米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

4/8 高利回りのMMFへ資金が流入、銀行預金もこれに対抗...

 米国の3月7日(金)は聖金曜日であり、「連邦の祝日」とはなっていませんが「州の祝日」に多くの州で定められているため、主な証券市場が休場となっています。この日は「3月の米雇用統計」発表日となっていたこともあって、日本時間の午後9時30分頃、次のように公表されました。


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  • 非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は、前月比23万6000人増加。
  • エコノミスト予想の中央値は23万人増(ブルムバーク集計値)。
  • 前月は32万6000人増(速報値31万1000人増)に上方修正。
  • 家計調査に基づく3月の失業率は3.5%に低下。
  • エコノミスト予想の中央値は3.6%。
  • 平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.2%。ほぼ予想通りの結果...。

 「不況風を少しは感じることが出来るのでは?」との思いがあったので、ある面でサプライズでした。雇用統計の発表後、米長期金利が上昇(債券売り)に伴い、ドル買いが優勢となり、ドル/円は132.33円まで上昇。ユーロドルは1.0882ドルまで下押しています。


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5月開催の米FOMCの行方は、0.25%の利上げ幅で落ち着く?・・・

 余程の事がない限り、投資家が望む「利上げ停止はない」でしょう。ズバリ、0.25%の利上げ幅で落ち着くはずです。何故なら、インフレ撲滅を錦の御旗に、今のFRB首脳陣が利上げ推進派の先導者たちであり、利上げ停止を職を賭してまで推す者がいないからです。ただ、それだけです・・・。

日銀の利上げ対応。俄然、注目が集まる・・・

 新しい日銀首脳が、今回の米国の利上げ(0.25%)に追随するか否かに注目が集まることでしょう。普通人なら、日本の10年債券利率を0.25%程でも引き上げるでしょう。さもないと、今後の「引き上げタイミング」を見いだせず、ズルズルと現行スタンスを継続。そして、ある段階で自滅する可能性が高まるからです。

MMFへ資金が流入、銀行預金もこれに対抗して引き上げ...

 米国株投資を行っている方なら、ドル通貨建てのMMF(マネー・マーケット・ファンド)へ余力のドル資金を預けることで、高利息を生む商品を簡単に利用できます。
 本場の米国では、従前から高利回り商品として名を馳せていましたが、中々どうして、日本の「ドル建てMMF」や「ドル定期預金」も捨て難い程の高利回りになっています。無視できるレベルではなく、利用しないと「もったいない」範囲まで高まっているのです。

株式ファンドから資金流出、MMFに流入が続く・・・。

 リフィニティブのデータによると、「第1・四半期の米高配当株ファンドからの資金流出額は56億ドル。流出自体も過去10四半期で初めてのこと。一方でMMFには3915億ドルと、この3年で最も大規模な資金流入が起きた。」とあります。

MMF(マネー・マーケット・ファンド)の利率

 MMFの主な投資先は「3カ月物米短期国債」で、3月9日には5.061%と16年ぶりの高水準利回りに跳ね上がり、4月以降は足元でも4.8%前後で推移しています。次表は、SBI証券の取り扱いです。
 従来、これらに対抗する高配当銘柄を束ねた「高配当株ファンド(ETFを含む)」が人気でしたが、中核となる「米大型・中型株の平均配当利回りは1.8%程」に止まりますので、信託報酬やETF報酬を差し引くとMMFとの利回り差異は更に大きくなっています。


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(日本の銀行での)ドル定期預金の利率

 海外銀行を取り上げても意味がないので、住信 SBI ネット銀行のドル建て定期預金利息を参考にして下さい。1カ月でも3.1%、6カ月では4.6%の高利息を提示しています。反面、2年物と3年物は2.8%と低く設定されています。高金利政策は「長くは持続しない」と見られているからでしょう(逆イールドカーブ)。

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外貨建てMMFと外貨建てドル預金は、似て非なるもの・・・

