米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

5/2 1ドル=137円台の今、米株は『買い』より『売り』...

 私事ながら、自宅不動産の購入をターゲットにしている今の私など、137円台の『円安基調』では、MYポートフォリオ保有株に関して売り基調で臨んでいます。
 これと云った「売りの理由」はありませんが、あの日本株でさえも思惑絡みで値上がって来ているので、今や【株式の宴たけなわ】であることは間違いないとの信条に拠ります。
 株式が値上がる時は原則売り時なので、『買い』より『売り』基調を強く示唆している昨今、【株式村のサークル外】に一歩出て眺めたい衝動に駆られています。
 滅多に現われない『利回り4.3%超のドル建てのMMF』に虎の子の資金を預けて、市場の動きをしばらく傍観します。

米国株市場のトピックス

不動産市場から逃避を始めた資金

 大手投資会社のブラックストーンが、世界の富裕層向けに提供している「700億ドル(約9兆6000億円)規模の不動産投資信託(REIT)」に対して、解約希望が比較的大規模に出ているようです。債券利回りが上昇中なので、至極当然の判断です。更に、不動産価格が値下がってから、再び仕込む魂胆なのでしょう。

地銀における不動産融資は、貸出比率が高い...

 3月も同様だったのですが、この種のREIT系は『解約制限』を設けるのが一般的です。この制限を「6カ月連続で行っている」(売り基調が半年も続いている)というブルムバーグの警告記事です。
 ブラックストーン云々よりも、不動産融資に傾倒している「中小地銀」の融資問題、預金引き出しが俄然としてクローズアップされます。特に、元金据置で「利子」だけを返済し続ける不動産融資が地銀の特徴でもあるので、これなど他行へ資産売却などが出来ず、大きな震源となりそうです。日本でも行われた「貸し剥がし」が発生することでしょう。

  「ブラックストーン・リアル・エステート・インカム・トラスト(BREIT)」では4月、投資家から45億ドルの解約請求があったと、同社は1日付の書簡で明らかにした。請求額は3月と同規模だった。BREITは13億ドルを換金した。これは請求額の約29%に相当する。


  書簡では、「BREITのポートフォリオは力強い長期的なパフォーマンスと着実な分配に向けた好位置を維持する一方、ポートフォリオの中核に質の高い不動産を位置づける分散化の利点へ、投資家のアクセスを提供すると当社では引き続き確信する」としている。


  ブラックストーンは発表文で、BREITは指数と比べて「力強い」パフォーマンスをこれまで示してきたと説明した。(ブルムバーグ 2023年5月2日 2:37 JST)

結局、破綻したファースト・リパブリック銀行・・・

 正に『出来レース(筋書きのある大根役者の寸劇)』とは、このことを云います。JPモルガン銀行がファースト・リパブリック銀行を吸収合併して更に巨大化。このような『棚から牡丹餅』を日本では【焼け太り】とも云います。一番損をしたのは誰だって? モチロン、紙屑化した株を持つ株主です。行き着く先は、いつでもどこでも変わりません。
 巨大な米銀両行の合併、遡ること1カ月程前のクレディ・スイス銀行の破綻・消滅と併せて、米国金融の雄「JPモルガン銀行」が、遂に世界の金融市場を抑えたことになります。


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JPモルガンCEO、乗っ取る気が満々のご様子だった...

 3月、JPモルガンのダイモンCEO(下記の画像)は、ファースト・リパブリック銀行へ数百ドル規模の協調預金を起こった際、「預金形式ではなくこれを銀行資本へ変換するも可」的な発言をヌケヌケと行っていました。
 当初から『乗っ取る気が満々』であった証拠です。ファースト・リパブリック銀行の資産規模は、昨年末時点で約2100億ドル(約28兆円)と全米14位でした。これをタダも同然(融資先はさほど不良ではない)でコロッと手に入れたのですから、ダイモンCEOの手柄、大金星です。三船敏郎主演「悪い奴ほどよく眠る」…。


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  JPモルガンは融資債権約1730億ドル(約23兆7000億円)と証券300億ドル相当、預金920億ドルを引き取る。JPモルガンとFDICはファースト・リパブリックの一戸建て住宅向けローンおよび商業用ローンからの損失と回収額を分け合う。FDICが1日早朝に発表した。


  ファースト・リパブリックは米史上2番目の規模の銀行破綻となった。米地銀の破綻としては3月上旬以降で4番目。(ブルムバーグ 2023年5月2日 2:04 JST)

5月2日米国市場

 ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落、前週末比46ドル46セント(0.1%)安の3万4051ドル70セントで終えています。FRCの買収が利益押し上げにつながるとの期待から、JPモルガン株は2%上昇してダウ平均の支えとなりました。
 これなど、所謂『FRCが人柱となった茶番劇の如く』です。ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落。前週末比13.986ポイント(0.1%)安の1万2212.598で終えました。



 今週内に、米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中央銀行(ECB)の理事会を控えていることもあり、米債券市場では米10年物長期金利が上昇しています。連れて、大幅な「円安」が出現しています。
 恰も、日本のゴールデンウィークで基幹市場の休場を見透かしたように。ハゲタカにとって、日本をシャツプル、かき混ぜる絶好のチャンスですからね・・・。

MYポートフォリオ

 冒頭で記したように、兎に角、『売り基調』で臨んでいます。円安が浸透すればするほどに保有株を減少させる腹積もりです。いつの間にか、ポートフォリオ構成でETF保有比率が46.77%まで上昇しています。ETFの保有は分配金重視の現れなので、得たドル建て分配金を「高利率のドル建てMMFで運用」するパターンを狙っています。


今、評価上の円貨純利益は1千万円を少し下回るぐらい・・・

 上記リストの「円換算損益額」欄を見ると、ポートフォリオ全体で純利益が992万円程出ています。「ドル高・円安」様様です。
 昨年は151円台までドル/円の為替が進行したので、数千万円の計上となっていました。年末にかけて大分と利確したこともあって、減少していますが、先月末辺りから再び利確し始めています。
 ドルを全て円貨に戻すことは無いにしても、株式から一旦ドル貨にしてMMF運用もグッドタイミングかなとも考えますし...。


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編集後記

 今日の米国市場では、ファースト・リパブリック銀行の破綻は当然のことと捉えられていて、微動だにしていません。既に、マネー第一主義の市場ハゲタカの関心・視線は、「次に破滅していく(させる)銀行」売り倒しに移っています。

  • Valley National Bancorp 7.53 ▼1.85 ▼19.72%
  • Citizens Financial Group, Inc. 28.82 ▼2.12 ▼6.85%
  • The PNC Financial Services Group, Inc. 122.00 ▼8.25 ▼6.33%
  • Glacier Bancorp, Inc. 31.26 ▼1.97 ▼5.93%

ざっと挙げるだけでも、出るわ出るわ・・・。次の彼奴だけが「一人勝ち」です・・・。

  • (参考)JPMorgan Chase & Co. 141.20 +2.96  +2.14%

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