5/18 ドル・円は底堅く、「上抜けを狙った」動きを示す...

2023/05/18 07:03

　一気呵成気味に、円貨は対ドルで急落中です。G7サミットを控え、何かと行事好きな「日本人の特性を狙ったかのように」日本株が高値を更新する中、思惑的な「円安」が出現しています。これは、外国人が日本株を買い込む際には『円売りの為替予約を行う』結果と、これを見越した円売りの相乗効果に拠るものです。

暫くは、財務省・日銀の為替介入も考えられず…

　動きからすると、早急に１４０円台へのタッチまでを想定できます。週明け、米債務上限問題が解決に結び付けば、ドル・円は『もう一押しの下げ』も期待できます。当面、３月８日に付けた年初来高値１３７.９１円の更新ですが、一気に通り過ぎるやも知れません。
　万が一、大きく値幅が動いても、しばらくは財務省・日銀による為替介入がありませんから、投機筋も１４０円台に向けて気兼ねなく取り掛かれます。メデタシメデタシ…！

　　　　　　　　　現在値　　前日比　　　％　前日終値
＊ドル・円　　　　　 137.64円　　+1.25円　　+0.92% 　 136.39円
　　　　　　　年初来騰落率過去1年間での高値／安値　昨年末終値
＊ドル・円　　　　　　+4.97% 　 151.95円　 126.36円　 131.12円

依然、９月の米国利下げ予測が４６％も…

　年後半の米連邦公開市場委員会（FOMC）における利下げ予想率が低下していることも、ドル・円の支えになっているらしい。
　シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、１カ月前は９月の利下げ予想が約５７％だったものが、１週間前は米国のインフレ指標が低下したことで約８１％まで上昇、しかし昨日は４６％程度まで低下しています。私など、まだ、５割近くあること自体に驚きですが…。

取り敢えず今、「米株や中国株」より「日本株」...

　前提が「日本株への高値を追った外国人の買い込み」にあるのは間違いなく、米国の債務上限問題の合意期待と併せて、暫くは日本株で利益を狙った動きが続くことでしょう。
　欧米投資家達は、高値にツラれてやって来る日本の素人投資家を首を長くして待っています。「早く早く」と参入してくるのを、「今か今か」と待っているのです。欧米人が大好きな「中国株」は、米中睨みあいの中で「暫く小休止」となっています。

日米金利差５％は異常値。この後、ドル・円為替が後追いする？

　同じ先進国という範疇で括れる日本と米国の短期金利が、今や５％の差異がついていることが異常であって、ドル・円の為替が１ドル１３５円台半ばで推移していることが不思議でなりません。
　日本人は『利息を受け取るということ』を、最早忘れ去ってしまったのでしょう。単に、円貨からドルへ両替して銀行口座へ入れて置くだけで、『利息』が大きく増えるのですから・・・。私の生活様式の中では、いつも「円貨は売り」なのです。高齢者と心中してはいけません！

５月１８日のトピックス

　ダウ工業株30種平均は反発し、前日比408ドル63セント（1.2%）高の3万3420ドル77セントで終えました。ナスダック総合株価指数は反発して、前日比157.513ポイント（1.3%）高の1万2500.566で終えています。

一応、目途が付いた？米債務上限問題...

　米債務上限問題を巡って、与野党の合意に向けた期待が広がり買いが入ったようです。為政者は言い切ることが、時に必要です＾＾。が、報道機関（日経とブルムバーグ）によって、次のように日本語訳や受け取り方で、これ程にニュアンスが違うのですね。

　バイデン米大統領は17日、債務上限問題について「（野党と）合意に至る確信があり、米国はデフォルト（債務不履行）を引き起こさない」と述べた。
　野党・共和党のマッカーシー下院議長も「合意できる」との認識を示した。与野党がデフォルトを回避するために合意に前向きな姿勢を見せたことで投資家心理が改善した。（日経新聞 2023年5月18日 5:30）