米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

9/16 あっぱれ!「財布の紐を締め過ぎない」米国の消費者たち...

 日本では体験できない超インフレが続く米国都市部。15日、アメリカ商務省は「8月の小売業の売上高」を発表しました。その金額は6832億ドル、日本円でおよそ98兆円となりました。前月と比べて0.3%増加、ほぼ横ばいとしていた市場の予想を上回ったようです。
 記録的なインフレが続くなかでも、米国の個人消費は比較的堅調さを保っています。常に貪欲な消費欲が米国人の特色です。子離れ・親離れの独立心を早く養い、昨今は貯蓄率も高くなってきています。それでいて、平均年齢は日本より10歳も低い…。人の一生涯とは、一体何だろうと思っちゃいます。

米住宅ローン金利が6%を突破(約14年振り)

 公然と政策金利の引き上げが議論される米国ですが、最も強い国民の関心事である「住宅ローン30年物金利」が6.02%に跳ね上がったと、米連邦住宅金融抵当公庫のフレディマックが発表しました。


 米住宅ローン金利が約14年ぶりに6%を突破した。米連邦住宅金融抵当公庫のフレディマックは、30年物ローンの平均が先週の5.89%から6.02%に跳ね上がったと発表。6%超えは2008年11月以来。今年の借入コストの急激な上昇は米住宅市場にブレーキをかけ、販売を抑制し、価格の伸びを鈍化させている。

 フレディマックは、「米住宅ローン金利は今週、予想を上回る消費者物価指数(CPI)の数字と伴に上昇し続けた。金利上昇は引き続き需要を減退させ、住宅価格に下押し圧力をかけるが、在庫(中古住宅)は依然として不十分の状態。このことは、住宅価格下落は続くだろうが、その下落幅は大きくはないことを示している」と説明している。

米住宅ローン金利が約14年ぶりに6%を突破=株探ニュース

 米国において住宅は資産であり、最後は捨て去る「消費財の範疇にある日本の住宅」とは異なります。買い替えのステップアップ売買で規模を拡大するのが米国の成功者の夢なので、黙々と30年間に亘って単一ローンを支払い続けることはないとは思いますが...。
 なお、私の経験値では35年ローン(日本の民間銀行)の3.80%が最高です。米国の6%は「お土産付き」の驚くほどの高利率です。

一連の経済指標は、強弱まちまち...

 この日、発表された一連の経済指標は強弱まちまちで、来週(9/21)の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合への株式市場の見方に「ほとんど変化はなかった」模様です。

  • 米国株は反落、S&P500種は7月18日以来の安値に沈む
  • 米2年債利回りは、2007年以来の高水準-長短逆転続く...
  • ドル小幅高、市場は来週の日米金融政策決定会合を意識
  • NY原油は急反落、85ドル台-世界的な需要不安が台頭したので?
  • NY金先物は3日続落、米大幅利上げ観測が重しとなる

 今日は、FRB高官の発言が禁じられる期間に既に突入しているので、「手持無沙汰」となった投資家達は「退屈しのぎ」にコソコソ売買を繰り返すのみでした。
 ドル・円の為替は、143円台半ばで終えました。日銀による為替介入懸念もあって、今の段階で無理に円売りを仕掛ける必要もなく、全てはFOMC以降に先送りしている感じがします。

米国の政策金利、次年度は4.5%近くのピークを迎える?

 現在2.25-2.50%の政策金利が、来年には4.50%近くのピークに達するとトレーダーらは見込んでいる、との報道がありました。この水準まで金利が上昇すると仮定すると、更に20%近い株価下落に繋がる可能性があると見られています。

米国の輸入物価、2カ月連続で低下中...

 米国のコア輸入物価は、これで4カ月連続の低下となりました。こうした動きはドル高の影響を反映しています。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は年初来で11%程急伸して、9月初旬には最高値に達した模様です。
 但し、米国外に目を転じるとインフレ圧力が高まっています。米国は本質的にドル高を通じてインフレを輸出していることに帰着するでしょう。更に、米国内で輸入物価が下がっているのは強いドルであること、外国為替で「ドル高」となっているためです。
 日本が米国とタイアップして、ドル高と円安の是正を進めるには、本件の事例で分かるように大きな障害となることでしょう。昔から、米国は自分が円の中心に位置するものだと考えるからです。

9月16日のトピックス

退屈しのぎの「取り引き」に終始...

 本日の米国株式市場は終了間際に多少の反発を見せましたが、3大株価指数は反落して終えています。

  • ダウ工業株30種平均は下落、173.27ドル(0.6%)安の30961.82ドル。
  • S&P500種株価指数も下落、前日比1.1%下げて3901.35、7月18日以来の安値に沈んでいます。
  • ナスダック総合指数も1.4%安。ナスダック100指数は1.7%安、主要指数に比べて下げが大きかったです。

お笑いタレントの「なかやまきんに君」の食レポ...

