米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

8/20 高配当を義務付けられた「タバコ銘柄」...

 嘗てのFⅠレースは「マールボロ」等のたばこ広告がレーシングマシンにペイントされていて、タバコ企業がレース後援企業として幅を利かせていました。次のような車体広告をポスター等で、ご覧になった方が多数いらっしゃることでしょう。


嘗てのFⅠレースたばこ広告

現在、タバコ広告は厳禁...

 今や、日本を含めて世界中で「反喫煙」がWHOを主体に目くじら立てて騒がれているので、公の『タバコ広告は厳禁』となりました。そもそもタバコ産業は独占・寡占業界ですから、新規企業の参入はかなり困難です。
 人口の多い中国はアヘン禍の過去もあって、外国企業の参入を制限しています。インドもまた然りです。ロシアなどは日本たばこ産業が市場シェア№1を維持している始末です。

たばこメジャー(国際たばこ資本)は、多国籍企業の代名詞...

 フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、日本たばこ産業はさしずめ「たばこメジャー(国際たばこ資本)」に区分されることでしょう。
 エクソンモービルやシェブロンなどの国際石油資本(「石油メジャー」)の向こうを張って「たばこメジャー(国際たばこ資本)」が、各国のたばこ産業を配下に収め、電子タバコや加熱式タバコを含めて系列化している状況です。

米国市場で投資可能なタバコ銘柄(企業)...

 現在、米国株式市場で投資可能な「主なタバコ企業」は、次のとおりです。3社は年4回支払いの高配当銘柄です。なお、日本たばこ産業は年2回支払いです。

  • MO アルトリア 配当率 年7.89%
  • PM フィリップモリス 配当率 年4.98%
  • BTI ブリティッシュ・アメリカン・タバコ 配当率 年6.95%

 買収や合併が繰り返され、今や「日本たばこ産業(JT)配当率 6.34%」以外では、上記3社に世界のタバコ企業は集約された感があります。これら4社が事実上、世界を牛耳っています。なお、アルトリア(米国)とフィリップモリス(米国以外)は、同一資本の企業と考えても問題ないので、事実上、フィリップモリスが世界のリーダーに該当します。

味覚や嗅覚を変えると、消費者から叱られる

 タバコ企業は何も変えずに同じ味付けを続けて、淡々と品切れすることなく出荷することを強く求められています。万が一「味覚改善」など行った暁には常連客が離れてしまう危険性が強く、合理化の設備投資は必要でも「製品開発」に要する研究費が、売上高に比べて著しく低いのが特徴で『ぼろ儲け』の構図です。「たばこ企業は配当を支払う為に存在しているが如き・・・」と陰口をたたくアナリストも多数いるぐらいです。

「たばこ税の増税」に併せて、値上げが自由自在...

 昨今、各種の規制が厳しくなって、タバコ企業には気の毒であるという周りの声もありますが、私はそのように思ってはいません。例えば、次のような企業存続の懸念があっても、「政府や企業」はこれを逆手にとれるのです。なお、念のために申し上げますが、これら2者はガッツリの運命共同体です。
 フィリップ モリス、加熱式たばこの値上げを申請 「テリア」は580円→600円に:10月から - ITmedia ビジネスオンライン

  1. 「タバコ広告が打てない = 莫大な業務普及費を抑えられる」*独占・寡占業界なので、PRはそもそも不要である。
  2. 「各種規制が強くなる = 新規参入が事実上不可能になる」*新たな参入企業を政府自体が望んでいないので、利益総取りとなる。
  3. 「タバコ税が引き上げられる = 増税時に製品価格を値上げできる」*気兼ねせずに「タプル値上げ」できる。政府・企業とも互いに隠れ蓑となって、好都合である。

手前勝手な簡易分析でしたが・・・

 コロンブスの大航海を経た16世紀以降、嗜好品である「たばこ」は世界中に広まっていきました。今や、嫌煙派の方も多数いらっしゃるので「タバコ販売禁止」が実現しそうな雰囲気が出始めてきました。事実、米国では州単位で連邦政府より、更に厳しい規制が敷かれている都市があります。しかし、はなから各国政府にタバコ販売を禁止して、タバコ企業を廃業させる考えなど毛頭ありません。

故田中角栄元内閣総理大臣の呟き...

