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4/15 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が販売した「AT1債」950億円が紙屑に...

ご心配をおかけし心苦しく思います。お客様には丁寧に説明して参ります

 NHK報道によると、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、金融グループのクレディ・スイスが発行した「AT1債」と呼ばれる社債950億円分を日本国内の富裕層などに委託販売していたところ、クレディ・スイスが経営危機に陥って金融大手の「UBS」に救済買収されたことで、同「AT1債」が紙屑(無価値)となってしまったことを明らかにしました。
 上段は同証券会社が発したコメントですこのAT1債の年利回りは、9.75%の確定利率でした。既に「怪しげな銀行に堕ちていたクレディ・スイス銀行」の金融商品を委託販売するなど、名のある一流の証券会社なら行ないません。同罪です・・・。


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対象は、富裕層以上の個人と法人、合わせて1500の証券口座・・・

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、富裕層以上の個人と法人、合わせて1500の証券口座に対して、自行で販売したおよそ950億円分が紙屑(無価値)となったと発表しました。
 クレディ・スイスがスイス政府の公的支援を受けたことで、日本円でおよそ2兆2千億円に相当する全世界に向けて発行された「AT1債」が、無残にも無価値になりました。

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日本の投信へも組み込まれている「AT1債」

 3月17日時点で、資産運用会社の「野村アセットマネジメント」は「AT1債」を組み込んで運用している投資信託が31本あると発表しました。金額にすると合わせておよそ5億5千万円で、これらの投資信託の中に「AT1債」が占める割合は最も高いもので0.79%だとしています。徐々に、事実公表が出始めています。

日本のメガバンクが発行している「AT1債」に関して

 鈴木財務大臣は、「一般に公的支援が行われることによって、元本が削減されるといった特約は日本の金融機関が発行するAT1債にはない。3メガバンクは、充実した流動性や資本を有しており、金融システムは安定している」と述べています。

本来、無価値にはならない筈の社債が「紙屑(無価値)」になった事由

 「AT1債」は、通常の社債や劣後債と比べて金利が高い一方で、自己資本が減少した際には、「元本が削減されたり、強制的に株式に転換されたりするリスク」があります。つまり、預金者に影響が出ないよう『この社債を買った投資家が損失を吸収する形』をとる特殊な社債なのです。

今回、抵触した規約条項はなんだ?

 今回のクレディ・スイスのケースでは、「AT1債」が無価値になる場合のトリガーが2つ規約内にありました。と、言うか『忍ばせて置いた』という事でしょう。唯では転ばないスイス企業ですから...。

  1. 株式など、損失を吸収する資本が一定の水準を下回った場合。
  2. スイス当局が、銀行破綻の恐れがあると見做したり、例外的な政府支援を行ったりした場合。

 この2つの事項の内、いずれかの条件に抵触した場合、「AT1債」が無価値となるという仕組みになっていたのです。投資家は「よもや」、自分達に襲い掛かかり、これを適応される等、想像だにしていなかったことでしょう。欧米人は奥が深いですわぁぁぁ。

具体的には・・・

 スイス財務省は、『UBSがクレディ・スイスから引き継ぐ資産の価値が下がり、将来の損失が一定の額を超えた場合、スイス政府がUBSに90億スイスフラン、日本円で1兆2千億円余りの政府保証を行う』と発表しました。この支援策が2つ目のトリガー「例外的な政府支援」に該当するので、クレディ・スイスの「AT1債」が無価値とされたのです。
 週末の土日という超短期間で大手銀行を吸収合併させるため、スイス政府は「UBS」へ損失補填付きの政府保証を付けたのです。USBとすれば、何が隠れているやも知れず危なくて近寄れないからです。もちろん、この原資も税金です。

「AT1債」保有者の怒り・・・

 社債など債券の弁済順位は、株式より上位とされています。預金はさらに手厚く保護されており、金融業界下位では下の図であらわした項目について、下に行くほど弁済の順位が低くなります。本件に関して、訴訟を検討するという投資家も出始めています。
 最も下位の普通株式は、直近の評価額を大きく下回る形ではあるものの、UBSの普通株式と交換(概ね25%)され、株主は一定の救済がされることになっています。立場が逆転してしまっているのです。

破綻直前の「クレディ・スイスの増資引き受け団体」に気兼ねした?

 推測ですが、『UBSの普通株式と交換(概ね25%)・・・』は、破綻直前の増資が何かしら影響しているのかも...。ここには、中東の某政府機関(オイルマネー)が絡んでいるから、普通に考えると「ケンカ」になってもおかしくない程ですし、クレディ・スイス「AT1債」保有者にも中東機関が多いと噂されています。
 今回の破綻限、中東勢の野望(世界の金融界へ進出)を砕く意味が込められているのかもしれません。逞しく創造を働かせた結果ですが・・・。


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ゴールドマン・サックスが無価値となった「AT1債」を承知で販売...

