米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

5/10 米株は「4月CPIの結果」次第。尚、見込みは悲観的...

 米国株は、5月2-3日のFOMC(0.25%の政策金利引き上げ)以降、株価がパッとしません。アナリストやマスコミは「これで金利引き上げが終了して、次からは引き上げ見送りに移行、秋頃には金利引き下げに向かう」と囃し立てています。


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  もともと、株式市場には元祖楽観論が渦巻き、諫める言葉として有名な『強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく』という格言があります。

  これは、米著名投資家ジョン・テンプルトンが発した言葉で、「株式市場は多くの参加者が悲観的になっている時が買い場で、逆に楽観的になっている時が売り場である」ということを言葉巧みに表したものです。

悲観や懐疑の中で、株式を買うのはリスクがある...

 昨今のダウ平均やナスダック総合株価指数の『株高』は、実現しない恐れもある「金利引き上げ見送りへの期待感」が高じて、昇り詰めているだけです。
 日本人のDNAに深く刻まれている「悲観や懐疑」の中では、米国株と雖も「思惑渦巻く株式を買う」ことには、相応のリスクがあるのです。

4月の米国消費者物価指数(CPI)の予測値は・・・

 現地10日(日本時間10日午後9時30分頃)に発表される4月の米CPIは、物価上昇率が前月の3月から「ほぼ横ばいになる」と見込まれています。
 しかし、5日に発表された「4月の米雇用統計は市場予想を上回る強さ」であったことから、4月CPIが期待に反して強ければ、「FRBの利上げの効果が薄い」との見方が俄然強まり、「金利の先高観」へとつながる可能性が逆に高まるのです。


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ロイター通信の調査によると、概ね3月と同程度・・・

 ロイター通信がまとめたエコノミスト調査値によると、「総合指数の前年同月比伸び率は5.0%」と予想されており、3月(5.0%)と同じになる見通しです。価格変動が大きい食品とエネルギーを除いた「コア指数の伸び率は5.5%」との予想値で、これは3月の5.6%からわずかに物価上昇が鈍化するとされています。
 株式市場のアナリスト達の見立て感は、かなりの期待感が込められていることも多いのですが...、さてさて、どうなるでしょう。

4月CPIの結果は、まず「ドル/円相場」から「債券市場」へと伝わる...

  • 4月CPIの結果が予想を上回る強さだった場合、利上げ見送り観測が後退して、ドル円相場には「円安」が出現し、米10年物債券利回りは上昇(債券売り)することでしょう。続く、米株市場は「下落」で応えるものと見ています。
  • 4月CPIの結果が予想を下回る弱さだった場合、利上げ見送り観測が勢いを得て、ドル円相場には「円高」が見られ、米10年物債券利回りは下落(債券買い)することでしょう。米株市場は「上昇」で応えるものと見ています。

 現状でも「4月CPIの結果が予想を下回る弱さ」の動きを各市場では示しているので、結果が「上回る強さ」だった場合の方が、インパクトが強いことは言うまでもありません。

5月10日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は続落、前日比56ドル88セント(0.2%)安の3万3561ドル81セントで終えています。ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して、前日比77.365ポイント(0.6%)安の1万2179.553で終えました。


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兎にも角にも・・・

 10日発表の「4月の米消費者物価指数(CPI)の発表」待ちです。一か八かの勝負はご法度ですから、投資家の様子見姿勢が強かったようです。米地域銀行株の不安定な値動き、米政府の債務上限問題の警戒感も多少はあったことでしょう。

MYポートフォリオ

 ドル建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)の年率換算利回りが、次のように見並4%台へ大きく上昇して来ています。

  • ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド 4.4680%
  • ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド 4.2340%
  • ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト 4.3030%
  • ゴールドマン・サックス 4.3540%

保有株の売りは小休止へ・・・

 もう一段の売りを行いたいのですが、様子見しました。売却してドルを得て、上記のMMFへドル貨で預入している方が、確実な対応と思えて来ているのです。もちろん、配当・分配取りも大事なので、再びETF重視へと路線変更です。なお、GAFAM銘柄も大好きですが、今の株価から買い上がるのはリスクが高いです。


編集後記

 投資家なら誰でも利用可能な「ドル建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)」の年率換算利回りが、軽く4%超えになっています。私なんぞ、30年近く日本でこのような高利回りの短期債を見たことがありません。
 嘗て日本にもMMFのような積み立て投資にも利用できる債券が、日本の証券会社で組成されていました。非課税の財形貯蓄にも組み入れられていた中期国債ファンド、略して「中国ファンド(1980年~2016年)」と呼ばれ、当初は6%前後の高利回り商品でした。
 しかし、日本銀行によるマイナス金利政策の導入を受けて、2016年に全てのファンドが繰上償還。現在、運用中のファンドはありません。ここにも、迷走する「日銀のマイナス金利政策」が、ネチネチした暗い影を落としています
 最早、日本における金利正常化などは「夢また夢」の世界です。近い将来、日本にハイパーインフレの端緒が跋扈するだけでも、調整弁である金利引き上げが出来ないので、日本社会は終戦時の「闇市的な大混乱」となるように思えてなりません。未来の若者へ、大きな負の遺産を残したまま、我々は令和時代へ突入しているのです。

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