米国株 -『正しいものは美しい』

米国市場で「フルインベスト投資」を目指します。

3/18 シリコンバレー銀行の持ち株会社、共に「経営破綻」...

 先日、経営破綻したシリコンバレー銀行の持ち株会社だった「SVBファイナンシャルグループ」は17日、日本の民事再生法にあたる『連邦破産法11条の適用』を米国の裁判所に申請し、経営破綻したと発表しました。
 これで、スタートアップ企業向けの融資で名を馳せ、今月10日に経営破綻したシリコンバレー銀行はSVBファイナンシャルグループの傘下銀行。シリコンバレー銀行に続いて持ち株会社も経営破綻したのです。この地響きが株式市場へ伝わって、再び「銀行株」が空売りされるハメに陥り、これが各方面に波及する結果となりました。


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建前上、FRB設立は「このような事態を収めるため」・・・

 1913年に米国で連邦準備制度が設立され、政府から民間へ「通貨発行の権限」が変更になった年です。時に、同年には「米国で所得税が始まった」年でもあります。
 通貨を発行する権限を「信用創造権」とも呼び、中央銀行であるFRBと傘下にある連邦・地方銀行のみが有するのです。なお、FRBは決算開示義務がない特権までを有しています。
 国民から選挙で選ばれた米国政府は傍観する立場にいるだけで、ドル通貨を手にするには、『FRBが秘密会合で決めた金利付き国債』をFRBに買わせる手段しか持ち合わせていません。今、株式市場で株券が売買されている元手は、この『通貨』そのものなのです。

週末要因も重なり、『次は何処だ...』探しが活発化・・・

 このような市場雰囲気が醸し出す時は止めようがなく、暫く『売り疲れ』を待つ以外に方策はありません。買い方も売り方に一時転換して、カサにかかって攻めて来ますから、「株売り+株価の低下+取引先の動揺+預金の引き上げ」の悪循環が引き起こされ、想定外の結果(経営破綻)が引き起こされ易いものです。

ホンの先には、大金が眠る「大海」が横たわっています・・・

 今回のように、金融市場の動向が極端に蠢く場合、株式の適正価格が失われて、本来のあるべき価格が崩れた株価になり易く、数日前の株価の半分程度まで値下がった(売られた)銘柄がゴロゴロするようになります。この隙間を上手に動き回れば、難なく「大金を手にする」ことが出来るのです。
 概ね、米国株式市場は年に数回はクシャミをして、特定セクターの銘柄が10%近く下がりますし、10年スパンで見ると20~25%の株価調整の激変を経ることもあります。ここがある意味でチャンス到来なのです。

米株市場は何も変わらない。但し、資金を失う恐れはあります・・・

 数倍のレバレッジ(借金)を屈指する必要もなく、余裕のある銀行預金を引き出して、円高になっている今、ドル資金に換えて金融株を買い込むだけです。そして、数カ月間、売買せず購入した株式を抱えて、ひたすら「嵐が過ぎるのを待つ」・・・。これだけです!
 但し、投資はタイミング次第。常に『虎の子の資金』を失ってしまう恐れが、傍に張り付いています。その原因となるのは、投資家の性格に起因することがほとんど...。熟慮して決めた以上、ブレない事です。個人投資家は決算期がない利点を生かして持ち続けるのです。


チャールズ・エリス著の『敗者のゲーム』

 株式投資、なかでもインデックス投資に興味を持つ方には「チャールズ・エリス著の『敗者のゲーム』(日本語訳)」をお勧めしています。株式投資を継続する「心が揺らいだ時」に、何度も読み返したい名著の1つとされているものです。
 嘗て、当ブログでも紹介したように、この書籍には有名なフレーズがあります。それは【稲妻の輝く瞬間に、株式市場に居合わせる】というものです・・・。


敗者のゲーム〈原著第6版〉

 詳細は、下のページリンクを参照して下さい。今ここで申し上げたいのは、彼が云う「稲妻の輝く瞬間」というのは、多くは「株価暴落の底値付近から、回復する時に見られる現象であることを含む」という事を忘れてはいけません。その付近で購入した株、暴落時でも保有し続けた株があってこそ体験できるのです。

3月18日のトピックス

 ダウ工業株30種平均は反落、前日比384ドル57セント(1.19%)安の3万1861ドル98セントで終えています。ダウ平均の構成銘柄では金融のJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスが下げを主導しました。
 ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落しました。前日比86.764ポイント(0.74%)安の1万1630.513で終えています。なお、このような金融不安に伴う金利安となる時のGAFAM株は比較的堅調です。昨日、株価が急騰し過ぎていたメタプラットフォームズが5%安と下げた反面、マイクロソフト、グーグルの親会社アルファベットは株価上昇で終えています。