 コロナ禍明け、日本人観光客が徐々に戻りつつある米国のハワイ州。御多分に漏れず、米国の高インフレは観光地ハワイにも強襲しています。更に、日本人の場合は「強烈な円安による円貨換算と併せて、過去の記憶を消し去る程にハワイ物価が高騰」しているようです。
 お笑いタレントのなかやまきんに君が、現地のフードコートでハワイ物価を調査した記事があったので紹介します。


 (中略)訪れたのはハワイで最大級の広さを誇るアラモアナショッピングセンター。「食」にフォーカスして調査するため、フードコートに潜入する。いきなり驚きの数字が目に入る。カリフォルニアロール、寿司、丼ものは1900円~2500円。

 ステーキのプレートが約3500円という価格帯だ。きんに君は「こちらはみんなが入りやすいようなフードコートです。フードコートでこの値段ですよ」と驚き。

 さらに「日本だったら高級レストランでひれステーキのすごいお肉を食べるのと同じくらいの値段ですね」と口にした。(以下、略)

MYポートフォリオ

 アドビが大幅安となっていたことで、1株の新規購入を行っています。卓越した技術力と数多くの顧客層を持ち、世界に張り巡らした課金システムで安定した収入確保が続いている多国籍企業です。従前からお気に入り銘柄でしたが、何せ2020年以降は500ドル超の株価が続いていたので見送っていた経緯があります。
 このクラスはPERが高くて無配が定番、株価の上げ下げがジェットコースター的な動きであることも敬遠していた事由です。

アドビがフィグマ社を買収、約2.9兆円-アドビの株価急落...

 ソフトウエアメーカーの米アドビは、ソフトウエア設計を手掛けるスタートアップ企業の米フィグマを買収することで同社と合意した。買収規模は約200億ドル(約2兆8700億円)。

  アドビの15日発表によれば、買収は現金と株式50%ずつで行われる。ブルームバーグがまとめたデータによれば、株式非公開のソフトウエア企業の買収としては過去最大規模となる。アドビによるフィグマ買収については、ブルームバーグが先に報じていた。

  15日午前の米株式市場でアドビは急落。一時15%近い下げとなった。

  新型コロナウイルス禍で在宅勤務の人が増える中、フィグマに対する需要は急増。近年はグーグルや民泊仲介のエアビーアンドビー、オフィス家具メーカのハーマン・ミラー、消費財のキンバリー・クラークといった大手企業のソフトウエア設計者のほか、ゲームや地図などを手掛ける個人にも顧客層を拡大した。

  アドビはこの日、6-8月(第3四半期)決算も発表。売上高は13%増の443億ドル。調整後利益は1株当たり3.40ドルで、市場予想を上回った。アドビがソフトウエア設計のフィグマ買収へ-株価急落 - Bloomberg

(アドビ6-8月・第3四半期)
・1株利益(調整後):3.40ドル(予想:3.33ドル)
・売上高:44.3億ドル(予想:44.3億ドル)
  デジタルメディア:32.3億ドル(予想:32.4億ドル)
  クリエイティブ:26.3億ドル(予想:26.5億ドル)
  ドキュメントクラウド:6.07億ドル(予想:5.83億ドル)
・定額制サービス:41.3億ドル(予想:41.3億ドル)
・デジタルメディア部門の年間経常収入(ARR):134.0億ドル(予想:134.4億ドル)


(アドビ9-11月・第4四半期見通し)
・1株利益(調整後):約3.50ドル(予想:3.46ドル)
・売上高:45.2億ドル(予想:45.9億ドル)


9/16 あっぱれ!「財布の紐を締め過ぎない」米国の消費者たち...2

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編集後記

 アドビの購入に際して、フト「ソフトウエア銘柄へ」【食指(しょくし)を伸ばす】と【触手(しょくしゅ)を伸ばす】のいずれが正しい運用なのか、意味の違いと使い方への疑問が湧いて来たので、WEBで調べてみることに...。

  • 正しい言葉使いは【触手を伸ばす】であって、【食指を伸ばす】は間違った言葉の運用との結論でした。
  • 但し、有名な【食指が動く】は正しい日本語である、とのことです。
  • 【触手を伸ばす】の意は、「欲しいものを得ようとして働きかけること」です。
  • 【食指が動く】の意は、「ある物事に対し欲望や興味が生じること」です。

 なお、「条件を聞いて思わず食指が動いた」と「条件を聞いて思わず触手を伸ばした」に関して、主語や具体的な目的に拠っては、いずれも正しい言葉の運用となります。やっぱ、日本語って難しい。

更にここから、米国株式20%下落の懸念...

 米国では、シャカリキに金利引き上げ→景気低迷→消費(金回り)減退→株価下落の図式が透けて見えてきます。今でさえ、既に安値となっている銘柄も散見しますが、ここから更に平均20%程株価が下がるのであれば、こんな「嬉しい・有り難い」ことはありません。
 現在、税引きで年間5万ドルの「配当金+分配金」(再投資の資金)を用意できるので、私は「買い意欲満載の船出」状態です。
 唯一の懸念は、円安になり過ぎること。米国株安となっても円貨換算では左程変わらないのであれば、【意味ないじゃ~ん】で終わっちゃいますから・・・。

観光需要喚起策「全国旅行支援」の実施...

 いよいよ、別名「新型コロナウイルスを全国隅々へ隙間なく拡大させる支援策」に日本政府が取り組むとの報道がありました。ようやく、これで故笹川良一氏の悲願であった「全国皆兄弟」を実現できます。
 しかし、新型コロナが我々に与えた物心両面への影響はとてつもなく大きく、税金での支援があっても、観光バス数台を連ねる「企業による昭和後期+平成初期の慰安旅行・温泉復活」が望めない限り、個人手配ぐらいの単発旅行ではデメリット面だけが目立ってしまい、受け入れ側も疲労困憊するだけでしょう。
 ここで、元気のある「江頭 2:50」氏にでも旗振り役をお願いして、是非とも全国運動へ発展させられたら、異国人に頼る他力本願ではなく、日本の消費自体が増えるんですがね。

弱り目に祟り目

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