米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

6/25 米国株急伸と「中絶の権利」を否定した米最高裁判決...

 米国株式市場は、週末金曜日にもかかわらず株価上昇に湧きました。売り方の買い戻しを巻き込みながら3%を超える株価反発を見せたことで、次週以降、株価展開に期待する投資家の底値拾いが始まった、といった期待感も出始めています。

3大株価指数

 ダウ平均は週間では5.4%高と4週間ぶりに上昇し、上昇率は今年3番目の大きさでした。ナスダック指数も週間では7.5%高と4週間ぶりに上げています。

  1. ダウ工業株30種平均は続伸。前日比823ドル32セント(2.7%)高の3万1500ドル68セント。
  2. ナスダック総合株価指数も続伸。前日比375.427ポイント(3.3%)高の1万1607.620。
  3. S&P500種平均も続伸。前日比116.01ポイント(3.06%)高の3911.74。

全米銀行がストレステスト(健全性審査)に合格したことをFRBが公表

 業種別では金融株の急伸が目に付きます。今後、金融機関が「株主還元を相次ぎ発表するとの期待感」から、ゴールドマン・サックスは6%高、JPモルガン・チェースは3%高で終えています。投資家はロシア債券の不履行による「不良債権増加を懸念」していたこともあり、霧が晴れて、いわゆる自社株狙いの先回り買いです。

珍しく、多種多様の銘柄が上昇...

 航空機のボーイングが6%高、化学のダウは4%高、建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も高い。スポーツ用品のナイキやクレジットカードのビザの上げが目立った。ハイテク株では、顧客情報管理のセールスフォースは7%高、ソフトウエアのマイクロソフトは3%高でした。

憲法条項の「中絶の権利」を否定した米最高裁判決

 米連邦最高裁は24日、憲法条項に人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆し、同判決で最高裁が示した「憲法で保障されたとする『中絶する権利』」【否定】しました。
 同最高裁は「現憲法は中絶の権利を与えていない」「中絶を規制する権限は、国民と国民に選ばれた議員に戻す」と表明し、中絶を憲法上の権利と認めた1973年の最高裁判決を覆す判断を下したのです。

 今後、人口中絶の是非に関しては各州毎に州議会で定めることになるので、裁判所が断を下すことはなく、究極、有権者の投票、議員立法で決められます。もちろん、連邦議会で憲法修正してもOKです。報道によると、現時点において26の州が「中絶を禁止または制限」することが「確実か、可能性が高い」とあります。

"合衆国"が、誕生する

 本件や銃規制に関しても、米国に暮らす人にとって、住んでいる州によって「生き方、人生観等」がガラリと変わる社会が訪れるのです。これは、企業が「本社所在地」を決める際も同様です。まさに『合衆国』そのものに近づいて来ています。

MYポートフォリオ

 配当金(分配金を含む)の上昇が続いています。現在、初期投資額の7.13%の配当・分配率まで高まっています。株価は売買投資家の動向で決まってしまうので、企業努力等は無視され易いです。その点、配当金は経営者の腕次第ですし、理論株価と実勢株価とに差がある時は、配当率を眺めるだけでも楽しいものです。

今週の取り引き

 売買なしで終結しました。米国株を始めて初の「快挙」です。理由は、配当再投資資金の枯渇に尽きます...。月末から月初に向かって入金されるので、しばしの我慢です。


編集後記

 1973年の「ロー対ウェイド判決」が覆ったことで、米国は伝統的な「内向き社会」へ戻ることになりそうです。極致は「モンロー主義」への回帰ですが、そこまでは急に進まないまでも、【米国のあるべき姿】の議論が活発化すること間違いありません。
 かって、英国から清教徒が新大陸へ逃れ、更に旧主国との戦いを交えて「米国が誕生」した経緯からも、【原点に立ち返れ】が盛んに叫ばれることになるでしょう。

三権分立とは、互いに抑制し、尊重し合うことじゃ…?

 今回の米最高裁の判決に対して、現職の米国大統領が異を唱えることにビックリしています。私の乏しい記憶力で振り返っても、例えば、日本の総理大臣が最高裁判決に異を唱えて、「次の国政選挙では、反最高裁判決を支持する議員へ1票を投票しよう」と呼び掛ける光景など、ついぞ見た事がありません。世界で最も早くに三権分立を取り入れた米国ですが、やはり、ホンネは【椅子取りゲームの国】【利益集団の代表者の国】なのです。

 中絶の権利を擁護する民主党のバイデン大統領は24日、演説し「過半数の保守派判事は米国の大多数の意思からいかに離れているかを示した」と非難、「今回の判断は結論となるべきではない」と訴えた。(産経新聞 2022/6/25 00:21)

 バイデン大統領は演説で「米国には悲しい日だが、闘いが終わったわけではない」と述べ、中絶の権利を取り戻すため11月の中間選挙で民主党候補に投票するよう呼びかけた。(産経新聞 2022/6/25 15:02)

『中絶に必要な渡航費の支給、米大手企業で動き広がる』てな...

 株式上場企業群が「バイデン民主党に賛同した動き」をさっそく現わしました。米国は2大政党制の国であることがハッキリと分かる動きです。建前上、経済と政治とは別である日本とは大きく異なっています。
 会社経費上、これは「福利厚生費」の勘定科目で落とすのでしょうか? 更に米国の事ですから、反対する株主が不正支出として「訴訟」を起こすこともあり得るでしょう。こうなれば、もう滅茶苦茶ですわぁ。

弱り目に祟り目