米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

4/12 「買うから」株が上がる、「上がるから」株を買う...

 前週末発表の「3月の米雇用統計」がほぼ市場予想通りとなり、米国の景気懸念が和らいだことから「景気敏感株」や「消費関連株」への買戻しが続いています。
 あと一回程度の利上げ(0.25%)を経て利上げが停止となり、インフレ度合いの監視を続ける一部ですがFRB高官の意向が漏れ伝わったことで、株高に拍車が掛かったようです。

食品セクターの回復が顕著、原油銘柄は一服感・・・

 売り対象が長らく続いた「食品セクター」ですが、株価回復が顕著です。いつのまにやら株価が元に戻っているのにビックリです。原油関連銘柄の株価戻しは一服した感じがします。売り圧力が強かった金融セクターは、過度の不安が一旦除去されたようで徐々に買い戻しが入っています。もう一度ぐらいは、落とし込むでしょうが...。

米国10年物長期債券やGAFAM銘柄へは売り姿勢

 反面、不安心理の逃避先として買いを集めていた「米国10年物長期債券」や「大手テック銘柄(GAFAM銘柄)」へは、連日の売りが見られます。しかし、この流れは「資金の循環」を考えれば概ね順当なものです。
 再び、GAFAM銘柄に対して見直し買いが始まる前までが、大手テック銘柄の買い好機と捉えることもできます。ここんところは考え方次第ですが...。

買戻しが続く米国市場

 今週に入って、平均株価は幅広いセクターへ『買い戻しが入っている』状況です。うかうかしていると、置いて行かれそうな動きなので、ファンド等の大口投資家は『買うから株価が上がる、上がるから株式を買う』ように競って株価を釣り上げています。

FRB、政府高官からの高咆えが続く

シカゴ連銀総裁のグールズビー総裁、利上げに「慎重さ」求める

 シカゴ連銀のグールズビー総裁は、利上げに「慎重さ」求める発言をしたことで、市場は強い好感を示して、株買いに拍車が掛かっています。但し、市場が想定しているような「今年後半の利下げを提唱しているわけではない」とも強調しました。
 同総裁は、「こうした金融面での向かい風について不透明感が多いことを踏まえると、われわれは慎重姿勢でいる必要がある」「インフレを押し下げる上でこの逆風がどの程度作用するのかが分かるまで、さらなるデータを集め、過度な利上げには慎重であるべきだ」と述べた模様です。講演内容は準備原稿に基づくもので、彼は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を有するメンバーの一人です。

NY連銀ウィリアムズ総裁、あと1回の利上げは「妥当な出発点」

 ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、『年内にあと1回利上げを行い、その後休止するという連邦公開市場委員会(FOMC)が3月に示した予測について、道筋は今後入手する経済データ次第ではあるが「妥当な出発点」だ。』との見解を明らかにしたようです。
 これを基に差し引き計算すると、3月のFOMC会合で、政策金利が2023年末時点で5.1%になるとの予測(中央値)が示された。これはあと1回の0.25ポイント利上げを示唆します。

イエレン米財務長官は米経済に自信を示す

 イエレン米財務長官はG20財務相・中銀総裁会議開催を控えた会見で、「米国経済が6カ月前に比べて改善し、並外れて良好だ」との見解を示しました。更に「リスクが存続するものの、景気低迷を予想していない」とも言及。また、「最近の金融混乱が米国内の信用縮小に繋がると考えていない」ことも明らかにしました。
 政治的PR会見の要素が強いですが、ここまで金融市場へ援護射撃が連続して続くと、『買うから株が上がる、上がるから株を買う』現象が随所に見られるのも納得です。

4月12日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は4日続伸、前日比98ドル27セント(0.3%)高の3万3684ドル79セントで終えました。米景気の先行き不安が投資家の胸中から後退、景気敏感株の上昇がダウ平均を押し上げています。
 ナスダック総合株価指数は続落。前日比52.478ポイント(0.4%)安の1万2031.877で終えました。半導体株の下げが目立っています。兎に角、今まで「ないがしろにされていた銘柄」に買い戻しが急速に入っています。反面、いままでの牽引主力のハイテク株には売りが目立ち、相場の重荷です。


12日に発表予定、「3月の米消費者物価指数(CPI)」の内容次第...

