米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

5/11 実は危ない? ハイテク株とMMFへ逃げ込む『株資金』...

 米株式市場が開く前に発表された「4月の米CPI」は、前年同月比は0.1%ほど『改善』となったようです。たった0.1%ですが...。全体的には左程変わりばえしていません。
 こうなると、株買いを煽りたいマスコミは、発表前には「・・・比較的長期になりそうなFRBの高金利政策に備えたドル買いが見られる・・・」の論調が、CPI発表後は一転して「・・・年内の利下げを視野に、ドル売り基調となっている・・・」に取って代わる不節操な豹変さです。まぁ、よくあることなので笑って済ませ、次に進みましょう。

FRBが短期政策金利を引き上げたことに伴い、MMFの利回りも高騰中...

 5月3日、FOMC会合の結果でFRBが「短期政策金利」を引き上げたことに伴い、ドル建てMMFの利回り(2023/05/11現在、年率換算利回り、税引き前)が、次のように上昇し始めています。ここまで利率が上がると、米国銀行の普通・貯蓄預金からの転出が続出することでしょうむべなるかな...。

  • ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド 4.4870%
  • ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド 4.2440%
  • ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト 4.3130%
  • ゴールドマン・サックス 4.6180%

4月の米消費者物価指数(CPI)統計

  • 総合CPIは前月比0.4%上昇-市場予想と一致、前月は0.1%上昇
  • 前年同月比では4.9%上昇-市場予想5%上昇、前月は5%上昇
  • コアCPIは前月比0.4%上昇-市場予想と一致、前月は0.4%上昇
  • 前年同月比では5.5%上昇-予想と一致、前月は5.6%上昇

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 総合CPIの前年同月比の伸びは、約2年ぶりに5%を切り、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も若干ながら鈍化しました。マスコミの論調では、これは「米金融当局に利上げ停止の余地を与える」可能性がありますが、コテコテのパウエル議長の考えは不明です。

  • 報道によると、「米金融当局者が注視する狭義のサービス価格は、前月比での上昇率がもっと顕著に減速し、2022年半ば以来の低い伸びとなった。航空運賃やホテル宿泊費が低下した。」
  • 「物価の伸びは鈍化したものの、賃金の伸びを25カ月連続で上回ったまま。高インフレが家計を引き続き圧迫している証拠となっている。」
  • 更に、「4月CPI統計では、一連の利上げと最近の信用不安が経済全体に与える影響により、インフレが鈍化しつつあることが示唆された。とはいえ、物価全体では依然として高い伸びが続いており、雇用市場は堅調を維持している。」
  • アナリストは、「必ずしも安心できる内容ではないが、米金融当局者に6月の追加利上げを示唆させるほどの衝撃を与えるものでもない。」と指摘しています。
  • 「しかしながら、コアインフレ低下のペースが遅いことは、年内利下げの可能性がいかに低いかを浮き彫りにする。」とあります。うん、納得です...。

4月CPIの発表後の円高と米株減速・・・

 外国為替は「上がるか、下がるか」しかないので、4月CPI結果が予測値から0.1%改善となったことで、「米長期金利の低下 + 米ドル売り」が瞬時に見られました。しかし、FRBが目指す「年率2%」とは依然大きな隔たりがあるので、ここに焦点をあてる限り『利下げなど』は、検討に値する余地すらないでしょう。
 暫く、円高気味の傾向が続くことでしょう。しかし、近々、反転して『1ドル140円台への「円安」を目指す』との当初見込みは変わりません。私の持論は「米国のインフレ浸潤は深く広範囲に及び、簡単には剥がれない。」ですから…。

5月11日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は3日続落、前日比30ドル48セント(0.1%)安の3万3531ドル33セントで終えています。ナスダック総合株価指数は反発。前日比126.889ポイント(1.0%)高の1万2306.442で終えました。


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ごちゃまぜとなっている「マスコミのコメント」

 いわゆる、「米債務上限問題を巡る不透明感が根強く、株式相場の重荷となった。」との解説が幅を利かせていますが、今年初めての事でもなく市場スズメのたわごとです。
 更に、「米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化への警戒もあり、ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面があった。」ともコメントされています。
 FRBは、引き締めを短期で終える等の態度を今まで示したことが一度もなく、こんなことは短期で終えて欲しいとする市場スズメ達の「願望」です。

GAFAMを筆頭にハイテク株の踏ん張り...

 今日の米国市場は、GAFAMを筆頭にハイテク株の盛り返しで体裁を繕ったようなものです。有名どころ銘柄への買いが目立ったぐらいで、他銘柄は全滅です。資金は競ってMMFへ流れています。
 アナリストやマスコミが煽る「FRBの金利引き上げ、見送り、年内利下げの可否」では、株式市場が反応、動き難くなり始めています。これはこれで当然で、もはや「賞味期限切れ」間近で陳腐化しているからです。
 金融関連銘柄は依然として「株価の上げ下げ」を繰り返すのみでパッとせず、保険銘柄も「保有債券の評価損がクローズアップ」されて沈んだままですし...。実の所、煽りで持っているだけで、米国株は危ないのではないかと思えるぐらい、今の状態は「不安定」過ぎます。

MYポートフォリオ

 ドル建てMMFの総残高が40万ドルを超えました。計算上は税引き利息が1万4千ドル程(年間)発生する勘定です。また、本日付でBTI(ブリティッシュ アメリカン タバコ ADR)から配当金が入金されたこともあり、当該株へ追加投資を行っています。


編集後記

 中々狙いどおりに「相場という化け物」が動かないのはいつもの事ですが、上がるか下がるかの「2者択一」であっても「外す」のですから、情けないやら・・・。


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