米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

4/21 一転して「Teslaショック(▼9.74%)」が市場を襲う...

 時価総額が大きく、GAFAMに続く企業との呼び名も高い電気自動車(EV)最大手の「Tesla(テスラ)」ですが、この銘柄ほど、株価の上げ下げが激しいものは中々見かけません。今まで何人の投資家を破滅させているのだか…。
 ウォッチャーにとっては見慣れた光景ですが、『一時11%超の値下がりと2億株を超える出来高』は超弩級の破壊力を秘めています。これを尻目に、落ち着いて株式取引なとできません・・・。

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テスラの2023年1〜3月期決算は、約3年ぶりの減益...

 テスラが19日に発表した2023年1〜3月期決算は、純利益が約3年ぶりの減益となっています。米国や中国での大幅値下げで採算が悪化したことが原因です。
 「短期的に収益水準が落ちても、値下げで需要を喚起し販売台数を稼ぐ戦略」を基本に据えているテスラですが、これまでのような『高い成長を維持し続けることに懸念』が高まったことで、一気に株売り(20日の出来高、凡そ2億875万株)が仕掛けられたようです。
 テスラが仕掛ける価格競争の行方は、「利益獲得には不透明と投資家に映った」のです。


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売上高総利益率(粗利益率)は19.3%、営業利益率は11.4%

 売上高総利益率(粗利益率)は19.3%。直近のピークだった前年同期(29.1%)から9.8ポイント下がった。営業利益率は11.4%で、これも7.8ポイント低下しています。なお、トヨタ自動車の2023年3月期の営業利益率は6.7%の見通しですから、テスラは依然として2倍近い利益率を維持してはいるのです・・・。


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テスラを支えるのは、車種を絞った高収益モデルと直販体制・・・

 テスラの値下げ戦略を支えているのは、EV専業で築き上げた高収益モデルです。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は19日の説明会で、テスラの営業利益率がなお「業界最高水準」であると強調しました。
 テスラは競合他社に比べてモデル数が少なく、「モデル3」や「モデルY」など主要4モデルで、年100万台を超える生産台数から得られる量産効果は小さくありません。更に、メーカー直販でオンラインを通じて電気自動車(EV)を売っていて、販売関連費を抑えられる優位性もあります。こうした新興メーカー特有の基盤が、積極値下げを可能にしているのは事実です。

テスラは、中国市場のシュアを落とすと「単なる米EVメーカー」に転落...

 中国では独フォルクスワーゲン(VW)などが一斉に対抗値下げに動きました。4月中旬には、仏ルノーが世界各国を対象に値下げする方針と報じられています。米国では米フォード・モーターが主力EVの価格を引き下げました。
 なお、米フォード社は2023年12月期も「自社のEV事業の赤字が続く」と明らかにしています。厳しい採算の中でも、対テスラへの対抗もあって車両本体価格を引き下げています。

「テスラの独り勝ち」は、もはや過去の語り草・・・

 EVを巡る市場環境は、これまでのような「テスラの独り勝ち」を許さない様相になってきています。テスラへの対抗姿勢を鮮明にする中国・比亜迪(BYD)のEV販売台数は、2022年に90万台を超え、2021年比で約3倍となりました。
 もっとも、テスラは値下げだけで動いている訳でもなく、2023年1〜3月期の世界販売台数は前年同期比36%増の42万台でした。これはこれで凄い数値です・・・。

EV専業メーカー、テスラの行く末...

 イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、「製造コストを半減した新型EVを投入する構想」を持っています。しかし、最大市場の中国での電気自動車(EV)の伸び率は凄まじく、テスラが販売数を増やしても、中国市場の成長率はそのスピードを上回るとの見立てです。
 19日、テスラ株は米株式市場の時間外取引で6%下落し、20日の本市場では最大11%下落しました。凄い出来高を伴って・・・。

4月21日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比110ドル39セント(0.3%)安の3万3786ドル62セントで終えました。ナスダック総合株価指数も反落し、前日比97.668ポイント(0.8%)安の1万2059.558で終えました。


主要企業の減益決算を嫌気した株売り。更に、連れ安銘柄も現れる・・・

 「昨日までの夕凪相場が急変」したのは、テスラ、アメリカン・エキスプレス、通信のベライゾン・コミュニケーションズなど「主要企業が減益決算を発表」し、業績への不透明感が強まったことが主因です。哀れ、通信のAT&Tは「ベライゾンの連れ安」で沈みました。

ブラックアウト直前、FRB高官の「利上げ指示」の大合唱

 更に、ブラックアウト直前の『FRB高官による追加利上げ支持の呟き合唱』があったことから、打ち続く利上げが「次こそは、米景気を冷やす」との悪夢が投資家の頭を過って重荷となったようです。何と「6月FOMCで利上げを織り込む」と声も聞も出始めています。

  • NY連銀のウィリアムズ総裁は、銀行セクターの状況は安定してきたとの見解。同時に労働市場は依然ひっ迫、インフレが高過ぎで、FRBは物価安定を回復すると、追加利上げを支持する考えを示した。
  • クリーブランド連銀のメスター総裁もインフレが高すぎ、中銀はまだやるべきことがあると、追加利上げを支持する姿勢を再表明。なお、利上げサイクルにおいて出口に近づいたとの考えをを示しました。

MYポートフォリオ

 第三四半期の銀行決算が思いの他、悪くはないので買戻しが続いた結果、金融銘柄は以前ほど安値ではなくなりました。しかし、今日のように3大株価指数が同時に落ちるような日はダメです。「比較的、踏ん張った」ことは認めますが、下落率の結果からすると、大きい衝撃はありました。
 なお、大手11行から預金支援を受けたファースト・リパブリック・バンク(FRC)の決算は、今月24日に発表されます。

編集後記

 クレジットカードのアメリカン・エキスプレスは、足元のカード利用は堅調だったのですが、景気の先行き不透明感が強い環境で「貸倒引当金を積み増し」したようです。
 これは、バンク・オブ・アメリカの決算報告に明記してあったことなのですが、銀行幹部の談話では、積み増す最大の事由として、『予想を上回るクレジットカード残高にある』という事でした。コロナ禍以降、現金払いが減少してカード払いが急増しているだけなのか、手許(現金)不如意なのか・・・。その結果は第2四半期決算(4-6月期)で判明します。

ここにも「AI」の存在が...。開き直っちゃ、ダメよ!

 着物は、前合わせが「右前」となるように着るのが正しい着方です。
 「右前」「左前」の「前」とは「先」と言う意味。つまり、右前は右を先に合わせ、左前は左を先に合わせる着方を指します。
 日本では着物は「右前」で着るのが正解。右側の身頃から先に体に合わせ、その上に左側の見頃を合わせるのが右前の着方です。

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