米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

10/06 OPECプラスは米国と決別、米国は中東での橋頭堡を失う...

 5日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる『OPECプラス』は閣僚級会合で、11月の原油生産ペースを10月に比べて日量200万バレル減らすことを決めました。2020年3月以来、およそ2年半ぶりに対面での開催でした。

中東における米国の影響力が大幅に後退...

 減産幅は、新型コロナ禍の経済活動縮小に対応した2020年4月会合の1000万バレル(18年秋比)以来の大きさとなります。
 米国のバイデン大統領は、今回の減産に対して「OPECプラスが近視眼的な決定をしたことに失望している」と言及して、嫌悪感を強調しました。
 大統領は、会合前から減産反対の意向を示していましたが、サウジアラビア主体のOPECプラスは自らの利益死守を優先したのです。米国は、もはや中東での足場を失っていて、コントロールできなくなっています。

2022年7月のサウジ訪問でバイデン米大統領はムハンマド皇太子と拳を合わせ、内外の非難にさらされた

OPECプラス、1バレル90ドル超を価格維持ラインに設定?...

 WTI原油先物価格は世界経済減速への懸念から、9月下旬にはおよそ8か月ぶりに1バレル80ドルを割り込んでいました。大幅減産の実施で原油価格が上昇すれば、8~10%のインフレが続く米欧で、さらに物価上昇圧力が強まる懸念が出ています。
 しかし、原油価格が高値でもあっても安定さえすれば、「原油安による売り圧力が消えること」で、株式市場へはプラス面が浮上します。OPECプラス諸国は、1バレル90ドル超を価格維持ラインとして目論んでいるかのようです。

米国、新たに1000万バレルの石油備蓄を放出...

 ガソリン価格を抑制するため、バイデン大統領の指示のもと、米国は新たに1000万バレルの石油備蓄の放出を11月に実施すると発表しました。先般の放出済み分を補充する前に、再放出を余儀なくされるのです。
 11月8日(火)実施の中間選挙直前でもあるので、米国内ガソリン価格が値上がって来ると、政敵に何と攻撃されるか分からないので、バイデン大統領や民主党も必死です。

米ADP民間雇用者数、9月は20.8万人増

 前月の雇用統計が発表される2日前にいつも公表される『米ADP民間雇用者数』では、予測数値に近い「9月は20.8万人増」となった模様です。
 これを受けて、米国株式市場の強い反応は見られませんでしたが、7日発表の『9月の米雇用統計』結果を見極めたいとの雰囲気がより一層強くなり、株式の買い手控えに繋がったようです。またしても、FRBの大幅利上げ継続観測が再燃し始め、市場は一旦【売り】で応えました。

  • 引き続き、雇用状況は好調を維持している模様。
  • ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は20万人増。
  • 前月は18万5000人増(速報値13万2000人増)に上方修正。

米住宅ローン金利、6.75%へ更に高騰...

 米住宅ローン金利は7週連続で上昇、16年ぶりの高水準となっています。30年物固定金利は6.75%、これは前週から0.25ポイント近く上昇です。
 このため、住宅ローン申請指数は、前週比で14%超のマイナスと落ち込み、新型コロナウイルス禍(最悪期)以来の大幅な低下を記録しています。

英国の主要住宅ローン金利も6%超に高騰...

 同様に、ポンド安で英国不動産市場は新型コロナウイルス禍以降、長く活況を呈して来ていますが、昨今の英国債券の大幅増発で長期金利が上昇、約14年ぶりの高水準となる「住宅ローン金利6%超」を記録した模様です。


2022/10/06 英国の主要住宅ローン金利も6%超に高騰...

  • 2年固定型住宅ローン平均金利は6.07%(2008年11月以来)、5年固定型も6%(2010年2月以来)に迫る。
  • トラス政権の大型減税発表後、金利上昇止まらず-家計逼迫強まる。

 ブルームバーグ・エコノミクスが先週試算したところによると、この金利上昇で2年固定型住宅ローンの平均的な月当たり返済負担は、1325ポンド(約21万7000円)に増加します。昨年は同725ポンドでした。

数字以上に、日々の暮らしが厳しい...

 こうしてみると、今の米・英・欧州では、半端なく食料品・住宅・ローン金利・公共料金などが高騰、十分な資産や貯蓄がない場合、暮らしていくのは非常に厳しい・・・。いつまでも他人事でいられる程、日本も甘くはないでしょう。借り入れはご法度、要注意です。

10月6日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落、前日比76ドル18セント安の3万0240ドル14セントで終えています。前日までの2営業日で1590ドル上げた後で、目先の利益を確定する目的の売りが優勢となった。ナスダック総合株価指数も3営業日ぶりに反落し、前日比71.22ポイント安の1万11105.18で終了しています。


終盤にかけて急速に値を下げる...

 ダウ平均は取引時間中に上昇に転じる場面もありましたが、9月の米雇用統計の発表を7日に控えて買いを手控える市場参加者も多く終盤にかけて急速に値を下げました。

今、堅調な経済指標が発表されると、株は売られる...

 朝方発表の9月のADP雇用リポートで非農業部門の雇用者数の増加幅が市場予想を上回り、労働市場の強さが示されました。
 米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測がひとまず後退。米長期金利が3.7%台と前日終値(3.63%)から上昇したこともあって、株式が値を下げました。
 今や、反教科書的な動きが市場で見うけられるので、良い子は決してマネをしないようにしましょう。

MYポートフォリオ

 3日連続の資産増加は久し振りです。ここまで一気に株価が駆け上がってしまうと、追加購入するのに出遅れた方は、ヤキモキしていることでしょう。でも大丈夫、そう簡単には元の株価に戻ったりはしません・・・。


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編集後記

 『元凶はインフレ』を錦の御旗に、FRBは金利を引き上げまくっています。米国が金利を上げると、対外的に諸外国の通貨に対して「ドル高」となるは必然。すると対に位置する諸外国通貨は「自国通貨安 = 資金の国外流出 = 輸入物価高騰」の図式が出来上がるので、自国通貨安を打ち消す意味からも「金利引き上げ」を行わざるを得なくなります。

欲しがりません、勝つまでは・・・

 時と共に、見渡せば世界の国々が高金利ワールドに染まっていきます、日本以外は...。人為的に金利上昇、債券と株式の下落を強力に押さえている日本では、諸外国で起こっているこれら高騰も他人事。まさに、東洋の神秘の国、日本の面目躍如たる所以ですが・・・。

米国は、中東における橋頭堡(きょうとうほ)を失ってしまった...

 米国というより、「米国民主党政権が中東における橋頭堡(きょうとうほ)を失ってしまった」と表現した方が、より正しいかもしれません。アンチ米国の台頭は、トランプ政権時代に行ったイスラエルとの友好の懸け橋が功を奏しているのと、OPECとロシアとの合体連合が強くなり、敢えて「米国製の高価な武器購入が不要」になって来ていることが、とてつもなく大きいと思います。

ロシアは、大国の座から滑り落ちた?...

 今回のウクライナ争乱を見ても分かるように、ロシアが既に大国でなくなったことも、アラブ諸国にとっては付き合い易くなったのでは? そして、したり顔の経済制裁をロシアへ強いるなど、我が物顔の米国・ネオコン(新保守主義)に対して、アラブ諸国のアンチテーゼが強くなって反米感情が高まっている・・・。


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