米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

9/17 フェデックス(FDX)ショックが、株式市場を覆い尽くす...

 米国の物流大手フェデックスの株価が20%超の急落(1980年以来、最大の下げ)を演じました。昨日、同社が景況悪化を理由に『2023年5月通期の利益見通しを撤回』したことに拠ります。早い話が、物流専業の多国籍企業が「自社の先行きさえも見通し難いので、一旦白紙に戻す...」としたわけですから・・・。アナリスト達も困ったでしょう。で、お決まりの「FDXを売り推奨」としたのです。フェデックス - Wikipedia


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株式市場へ激震が走る...

 金利引き上げで株式市場が足踏み状態であるところに、実経済の『物流に悪化予測』が加わったことで、怒涛の売りが見られました。
 株式市場が地合いの悪い時、同社は「景況悪化」で想定外の四半期決算内容を公開したわけですから、市場へ激震が走るのは当然の成り行きです。

United Parcel Service, Inc. (UPS)

 なお、米国内でのライバル会社である「United Parcel Service, Inc. (UPS)」の株価【176.71ドル-8.29 (-4.48%)】も、連想の連れ安となっています。UPSは国内貨物の比重が高いので一概、フェデックスと同じではないと思います。

S&P500種株価指数、更なる下落が続く?

 一瞬で、株式市場では、他業種や企業でも同様の動きが出ることへの警戒感が強まりました。この激震は、暫く【余震を伴って】続きそうです。ここから更に、S&P500種株価指数が【20%減となるリスク】が俄かに顕在化して来ています。もちろん「ダウ工業株30種平均」や「ナスダック総合株価指数」が逃げれる術もなく、同様の動きを見せることでしょう。

世界の貨物需要は、著しく悪化の兆候...

 フェデックスの四半期発表資料によると、6-8月期の調整後1株利益は暫定集計で3.44ドルと、アナリスト予想の平均(5.10ドル)を大幅に下回りました。
 同社はアジアでマクロ経済面の悪化に直面しているほか、欧州のサービス提供でも問題を抱えており、9-11月(第2四半期)には事業環境がさらに悪化する可能性があるとしています。正直に公表するのは良しです。騙し討ちはいけません。しかし…

これに、市場関係者は驚愕する...

 これに市場関係者は驚いた様子です。同社は6-8月期について、『需要と比べて高い営業経費が利益を圧迫した』と説明しています。そして、次のようなコスト削減で対応するとしました。

  • 一部航空機の運航停止
  • 勤務時間の短縮
  • 90カ所余りのオフィス閉鎖

 コロナ禍を過ぎて、「物流の要」であるフェデックスの直近3カ月決算がよもや落ち込み、更に次期四半期(9月-11月)も期待が持てずに坂道を転げ落ちる...と。ラジ・サブラマニアム最高経営責任者(CEO)は、自社の見込みを淡々と述べた訳ですから・・・。

インフレ下の各国経済へもイエローカード...

 このことは、同社の決算だけでなく、世界を取り巻く『物流ネットワーク』の悪化を示唆していることになるので、コロナ禍からの回復に順調と見られていたインフレ下の各国経済に、イエローカードを突き付けられたのと同様です。思った程に、インフレが猛威を振るう程に、景気が良くないの? 景気が下に向かっているのか?…

9月17日トピックス

 ダウ工業株30種平均は続落、前日比139ドル40セント(0.5%)安の3万0822ドル42セントと2カ月ぶりの安値で終えています。ナスダック総合株価指数も続落、前日比103.953ポイント(0.9%)安の1万1448.404で終了しました。



 物流大手フェデックスが15日夕に発表した決算の速報値と業績見通しが振るわず、世界景気や米企業業績の下振れへの懸念が強まっています。
 これに加え、いつもながらの「米連邦準備理事会(FRB)の急激な金融引き締め」懸念が台頭、米景気を一段と悪化させるとの見方が益々強まり、景気敏感や消費関連株を中心に売り一色となったようです。不安に感じたら『売り』が合言葉のようです。


GAFAM銘柄の踏ん張りが目立つものの、いつまで続くか?...

 優良銘柄への売りも散発ながらみられます。数カ月前と比べると、大分と株価も下がって来ていますが、底打ちを感じることはありません。
 GAFAM銘柄の踏ん張りを強く感じます。多い取引高が日々続いていますが、株価急落へ繋がっていないのは、株式の「所有所望」がユーザー間で強いのでしょう。
 例えば、グーグル株はピーク時から概ね70%まで下がっていますが、今の株安時点であっても【取引高を伴いながらも、強く踏ん張っている】感じです。この辺りを突破されると、一気に米国市場が崩れるので要注意です。

MYポートフォリオ

 右肩下がりの株式市場となってしまうと、楽しみが減って来ます。私なんぞ、入金された配当金や分配金を、再投資することだけが唯一の楽しみになっています。

これから値下がるのが確実なので、買い切れない!

 今から「下がる」と分かっている銘柄を買い進むにはリスクが多過ぎて躊躇します。購入チャンスはこれから何度でもあるので、急ぐことはない!との、思いが頭を擡げてくるのです。Googleなどが52週最安値に近づいているので欲しいのですが、これから下げて来るのが本番なので、買い切れないです。

  • 基準時の取得投資額が100万ドル一歩手前の、990,873ドルまで上昇して来ました。一区切りを100万ドルに置いていますから、もう少しです。
  • 配当等の年間見込み額が78,116.88ドル、円貨換算額で11,166,026円まで上昇。しかし、エネルギー価格が低迷し下げているので、やがて支払われる配当金等も引き下げられることでしょう。
  • 貰えるうちは、貰えるものを何でも貰って置きましょうよ。

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編集後記

 自社所有の航空機までを所有する「フェデックス」。 2000年に公開されたトム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』(Cast Away)の基になった企業です。劇中で主演の彼は、倉庫の生産性解決に世界中を飛び回るシステムエンジニアの役柄を演じています。

 今週も日々、ジリジリと下がる相場ばかりで『疲れ満載』です。株価下りが続くと、急ぎ売り払って、一目散に逃げ去りたい衝動が湧いてきます。しかし、ちょっと待て待て...。

自家製造の梅酒の如く・・・

 ここを我慢して、例えば、とても食べれない『若梅』でさえも低級なアルコール飲料と一緒に浸すだけで、大層な美味に変わるのと同じで、今が辛抱・我慢の時です。
 ここを過ぎると、浸した梅から芳醇な味が染み出て、安物のアルコール飲料までもが、高級な『梅酒』へ変異するから驚きです。これを楽しみに・・・。

機を見るに敏(きをみるにびん)な方へ…

 但し、世の中には、機を見るに敏(きをみるにびん)な方がいらっしゃいます。何をさせても早く、確実に目的地へ到達するが如くです。
 これを自認されている方は、保有株式を一旦売却して、安値の時に買い戻すことです。今や「値下がるのが鉄板」なので、確実に売買差益を抜け(得る)ます。ちまちまと我慢してやり過ごす事など、健康にも悪いので、今なら止められます。

弱り目に祟り目

 では、日本の3連休をお楽しみ下さい。

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