ち着き始めた」と勘違いして、8月のCPI値が良好になると思い込んだ結果なのです。
 まさに、『人間は慣れる動物である』ことを忘れてしまい、一人芝居を演じて株価を高く買い上げ、挙句の果てに、みんな仲良く『頓死』したのです。

9月14日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに急反落、前日比1276ドル37セント(3.9%)安の3万1104ドル97セントで終えています。下落幅・下落率ともに今年最大でした。ダウ平均を構成する全銘柄が下げています。
 ナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに下落、前日比632.837ポイント(5.2%)安の1万1633.574で終了しました。こちらも下落率は今年最大です。


高物価が米経済に定着しつつあることを、浮き彫りにした...

 朝方発表の8月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る上昇率で、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速を警戒した売りが一気に強まりました。そして、再び、急激な利上げが「米景気悪化」につながるとの見方から幅広い銘柄が売られたのです。いつもの年中行事の如くです。暫く、上下に株価変動を交えながら、落とし処を計ることでしょう。

米政府は中国による台湾侵攻を阻止するため、対中制裁を検討...

 ここ半年ほど、好戦的な米国の真骨頂が至る所で見られます。ウクライナ・ロシアの次は、台湾・中国に狙いを定めたようです。ロイター通信が「米政府は中国による台湾侵攻を阻止するため、対中制裁を検討する」と報じました。このような時は、地政学リスクが高まるとの懸念が投資家心理の悪化に更につながったようです。

国外へ米国有権者の目線を誘導?

 国内で不人気のバイデン政権は、秋の中間選挙前に、国外へ米国有権者の目線を誘導しているように感じるのは、私だけでしょうか? しかも、表面上は悉く成功しているように見えてしまいます。暫く、物価抑制を錦の御旗に、株価を落として「下層民の救済と富裕層への叩き」を続けることでしょう。

強力なドル高・円安が出現する・・・

 8月の米消費者物価指数(CPI)前に、「円高」へ値を上げつつあった「ドル/円為替」でしたが、同指数の発表後、一気に144円台/ドルへ急落しました。今日、日本市場で145円台への突破は確実と見られていますが、どうでしょうか?

口先介入ぐらいが精一杯...

 今週は、147円台/ドルまで視野に入るでしょう。噂されている財務省の為替介入ですが、あるとしても、今日・明日に行うのは無理筋ですし、日銀の金融政策の一部変更も間に合わず、暫くは、政府高官・政治家の口先介入ぐらいが精一杯でしょうか?

米国政府、原油価格80ドルを下回る水準で石油備蓄の補充...

 バイデン政権は、「原油価格が1バレル80ドルを下回る水準になれば、市場へ放出した石油備蓄の補充のため、原油購入を検討する」ことを、高官筋の話として報じられました。
 このことで、ドル高・債券高・金利上昇・株安の最悪の中でも、WTI原油先物価格は比較的堅調な価格推移を見せています。

編集後記

 ここまで「ダウ工業株30種平均」が売られて値下がるとはホンに想定外です。欧米の投資家は『買う時は買いまくり、売る時は徹底して売る』をハッキリと行動・態度に示すので、ある面で分かり易くすっきりします。しかし、売りは一日では終わらないと云いますから、今週末に向かって厳しい日が続くことでしょう。
 なお、世間では「今日のような株価下落を暴落」と称しますが、昨今の株価上昇を帳消しにしただけなので、厳密な意味の「暴落」ではないでしょう。

 米国株投資家は、投資ドル資金を手持ちの円貨からドル転する必要があります。今のような「円安」状態で厳しいです。必要以上に円貨を用意しなくてはいけないので・・・。
 たまたま、私は142円台/ドルで8千ドルをドル転していてラッキーでしたが...。暫く、1ドル140円台を切ることは難しそうです・・・。
 MYポートフォリオは、下記のブログ第二弾で公開しています。


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