銀行融資の厳格化が強まり、インフレが徐々に鎮静化する?・・・

 米地域銀行の経営不安がくすぶり、これが銀行の融資態度の厳格化につながり、景気を冷やす(インフレ鎮静化に進む)との見方から株式が売られた模様です。
 ここにタイミング悪く、シリコンバレー銀行の持ち株会社まで「破綻」したことで、再度ナイアガラの滝のような売りが見られる一面があり、金融株を中心に幅広く売られました。
 これを突き詰めれば、インフレ鎮静化が進み、金利引き上げが停止となり、勢いあまって株価上昇へと繋がるのですが…。

対策が不十分で、 週末に新たな銀行不安が突発するかも・・・

 株式市場では「地銀への支援策が不十分かもしれないとの見方から、投資家が用心深くなっている」との声が上がっていると、週末に「銀行の経営不安に関する新たな情報」が発出する可能性も意識され、債券へ資金を移す動きが広がったようです。
 なお、短期の金利動向を示す「2年債の利回り」は、再び、前日比0.32%低い「3.84%まで」下がっています。

MYポートフォリオ

 恐々ですが、新たな金融銘柄である「WAL ウェスタン アライアンス バンコープ」を平均購入価格32.55ドルで、65株を新規買いしました。概ね、ここ数日間で半分程度まで値下がっています。その分「連れ破綻の確率が高い」と見られているからでしょうが...。

金融セクター上位銘柄の蒐集・・・

 他に、JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックス、バークシャー ハサウェイ B、金融セレクト セクター SPDR ファンド ETFを買い込みました。全て、今流行りの「金融株」になります。
 総じて今週は、金融銘柄(日本のメガ損保、メガバンクを含む)と値下がりが激しい原油銘柄を追加購入しました。


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- 3月における新規・追加購入に関するデータ - 

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編集後記

 午後10時30分以降の深夜帯、米国株式の市場動向をチェックしていると、日本の新聞社からたニュースが届きました。タイトルが「岸田首相が男性の育休取得、30年度85%を目標と表明」「男女で育休取得した場合、休業給付を手取り10割に」「「産後パパ育休」手取りを全額補償へ 」でした。


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 日本の巻頭ニュースがこの類です。貧乏くさい少子化対策として、春の選挙を乗り切る与党PR題材として、大企業に拠出金を出させ易い格好なものとして、彼(岸田首相)には映るのでしょう。「日本のコロコロ変わる少子対策制度の欠陥」を抱えている以上、こんなものを持ち出して、ここまで落ち込んだ出生率が引き上がることはない。遅すぎます。
 今、海の彼方では、熾烈を極めたマネーゲームの真っ最中。この荒波がやがて日本にも押し寄せて来て、混乱を引き起こすのです。

バイデン大統領「経営陣により厳しい罰則を」・・・

 バイデン米国大統領も、人気取りに終始するさしずめパンダの如くです。次に、NHKの報道ニュースを引用します。FRBや政府に矛先が向けられないように防御を張りました。

 アメリカで銀行の破綻が相次いだことを受けてバイデン大統領は、破綻を招いた銀行の経営陣により厳しい罰則を科すため議会に行動するよう促す声明を発表しました。

 声明の中でバイデン大統領は、現在の法律では経営陣の責任を追及する政府の権限が限られているとしています。

 そのうえで、経営判断のミスやリスクを取り過ぎたことで銀行が破綻した場合、規制当局が経営陣から報酬を取り戻し、民事罰を科すことや、再び銀行業界で働くことを禁止するといった、対応をより行いやすくするべきだとしています。(NHK 2023年3月18日 5時21分)

 今回のSVBファイナンシャルグループの傘下であるシリコンバレー銀行は、「過剰融資や乱脈融資」で「破綻へ一直線に進んだのではなく」、FRBの度重なる常軌を逸した毎月の金利引き上げに伴う「利息と金利の逆さやが銀行内部で発生した」ことで、懸念を抱いた大口預金者(VC)が自らの預金を引き上げたのが事の発端、脱兎の如く逃げ去ったのです。
 結果、同銀行は払出金の確保のため、保有する(度重なる金利引き上げで、評価損が生じている)米国国債を市場売却する以外に手立てがなくなり、評価損から実損が発生して立ち行かなくなったのです。

何故、FRBや連邦準備銀行は、SVBへ手を差し伸べなかったのか?

 こんなこと、同じ金融ムラの親玉であるFRBや連邦準備銀行が、同行へ資金融通(国債の発行額面を担保)すれば済む話しです。1913年、そのためのFRB設立だったのですから...。
 このような類で大統領や議会から「罰則や懲戒」などと言われものなら、暴利をむさぼるサラ金屋にでも成り下がった方がまだましです。それでは、楽しい週末をお楽しみ下さい。


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