10/04 景気悪化の兆候を感じ、ひとまず株を買い戻し...
米国株は大きく反発して終了。こうなると、何故、米国株は値上がりしたのか? これがまだまだ続くのか? 個人投資家としては最も気になるところです。前月に遡ってチェックして見ます。なお、米10年債券利回りが大幅に低下したことで、ドル/円為替の145円台定着は先延ばしされました。
9月のダウ平均値が、下げ過ぎていた?
つまるところ、9月12日(月)に記録したダウ平均値の高値(3万2504ドル)から、9月末の安値(2万8715ドル)まで、僅か14日間の立会日で、下げ幅は何と3789ドル(下落率11.66%)に達していました。この下落額・率ともに厳しかったにも拘わらず『まだ底値は見えていない』との分析が、先週まで主流でした。
9月12日、NY連銀が「8月の1年期待インフレ率が5.7%」と発表...
9月12日(月)に発表されたデータが、7月の1年期待インフレ率6.2%から低下していたことが、市場参加者にとって追い風となり、翌13日発表予定の8月CPI(消費者物価指数)に対する『楽観論』が急速に広がりました。
こうなると、「乗り遅れ注意信号が、市場にけたたましく鳴り響く」ので、売り方の買戻しが強まり、9月12日の場中にダウ平均値の高値(3万2504ドル)を記録したのです。
9月13日、8月CPI(消費者物価指数)が「予測値と7月値」を上回る...
しかし、翌9月13日(火)、アナリスト達の予測値と前月7月実績値を、共に下回ると見ていた「8月CPI(消費者物価指数)」の内実が、予測に反して上回る結果となったことで、市場参加者が大きく動揺しました。この事が「株売り」に拍車を掛けたのです。
9月13日、インフレ指標として注目の「コアCPI指数」が高騰...
特に、FRB(連邦準備制度理事会)が、インフレ指標として注目している「コアCPI指数(変動の激しい燃料や食料を除いたもの)」が対前月比+0.6%の増加、これは7月の対前月比+0.3%をも上回っています。
更に、8月は前年同月比の比較でも+6.3%の増加、7月の前年同月比+5.9%から更に拡大して、今年3月以来で最大となりました。米国株式市場の命運が尽きた瞬間です。
9月13日、ダウ平均値が今年最大の下げを記録...
この結果、市場心理は一気に弱気に傾き、ダウ平均値は今年最大の下げ幅である1276.37ドル(3.94%)安を記録して、9月21日に開催終了となる注目の「FOMC(公開市場委員会)」を迎えたのです。
9月21日、FOMC会合の要旨公表・議長の記者会見...
市場参加者の心象としては、「パウエルFRB議長がタカ派へ転換した」と捉える向きが多いのですが、議長の主義・主張はさほど変わってはいないと、私自身は見ています。
市場における、今後のFOMCでの利上げ見込み値は、上限金利で11月が4.0%(0.75%の利上げ)、12月が4.5%(0.5%の利上げ)、3月が4.75%(0.25%の利上げ)・・・。これでほぼ固まった様子です。
何ともブルーな出来事で、これからの利上げによる長丁場を慮った「萎えた投資家心理」が一気に噴出して、これが「株売り」で応えたのです。
9月23日、英国の新政府と中銀のチグハグな対応が、混乱を招く...
英国中銀(イングランド銀行)が22日、10%前後のインフレを抑えようとして利上げを発表したにもかかわらず、英国トラス新政権が財政刺激策を発表するという、何ともチグハグな対応が市場へ伝わりました。
英国中銀は「国債売却を中止」して、真逆の「長期国債の買い入れ」を発表するという衝撃的なニュースが伝わり、市場混乱に拍車を掛けました。
月替わりでスタートラインに、市場参加者が再配置...
9月をざっと見るだけでも、いろんなことが起っています。混乱の元は『金融当局の金利の引き上げ』に尽きるのですが、その背景にあるのが『月単位で公表されるインフレ率や物価指数の低下傾向』となるのです。
事が起こる前に、買い戻したい症候群が擡げる...
前月からの低下が望ましいのですが、最低でも平行線を維持できることです。上昇となると、更なる金利引き上げが待ち構えているので、株は一斉に売られます。
最低でも、金利上昇のスピード低下が見込まれるデータ内容であれば、市場では『株買いの巻き戻し』が見られるのです。極論すると【株売りは基本であるが、事が起こる前には買い戻したい症候群が、市場では蔓延している】という事です。
10月の波乱の芽は、「9月の雇用統計」次第...
さしずめ、今日は10月の月始めでもあって「スタートラインの整備」が主目的だったようです。今週後半に発表予定の「9月の雇用統計」データの見込み値は、比較的落ち着き始めたとの見方も強く、お化粧買いが盛んであったのではと見ています。
10月4日のトピックス
ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発した。前週末比で765ドル(2.7%)高の2万9490ドルで終えました。S&P500種株価指数は2.6%、ナスダック総合株価指数は2.3%それぞれ上昇しました。
長期金利が大幅に低下...
製造業の景況感が市場予想を下回る悪化ぶりとなり、金融引き締めが一段と進むとの警戒が和らいだことで、米長期金利が低下。前週末にかけ売りが進んでいた株式相場で、短期的な上昇を見込んだ買い戻しが入ったようです。
先週(9/28)には、米10年債利回りが4.0%台を超えたか(債券売り)と思うと、今日は何の前触れもなく3.5%台まで大幅に低下(債券買い)するなど、何処の誰が、何のために動いているのかさっぱりと分からない感じです。
3大株価指数は大きく伸長...
しかし、この債券買い(利回り低下)を受けて、株買いが寄り付きから顕著に見られました。こうなると「月初め+週始め」でもあり、「流れに乗る」っきゃ無いのです。あれよあれよという間に、3大株価指数は大きく伸長してトレンドは『大幅な反発』となりました。
MYポートフォリオ
評価増加額が26,886.58ドル、日本円で3,757,196円増加しています。これは一日単位での過去最高額です。また、配当等の年間見込み額 82,169.14ドル、日本円で11,884,944円まで増加しています。
編集後記
世間では、『景気悪化の兆候を感じ、ひとまず株を買い戻し』ではなく、『景気悪化の兆候を感じ、ひとまず株を売却』が正しい表現になりますが、今のUSAでは、標題が正しいのです。景気が悪化すれば【金利の引き上げがなく、株価が上昇】するからに他なりません。
米国、秋の中間選挙...
米国における「秋の中間選挙」が11月後半の火曜日に投票を迎えます。4年に一度の大統領選挙ほどではありませんが、米国では「選挙はお祭りにも等しいもの」で、マネーが宙を舞うのです。
日本のように「政党交付金」なる税金を投入しているのではなく「寄付」で賄っているので、テレビコマーシャルを含めて、そりゃあ『派手』に人々は酔いしれます。こうなると、諸物価高騰を止める術はなく、12月は選挙準備を含めての物価データが出てきます。
選挙結果を受けて、民主・共和の議員バランス次第ですが、FRBに向けて陰日向に『金利施策に対する圧力』が自然と出始めることを、投資家達は期待しているのですが・・・。
英トラス政権が、最高所得税率引き下げを撤回...
混乱の中、「トラス政権が最高所得税率引き下げを撤回」とのニュースが飛び込んで来ました。与党内でも異論噴出で、議事が進まないとの報道がありましたので、市場にとっても喜ばしいことです。そもそも、トラス女史は「国民による選挙の洗礼」を受けていないので、決して無茶をしてはいけません!
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