5/4 自らの判断ミスを繕い葬り去る「パウエルFRB議長」...
パウエルFRB議長の1年以上前に遡る「インフレを巡るFRB解釈の推移」を時系列に並べて見ましょう。なお、主な発言内容と質疑応答は、それぞれの報道記事をご覧下さい。
長過ぎた「金融緩和の姿勢と低金利の維持」が、全ての発端となっています。そして、今でさえ「引き上げ続けられる米国金利」は、果たして正しい金融政策のか? 今一度、我々も考えてみましょう。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は2021年3月17日、米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に記者会見を開き「経済再開で消費が持ち直すにつれ、物価に上昇圧力がかかりうる」と述べた。ただ、その上昇は一時的であるとの見方を強調した。(日経 2021年3月18日 7:43)
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は15日も、インフレが「心地よくない」水準で推移する中で米経済への支援を続ける金融当局のスタンスについて、その正当性を主張した。
インフレ率の急上昇については、これまでのところは中古車価格など限定された分野にとどまっているとし、そうした価格上昇は一過性だとの見通しを改めて示した。
議長はそうした高インフレについて、「一時的なものにとどまる限り、それに対応するのは理にかなっていない」と述べた。
(ブルムバーグ 2021年7月16日 2:11 JST)
パウエル議長は11月30日、高インフレを「一時的」とする表現を事実上撤回した。粘り強い金融緩和を続ける根拠としてきた認識を改め、11月に始めたばかりの量的緩和縮小の終了を急ぐ意向を表明した。早期利上げも視野に、インフレ対応の自由度を高めることをめざす。
「『一時的』という言葉は人によって異なる意味を持つ。使うのをやめるべきだと考えている」。パウエル議長は11月30日の議会証言でこう述べ、「物価上昇のリスクは高まっている」と高水準のインフレが長引くことへの警戒を一段と強めた。
ほんの3カ月前、8月末の「ジャクソンホール会議」の講演で、パウエル議長は高インフレが「一時的」との説明に時間を費やした。その想定は狂い、10月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比の上昇率が5.0%と約31年ぶりに5%台に達した。パウエル議長は物価上昇圧力が「2022年半ば迄確実に続く」と明言した。(日経 2021年12月1日 14:04)
市場は、米CNBCが30人の市場関係者を対象に行った事前調査によれば、2022年6月に1回目の利上げが行われ、その後、2022年後半に2回、2023年にも3回、計6回の利上げを覚悟している。
この利上げサイクルで、最終的には政策金利が2%台前半まで上昇することになる。(豊島逸夫の金のつぶやき 2021年12月15日 11:57)
2022年3月に開催されたFOMCで、金利引き上げが決定されたことは論を待ちません。それ以降、会合の都度に爆上げされています。鋭い洞察力を持った元スイス銀行トレーダー豊島逸夫氏でさえ、回数や金利予測なるものは、現実と大きな差があります。この世に、ピッタリ当てる預言者など誰もいないのです・・・。
5月4日のトピックス
ダウ工業株30種平均は3日続落、前日比270ドル29セント(0.8%)安の3万3414ドル24セントで終えています。ナスダック総合株価指数も3日続落して、前日比55.178ポイント(0.5%)安の1万2025.328で終了。いつもの如く、発言の端々を掻い摘んで「タカ派だ。ハト派だ。」と煩いものです。
米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げを決定...
米連邦準備理事会(FRB)は、5月3日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを市場の予測どおり決めました。しかし、FOMC後に開催されたパウエルFRB議長の記者会見の内容が「タカ派的」と受け止められ、次第に株売りが優勢となったようです。最も、金利が引き上げらた日に、株式が値上がる市場など、基本的にないですから…。
再び、米地銀株に売りの波が押し寄せる...
株式市場では、「ウォール街は次に救済が必要な銀行はどこかと疑心暗鬼になっており、他の地銀が売り対象になりやすくなっている」との声が支配的です。今、パックウエスト・バンコープが破綻ターゲットの第一候補です。
MYポートフォリオ
大きく売られていた「ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス」を拾ってみました。この銘柄、配当貴族の称号をも得ている老舗株で、ダウ平均の構成銘柄でもあります。
編集後記
FRBが市中金利を0.25%引き上げた直後にも拘わらず、米10年物債券利回りが低下(債券買い)するなど「動作・意味が不明」です。これじゃ、来月も米金利引き上げが実施されるやも知れません。
高金利通貨の「米ドル」が、金融市場でメチャクチャ売られ、ゼロ金利を維持する「円」が買い進まれる。この『摩訶不思議さ』が、今の金融市場なのです。まぁ、長続きしないと思いますが・・・。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。