 抜け目のない「米銀ゴールドマン・サックス」は、無価値となったクレディ・スイスの「AT1債」を承知済みの投資家に対して、販売する計画を持っている。と、打診を受けた投資家から漏れ伝わって来ています。

 ゴールドマンは、AT1債請求権の取得を目指す投資家から、同債券の注文を受け付けて販売するらしいとのことです。こうした請求権を購入する投資家は、最終的にAT1債に一定の価値があると訴訟を通じて見なされる可能性に賭けることになります。裁判所を介して一発当たれば大きい獲物です。

マネーロンダリングに利用できる?

 更に、穿った見方をすれば、資金洗浄(マネーロンダリング)的な役割を、紙くず(無価値)になった「AT1債」に負わせることも、数多い国々で可能となることでしょう。であれば、引き合いも多く、販売価格以上の高価格帯で売買されるかもしれません!

4月15日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反落、前日比143ドル22セント(0.4%)安の3万3886ドル47セントで終えました。ダウ平均は前日に約2カ月ぶりの高値へ上昇しており、週末を控えて持ち高調整の売りが出やすかったこともあります。
 ナスダック総合株価指数も反落しています。前日比42.806ポイント(0.4%)安の1万2123.466で終えました。GAFAM銘柄含むハイテク系の株価回復が顕著なので、少し足踏みしているのでしょう。なお、金融政策の影響を受けやすい「米2年債利回り」は、前日比0.13%高い4.10%で取引を終えました。これぐらいが「適温」なのです。


FRBのウォラー理事が咆える・・・

 朝方、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が「一段の利上げに前向きな姿勢」を示しました。結果次第でしたが、平均株価が下がったので、『利上げ長期化により景気が冷えるとの警戒から、幅広い銘柄に売りが出た』となりました。

議長の脇を固める者達、口先介入も職責・仕事のうちさ…

 FRBウォラー理事が講演で「一段の利上げが必要」と発言。アトランタ連銀のボスティック総裁も、「次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする考えを示した」と伝わりました。両名が引き締めを維持する姿勢を示したことで、利上げ継続による景気悪化の懸念が強まったと宣伝されています。週末要因もあったことで株式売りが優勢となりました。

見守り隊の役目を遂行...

 このような者達は、今のようなインフレ抑え込み対策時期・利上げ邁進時期に、「利上げ見送り、利上げ据え置き、年内利下げ…」等が市場コンセンサスとして形成されないよう、見廻り隊の役目をも負っているのです。

金融のJPモルガン・チェースは7%超の上昇・・・

 毎回、四半期決算発表の先陣を努める「金融のJPモルガン・チェース」の株価は、7%超上昇しています。同日発表の2023年1~3月期決算で売上高と1株利益が市場予想以上となり、好感した買いが広がったためです。同時に発表となったシティグループの決算内容も市場予想を上回り、投資家心理の支えとなっています。

MYポートフォリオ

 いま、ポートフォリオ構成の主役は「GAFAM銘柄」と「ドル建てMMF」に取って代わられた感がします。いつものように、一過性の事と思いますが・・・。


現在、14万8千ドルの現預金を保有中・・・

 平均株価の上昇と133円台の円安気味の為替動向に伴い、資産合算額が久々に1億3千万円を超えて来ました。従前は
「VTI、QQQ、VOO、IVV等のETF」
の大幅な価格上昇が資産を増加させました。FRBの利上げ開始前後から売却を進め、税対策を施して60%近くを一旦現金化しました。
 以降、株価下落を想定して、「カバードコールETF」を主流に運用。年間700万円(税込み)近くの分配金を受領できるシステムを施し、再投資を通じて資産増加を図りました。
 FRBの利上げ停止が囁かれ始めた昨年末頃から、税対策の益だしを兼ねて売却を加速。売り対象となっていた「GAFAM銘柄へ集中的に投資」を始めて、現在に至ります。
 MMF等の現預金を約14万8千ドルまで高めているので、更に資金を株式へ注ぎ込むことが可能です通貨別でみるとドル : 円比率が4 : 1程。結構、災害用として手元に日本円を置いています。

編集後記

 中国大陸から飛んで来くる「黄砂」。事前報道が過熱していましたが、私の住居地では何もなかったような...。私は花粉症とも無縁なので、やって来ていても「何も感じなかった」もしれません。そういえば、遠くの山々が「ぼやけていた」かも知れません。
 学童の頃、真夏になれば「光化学スモッグ発生」の警報サイレンが鳴り響いていたことが記憶にあります。自宅に帰らされ、公園には誰一人いなくなって、公営プールも閉鎖されていたこと等を思い出しました。

クレディ・スイスが発行した「AT1債」の教訓として

 発行規約をしっかりと読み切るということに尽きます。少なくとも、返金されない事項に関しては・・・。
 そして、いつもの如く『美味しいものには裏がある』ことでしょう。リスクなく確実に儲かる話なら、他人様に回すことなどあり得ません。借金してでも、自分達が囲い込んで離さないものです。


では、楽しい土日連休をお楽しみ下さい。


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