 何度でも申し上げますが、「外貨建てMMF」と「外貨建てドル預金」は似て非なるもので、保有資金を何気なく預けると後悔します。
 外貨建てMMFはあくまで債券投資の一環です。投資は確定利率ではなく、元本保証もありません。
 日本の税制では、得た分配金はもちろんのこと、元金のドル資金を「外貨建てMMF」から引き上げる時にも、証券会社等で『円貨換算して所得税が源泉徴収』されます。変動相場制の今、ここが盲点です。

 ドル建て定期預金は、ドル資金を決められた期間内で預入します。確定利率、元本保証ですが、あくまで預入銀行の信用に裏打ちされたものです。公的機関の保護はありません。
 日本の税制では、得た利息相当だけを銀行等で『円貨換算して所得税が源泉徴収』されます。解約時、元金のドル資金はそのまま払い出しされます。

既に、選好される銘柄群が2分化されている・・・

 ① 高利回りで、基幹産業の企業である株式(エクソンモービル、IBM等)
 ② 無配当であっても、現金収入が莫大な企業である株式(GAFAM等)
 ③ 上記①~②に分類できない小規模の企業株式...
 もちろん、不幸にも③に分類された銘柄達は「売り推奨」のカゴに入れられることでしょう。少なくとも「買い推奨」とはならない筈です。

(参考)円貨の定期預金と普通預金の場合

 単なる記録として残します。まともに預入して資産増加を図っている方などいらっしゃらないと思いますので・・・。ふざけた利息、利率です。
 黒田氏の総裁退任が4月8日、これは既定路線です。相棒とも呼べる「安倍元首相」の狙撃による死亡以降は後ろ盾を失い、にっちもさっちも行かなくなって『全て放置』したまま、実行権者のポジションを去ります。彼こそが、我々を貧困に落とし込んだ張本人です。


円貨の定期預金利率(住信 SBI ネット銀行)

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円貨の普通預金利率(住信 SBI ネット銀行)

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当座貸越を利用する為、頻繁に定期預金を行っていた時代が懐かしい....

 嘗て、私が頻繁に利用していた「当座貸越」。遥か以前、定期預金利息は1年物であっても5%を超えていた時の話です。
 マル優(非課税)制度も使い放題の時代でしたから、手持ち資金を全て「最大3年となる定期預金」に組み込み、クレジット等の決済資金や給与前の生活資金は「定期預金を担保(90%以内)にした当座貸越」を利用するのです。普通預金でムダにお金を遊ばさない。若者はこのようにして、迫り来る「結婚」への資金を貯めたものです。

嘗て、市中銀行は良心的だった・・・

 当座貸越は、総合口座内であれば全て自動(引き落とし、カード引き出し)で行ってくれるので重宝していました。この当時、当座貸越利息は良心的な『定期預金利率 + 0.25%』です。利用し過ぎても元金には影響が及ばず、利息から支払いできたのです。

この点だけを取り上げても、銀行は変貌した!

 それが今じゃ、銀行だけが丸儲けの『1.675%』の高利息。驚き桃の木、山椒の木です。
 一日でも利用すれば、定期預金の利息だけでは当座貸越の利息支払いさえできず、定期預金の元金を崩して支払わざるを得なくなっています。
 今の時代、「当座貸越」を利用すればする程、預金元金が減る仕組みになっています。もはや、定期預金は形骸化して普通預金より始末が悪く、市中銀行はお金を増やす場所ではなくなり、減らす場所へと変貌しているのです。

MYポートフォリオ

 米国株式市場が週末金曜日と云うにもかかわらず、休場でした。ポートフォリオの金曜日版のみ掲載して終わります。


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編集後記

 一体全体、何が起こったのか?
 沖縄県・宮古島周辺で6日、10人が乗った陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った。同海域周辺は、対中国軍との緊張が張り詰めるエリアであることから、いろんな憶測を呼んでいます。搭乗者の安全確保はもちろんの事、民間航空機以上に自衛隊基地局との無線交信が頻繁に行われている筈ですから、一刻も早い真相解明を望みます。


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