 ここで、故田中角栄元内閣総理大臣が残された『人は木の股から生まれてくるのではない』との言葉を、掻い摘んでご紹介して終わりたいと思います。

故田中角栄元内閣総理大臣


 日が昇って働き始め、日が暮れて家に戻る。子供を養い家族を守り、家族団らんに感謝。晩酌を交えて煙草を燻らせる。日々、これ坦々と繰り返す。あぁ、何と楽しからずや...。

8月20日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反落、前日比292ドル30セント(0.9%)安の3万3706ドル74セントで終えています。ナスダック総合株価指数は大幅反落、前日比260.127ポイント(2.0%)安の1万2705.215で終了しました。S&P500種株価指数は前週まで4週続伸、過熱感を指摘する声が強まっていました。



 米長期金利が一時2.99%と1カ月ぶりの水準に上昇したのも株売りを誘った模様。また、19日は2兆ドル(約270兆円)相当のオプション期日(清算日)でしたから、駆け引きが相当あったようです。寄り付き後、値下がりで始まったこともあり、「強気派」が『弱気派』に後れを取ったのではないでしょうか?

ひそかに進む守備固め(NY特急便)

 今朝の日経新聞に次のような興味をそそる記事が掲載されていました。

 19日の米ダウ工業株30種平均は前日比292ドル安の3万3706ドルで終えた。7月後半からの株高基調は崩れていないが、株式投資家がひそかに守備固めを進めているのには目配りしておく必要がある。

 ダウ平均は米国のインフレが天井を打ったとの見方からここ1カ月ほど強含んだ。米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩むとの観測が広がり、米景気の下振れ懸念が和らいだためだ。8月16日には4月以来の高値に浮上した。


 投資家は運用リスクを取る姿勢を強めたが、値動きの良さが目立ったのはむしろ業績が景気に左右されにくいディフェンシブ株だった。機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数をみると、業種別では電力など「公益事業」が18日に年初来高値を更新。昨年末比の上昇率は19日時点で8%だ。全11業種のうち、今年上昇しているのは原油高の恩恵を受ける「エネルギー」を加えた2業種しかない。


 同じくディフェンシブ業種の「生活必需品」は昨年末比1%安と、年初来でのプラス転換が間近だ。生活必需品でない裁量消費の「一般消費財・サービス」は18%安に沈み、同じ消費関連でも開きがある。

 米小売り大手のウォルマートが16日発表した四半期決算では、高インフレのなか食料品など必需品を優先し、電子機器などへの支出を絞る消費者の姿が浮き彫りになった。(中略)世界の物価上昇圧力はなお強く、米国のインフレがピークアウトしたとの見方を揺るがしている。


 18日にはセントルイス連銀のブラード総裁が、高インフレについて「ウォール街の多くの人々が考えているよりも、もっと長く続くだろう」と指摘。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅について「私は現時点では0.75%に傾いている」との考えを示した。


 目先はカンザスシティー連銀が開く経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)に注目が集まる。8月26日にFRBのパウエル議長が経済見通しについて語る予定で、市場では「(金融引き締めに積極的な)タカ派的な内容になるリスクがある」(BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏)と警戒されている。大幅な利上げが続いて米景気が減速するとの見方が再び強まれば、ディフェンシブ株はさらに存在感を高めそうだ。

MYポートフォリオ

 円安傾向が強くなったこと、ボーダーフォン売り+カバードコール系ETF買いで「年間配当見込み額」が増加したことで、年間の配当額+分配額の計が、円貨換算額で1千万円(税込み)を初めて超えました。


8/20 高配当を義務付けられた「タバコ銘柄」...2

8/20 高配当を義務付けられた「タバコ銘柄」...3

8/20 高配当を義務付けられた「タバコ銘柄」...4

編集後記

 今年も10月1日付でタバコ税が値上げされ、タバコ価格が「たばこ税+α」円の値上げとなる予定です。今や、代表的な銘柄が何と一箱600円の時代です。
 私の新入社員時代を振り返ると、セブンスターが200円前半でした。喫茶店のランチ定食が750円(コーヒ付)位で、合わせると1,000円札でお釣りがあったのです。
 タバコ代600円をベースに昼食代を逆換算すると、何と2,250円までに跳ね上がります。ここ数年間のたばこ税の値上げが著しく、給与所得が追い付いていないのです。政府だけが消費税を含めて、税徴収で一人勝ちなのです。
 とどのつまり『怒れ庶民、立ち上がれサラリーマン』ですが、これをなだめすかせてデモをさせないためにも、労働者向けに『酒とタバコは必需品』なのです。

弱り目に祟り目

 老齢バフェット氏が存命中の最後の仕事として『エネルギー源の確保』に大きく舵を切ったようです。既に損保アリゲニー、ハイテクのアップル社、中国のEV大手比亜迪(BYD)等の諸々な企業を手中に収め、流通の要である鉄道に次いで、脱炭素の真っただ中で「原油と天然ガス」にも手を突っ込みました。バフェット氏の頭の中には、未来永劫に亘って繁栄を遂げるコンツェルンが如き、壮大な計画が立案されているように思えてなりません。

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