米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

10/07 米国債利回り急上昇、円安(145円)が再熱した...

 案の定、米国時間の7日に発表が予定されている「9月の雇用統計」を前にして警戒感が強まり、日本時間7日午前5時過ぎには、次のように投資家は手持ちのポートフォリオを修正して、組み替えた模様です。

  1. 『米国債10年利回り』が対前日比+1.72%の3.824%まで上昇(債券売り)
  2. 『ドル/円為替』が145.111円/ドルまで下落
  3. 『WTI原油先物』が対前日比+1.42%の89.05ドルまで上昇

株価上昇への懸念材料

  • 昨日、9月『米ADP民間雇用者数』が20.8万人増と公表され、7日の『9月の雇用統計』データを織り込んだこと。
  • 昨日、OPECプラスが200万バレルの原油減産を決定したことで、インフレへの追い風が強くなったとの認識が広まったこと。
  • 依然、FRB高官から「インフレ対策に関する勇ましい発言」が続いているので、経済状況や株式市況の悪化より「インフレ抑制」の姿勢に変化が見られないと、株式市場が再び織り込んだこと。
  • 今週、2日間の続伸でダウ平均が1500ドル超の上昇となり、7日の発表前に一旦「利益を確定する売却」が盛んになったこと。

残すところ、24時間程・・・

 今週始め2日間、米国市場の爆上げは『行き過ぎ』と見ていますので、今日の株価下落は至極もっともです。明日の株価調整(下げ)も然りの範囲内でしょう。
 雇用統計を巡っては、市場予想より強い内容なら大幅利上げ観測が再燃し、株は売り圧力が強まるとの見方は、誰でも考え付くものです。
 個人的には、連れて、原油先物価格も下げるのか否かに注視しています。何故なら、米国株、米国債券利回り、ドル高の動向には「もはや新鮮味がない」からです。

敢えて、新鮮味を出すなら・・・

 ここに敢えて、新鮮味を出せというなら、米国株へは「ダウ平均1000ドル超の下落」ぐらいのインパクトは必要だろうし、米国債券利回りなら「4.00%超の利回り」、ドル高なら「146円台半ば/ドル」ぐらいを記録しないと、話題にもならないと思います。

10月7日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続落、前日比346ドル93セント(1.1%)安の2万9926ドル94セントで終えました。ナスダック総合株価指数も続落、前日比75.327ポイント(0.7%)安の1万1073.327で終了しています。
 週前半に大幅高となった後であること、7日に「9月の米雇用統計」発表を控え、持ち高調整の売りが優勢。米長期金利の上昇も株式の相対的な割高感となってようです。


原油減産、米国とサウジ(代理戦争)の深まる溝...

 OPECプラスが原油生産で1日あたり200万バレルの削減を決めたことは、米国とOPECプラスの盟主サウジとの確執が表面化したことに他なりません。何故なら、サウジのバックには「ロシアの存在」が大きく立ちはだかっているからです。
 米国主導で発した『OPECプラス加盟国ロシアへの経済制裁(村八分制裁)』が、米国の気分次第で自国へも投げかけられる懸念が根強く、OPECプラス加盟国が米国へに対して大きく反発しているからです。


2022/10/07 原油減産に、米国とサウジの深まる溝

 再三申し上げているとおり、米国とサウジの確執を掘り下げると『サウジ対米民主党(ネオコン)』の争いであり、ロシアが大国から転げ落ちた今、原油・天然ガス争奪戦が世界で始まったのです。原油価格を大きく下げたい「米国」、産油国のパワーを示したい「OPECプラス」の綱引きは今後注視です。

  • オバマ政権で駐イエメン大使だったファイアスタイン氏は大幅減産をめぐり「米国は、サウジが米経済を脅かす攻撃的行動に出たとみるだろう」と指摘する。
  • バイデン政権は人権侵害に厳しく対処するだけでなく、イラン核合意復帰や脱炭素社会への移行を推進してきた。いずれもサウジをはじめとする中東産油国が受け入れにくい政策だ。
  • ブッシュ政権(第43代)のホワイトハウスでエネルギー政策を担当したマクナリー氏は「バイデン政権下で中東に対する米国の影響力が下がり、ロシアと中国の影響力が上がったというのは妥当な評価だ」と分析する。

GS、WTI原油先物価格(3月期)を1バレル110ドルへ引き上げ...

 米ゴールドマン・サックスは5日、2023年1~3月期のWTI原油先物の見通しを10ドル引き上げ、1バレル110ドルとしました。
 中東産油国は08年のリーマン・ショック時のような「原油価格の急落を警戒」しているとみられ、原油高を維持するため、一段の減産に踏み切る可能性は否定できません。

ロシア、産油国同士の連帯を誇示...

 ロシアのノワク副首相は2年半ぶりの対面開催となった今回のOPECプラスの会合に出席し、産油国同士の連帯を誇示しました。ロイター報道によると会合後、ロシア産原油の価格上限について「市場メカニズムの侵害だ。我々は減産の準備ができている」と、余裕を見せたとのことです。

MYポートフォリオ

今は大人しく静観姿勢が大事です。特に、対処法など存在しません。


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編集後記

 10月はFOMC(公開市場委員会)が予定されていないので、バタバタ騒ぐ必要はありません。臨時会合の可能性は否定できませんが、そこまでの緊急性は感じられません。であれば、デント構えて置けばいいものを、「おまんまの食い上げ」とばかり騒ぎ立てる彼奴等が何と多いことか・・・。


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