 12日に発表が予定されている「3月の米消費者物価指数(CPI)」は、FRBの金融政策を見極める上で特に今回の注目度が高く、市場には『根強いインフレ圧力を示す内容になるのでは...?』との警戒が存在していますので、投資家は反身構えているので、ここをすんなりと通過すると、更に一段の株価高騰が待ち構えています。

MYポートフォリオ

 連日のハイテク銘柄の下押しには驚きました。そろそろ反転を期待していただけにションボリです。しかし、GAFAM銘柄の追加購入のチャンスとばかり買いを入れています。

GAFAM銘柄等への投資状況

 GAFAM銘柄への初期投資額が22万7千544ドル(円貨3千042万3087円)、時価評価額が26万2千095ドル(円貨3千504万2625円)まで高まっています。
 目だった個別銘柄では、食肉のタイソン株が一気に回復して来ました。近々発表される第一四半期の業績期待からでしょうか?

邦貨で1億3千万円を回復・・・

 半年ぶりに邦貨で投資評価額と現預金額の合算額が1億3千万円を回復したようです。以前は、145円の為替水準だったので現行133円では初めてでしょうか。
 ここの運営資金は日々の生活費にも充当させて、1年前にはマイカーを整備更新したように、適当にここから使用しています。大台割れもなく、結構踏みとどまっている感じです。


編集後記

『悪い奴ほどよく眠る』

 何のことはない!ロシア産の原油や天然ガスの販売を抑え込んで、地下資源から利益を独占し、我が世の春を謳歌しているのは米国と英国でした。日経新聞社から入手した次の図表を見れば一目瞭然です。
 この2国は、OPECからもかなりのシェアを奪っていますから、サウジアラビア王国とバイデン政権が険悪になるのは自明の理です。「争いごとは他所でやらせて、金目のものだけを抜き取る」。故黒澤明監督がメガホンを握り、映画タイトルにもなった、所謂『悪い奴ほどよく眠る』を地で行っているようです。


4/12 「買うから」株が上がる、「上がるから」株を買う...8

ウクライナ紛争で、莫大な利益が転がり込む?... 

 イギリスは北海油田、米国はシェールオイル・ガスの売買を目論み、これら2国が人気挽回を同じく目論むゼレンスキー大統領と徒党を組んで、欧州勢(特にドイツ経済)を飲み込む算段で動いた『ロシアをウクライナへ引きずり込む』戦略は、今のところ成功裡にことが進んでいます。EC離脱で青息吐息であった英国も、TTP加盟もあって落ち着き始めました。


4/12 「買うから」株が上がる、「上がるから」株を買う...9

バフェット氏の日本株買い報道、日米株価の上昇が顕著過ぎる?

 何もかもが「好調に見える時」が、実は一番危ないとの箴言があります。バフェット氏が日本商社株の買い増しに動いた(「動く」ではなく、過去形の「動いた」です)ことで、何故か同銘柄が高騰しています。「バフェット氏所有=浮動株数の減少」と捉えているのでしょう。近々、バークシャー社は日本円で起債(低利)を行うらしいので、日本贔屓の印象を与えて、タイミングよく売り切る算段です。(参考)現在、バークシャーは約1兆円の円建て債務があります。更に、日本人から資金を低利で借りて、日本株の配当、譲渡益をぶんどる筋書きです。

日本円で起債するのは、際限なく「円安」に進んだ場合の保険...

 数年後、1ドル200円の為替水準となった場合、米国人が日本株へドルを円に換えてから投資しているならば、大変なことになります。
 短期勝負のファンド達は「ドル/円の為替予約」を結んで日本株を売買していますが、一応バフェット氏は中長期投資家なので、長期間の為替予約を行うことは現実的ではありません。代替として、ここで活躍するのが、日本の銀行、投資家から「日本円で融資を受けて日本株を全額購入すること」なのです。
 事実上の為替ヘッジとなって、日本株で被った為替損失は融資額の返済でチャラ、譲渡益が利益となる優れものです。日本株を見定める慧眼さえ優れていれば『坊主丸儲け』です。

我々も、92歳の際限ない貪欲性を見倣うべき!

 大株主として君臨し、ビジネスパートナーを装って、投資会社バークシャー・ハサウェイが支配する「オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)」社が産出する原油・天然ガス販売の走狗として日本商社を使う腹積もりでしょう。
 そうこうして、株価を釣り上げて「いつのまにやら」売り抜ける長期ビジョンを持っているに違いありません。バフェット氏は、我々が思う程、決して好々爺の優しい投資家ではありません。人を射る眼をしています。


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