米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

9/21 混乱の号砲が鳴る、あなたは「降りるのか? そこに残るのか?」...

 いよいよ、日本時間の明日の未明には、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合でこれからの米国政策金利が改定が議論され、これに関するFRB議長の記者会見が行われます。さぁ、上がるのか? 下がるのか?

米国金融政策のおさらい...

「政策金利」の引き上げを継続的に実施している...

 何が凄いのかという「おさらい」ですが、米国ではこの6カ月程で「政策金利(銀行間の貸し借り金利)」を、2月までの0.25%から現行の2.25%-2.50%まで大幅に引き上げました。
 そして、明日のFOMC会合最終日で政策金利を3.00%-3.25%へ引き上げることが確実視されています。そして、残る11月と12月のFOMCでも、0.5%幅の引き上げが行われると仮定したなら、年内で米国の政策金利は、4.00%-4.25%へ上昇する「凄いこと」になります。

「金利を引き上げる」、その理由とは何?...

 金利引き上げ(実施される金融政策)は、米国の物価(エネルギーと食品を除く)高騰を抑え込むために行われます。現行の物価上昇率は対前年同月比で6%を超えています。
 米国は、この物価上昇を年率換算で2%に抑えることをFRB金融政策の中心に据えているのです。「インフレ率」-「政策金利」=「2%のプラス水準」が基本になっています。

基軸通貨である「米ドルの金利」を操作する米FRB

株式市場も債券市場も「金融」であり、金利は金融を支配している...

 これら金融市場の基になっているのは、「金利(利息)」です。金融は金利に支配され、金利動向次第で金融市場の拡張も縮小も自在に行えるのです。併せて、マネー創造も組み入れてしまえば、バーチャル空間を貫く支配も可能になります。
 遥か海を跨いでも、住む国が異なっていようとも、瞬時に我々がマネーのやり取りが出来るのは「送金や両替、決済といった金融の力」を用いているからです。
 そして、今この瞬間、瞬間にも、時間の経過と共に金利(利息)が発生、AからBへ、BからCへと、マネーが創造されてマネー移動がリアルタイムで行われているのです。

金利引き上げで、マネーの行き着く先は何処?

 金利が引き上げられると、資金の出し手が引き上がれられた金利相当額(利息相当額)を得ることは世間どおりです。
 金融システムの枠内でみると、それは総帥である各国の中央銀行を頂に、その配下にある公的・民間の銀行システムに繋がっています。ピラミッドを形成して頂点に中央銀行が、枝葉に各種銀行が下に下に広がっているのです。


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基軸通貨である「米ドルの金利」を操作する米FRB・・・

 最大発行量と国家としての安定性をバックボーンに、米国ドル貨は世界の基軸通貨としてマネー創造の中心に位置しています。
 米ドルの政策金利を組めるのは米国大統領から指名及び上院の承認を受けたFRB理事達で、中でも議長と副議長は大統領を超える程の権限を有し、年8回開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を主催します。この会合で現行金利の是非を検討し、変更の有無を決定するのです。
 この決定は米国のみならず、上記で見たように世界中の国々やその国民をも巻き込んで、我々の生殺与奪の権を手中にしています。我々は何ら反することもできず、唯々諾々と従いながらこれを凌駕するか、あるいは金融市場から暫く離れて身を隠すか、のいずれかです。

「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」が、空しく聞こえる...

『鬼滅の刃』第1話「残酷」に、冨岡義勇の名言として次の言葉があります。

  • 生殺与奪の権を他人に握らせるな!
  • 英語吹き替え版のセリフは、次のように訳されています。Don’t grovel like that and give your enemies the chance to kill you !
  • WEBサイトの英訳自動変換機能を用いると、次のように表示されます。Don't let others hold the right to give or take life and death ! 

9月21日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反落し、前日比313ドル45セント(1.0%)安の3万0706ドル23セントで終えています。ナスダック総合株価指数も反落、前日比109.969ポイント(1.0%)安の1万1425.051で終了しました。


定番の金利引き上げ前の株売りが継続・・・

 米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め観測を受けて、米長期金利が11年ぶりの高水準を付けて株売りを促しました。「パウエル議長が記者会見でインフレ抑制に向け断固たる姿勢を改めて示せば、株売りが強まる」と警戒されて、取り敢えずの株売りは、止まる素振りすら見せません・・・。

長短金利の逆転現象が再び発生...

 2年物債券利回りが4%台(3.99%)に近づいて15年ぶりの高水準、10年物債券利回りも急伸するも長短逆転現象が見られています。もちろん、ドル高/円安となりました。その後、20年物債券の新規入札が順調に進み、長期金利が低下傾向になりました。
 明日、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表を控え、タカ派姿勢が改めて示されるとの警戒感が株式相場の重荷となり続けています。

MYポートフォリオ

 諸事情で手放してしまった「ALLY アライ フィナンシャル」「CWH キャンピング ワールド ホールディングス A」「INTC インテル」の3銘柄が、安値に低迷していることもあって買い戻し始めています。

日本株3銘柄...

 次のお気に入り3銘柄を買い集め始めています。「4519 中外製薬 7株」「4543 テルモ 2株」「4911 資生堂 8株」です。


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編集後記

 米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後、政策金利の引き上げを発表すれば、米国株は売られるでしょう。次のパウエル議長の会見を受け、タカ派的な表現が含まれている理由だけで、更に米株が売り込まれるでしょう。
 更に、想定引き上げ幅0.75%を超える上げ幅であれば、売り方にとってはラッキーチャンスですから、ダウ平均は3万ドルを目指して下げ続けることでしょう。であれば、「売られる前に株式を売っておこう」と考えるのは誰しも同じです。

売られる前に売っておく...

 今日、寄り付きから米国株が値を下げ続けたのは「こんな単純なプロセス」なのです。全部売り切ることもなく、売りは一部分に留める。あるいは、レバレッジ取引を組み合わせて「先物ヘッジ」や「コール・ブット」オプションを組み入れる・・・。あの手、この手で損失を限定できるように取り組んでいる投資家達。

日本人投資家にとって、絶好の円安タイミングが到来?

 あたりを見回すと、ドル高/円安の今こそ、日本人投資家にとっては、『全面撤退も視野に入れ、全株売却も検討する』絶好の時期が、到来したのかもしれません。少なくとも、前向きに検討することは大事な時期でしょう。

弱り目に祟り目


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